れおぱるレビュー

『僕のヒーローアカデミア 第6期』

オススメ度 SS

 

OP1: S

ED1: S

OP2: S

ED2: S

作画: SS

わちゃわちゃ: B

 

あらすじだぜ!少年!

 

ホークスの内偵により、死柄木率いる敵ヴィラン勢力“超常解放戦線線”の決起の情報を得たプロヒーローと警察は、敵ヴィラン一斉確保のために集結、最大規模の作戦に臨む。そこには、デクたち雄英高校ヒーロー科の生徒たちの姿もあった。そしていよいよヒーローたちが“超常解放戦線”のアジトである群訝山荘と、ドクターこと殻木球大のいる蛇腔病院に突入!エンデヴァーたちは早速ドクターを補足するが、そこに大量の脳無が出現!一気に戦いへとなだれ込んでいく。いよいよ、ヒーローと敵ヴィランの全面戦争へ―!

引用元:EPISODES|TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』

© 堀越耕平集英社僕のヒーローアカデミア製作委員会

 

第6期が来た!

そして私も6度目の来たーーーー!!!!

という事でれおぱるレビューです!!!

 

16年春から続く『僕のヒーローアカデミア』ももう6期に突入したんだな...と感情に浸るままなく怒涛の勢いで描かれる集大成と呼ぶに相応しい6期、

圧巻の一言でしたね。

 

5期のラストで描かれた超常解放戦線が行動しだす前に叩こうとヒーロー側が動きだすところから始まる第6期。

5期でヴィラン連合をほぼ1クール通して掘り下げていることにより、ヒーロー側だけでなくヴィラン側の思惑を深く汲み取れるような戦闘が描かれていたのは最高でしたね...

ヒーローが主役の作品で間違い無いんですが、ヴィラン側の思惑や思考を痛いほど汲み取れるまでに5期で感情移入できていたので、誰対誰の戦闘が起ころうとも、ヒーローやヴィランに限らず誰もが主役級の動きができてしまう環境がここで作り上げられ爆発していた群訝山荘線はシビれたの一言でしたね...

5期分の積み重ねがあるとかどうとか以前に、物語の紡ぎ方そのものがここに向けてのものだったんだと戦闘の中で汲み取れるのもまさに圧巻で、

必要に応じてヒーロー側もヴィラン側も掘り下げ・覚醒がなされているので、ただ深掘りされているだけではないとんでもない物語に昇華していたように感じました。

それを象徴するかのようなエピソードは、第116話。

5期で掘り下げ・覚醒がなされたトゥワイスがメインになる話ですが、トゥワイスのバックボーンを我々が知っていることにより、ただヒーローがヴィランを駆逐するという物語ではなく、双方の正義がぶつかり合う意地の張り合いになっており、どちらの主張も正しく感じてしまうというとんでもないものが描かれてたのはすご過ぎました...

この集大成とも言える6期を象徴するようなエピソードが開始3話目にして描かれるんですから、後はもうただ映し出されるものを指を加えて見ることしかできないレベルのものになっていたのも圧巻と呼ぶに相応しいですね。

 

そして訪れる死柄木の目覚め。

同じ強大な能力の継承者として対比され続けたデクと死柄木。

オール・フォー・ワンやオールマイトが現役から退く形になったことで失われていた正義の象徴と悪の象徴にハマるべくして描かれ続けた2人でしたが、死柄木のほうが先に悪の象徴としての目覚めを果たしてしまい、ただでさえ上手くいかない超常解放戦線線にとんでもない絶望を与えもうダメだと何度も思えるほどの力をつけていて震えが止まりませんでした。

6期に至るまでにいろんな敵が描かれ対峙し続けてきましたが、ここまでどうにもならない存在というものは我々にとっても初めてのことで、絶望しか感じない目覚めの描き方が物凄かったですね。

また、一見死柄木に関係ないように思えていた過去の敵達の思惑もここで死柄木に集約されるようにまとまっていき、意外なところで絶望の繋がりを見せ始めるという畳み掛け方も物凄く、

1期第1話から紡いできた物語が全部ここに集約されているかのような勢いにも感じ、ヴィラン面でもまさしく集大成と呼ぶに相応しい物語全体を通しての描き方は脱帽でしたね。

 

ヴィラン側の掘り下げ方のすごさに目が行きがちな1クール目ですが、もちろんヒーロー側も5期分の積み重ねがあるので物凄いのは確かなんですが、ここでも猛威を振るってくるのはここまで描いてきたもの全てだったことも物語全体を見渡した時の面白さに直結してしまうのも6期の凄いところ。

ヒーロー側の成長は5期までに死ぬほどと言っていいほど描き尽くしてきており、これ以上あるのか?と思えるレベルに達してきておりますが、6期で描かれるのは、積み重ねによる成長ではなく、

積み重ねによる絶望。

ここまでヒーロー達を十分掘り下げてきたからこそ失うときの反動が大きくなっていることを利用し、今までになかった総力戦で次々と失っていく戦力。

その失われていくヒーロー達の大切さを視聴者自身が1番わかっているからこそ「あの人がやられたのならもうダメだ」に繋げてしまうことができ、死柄木の目覚めによる絶望にさらに絶望が上乗せされとんでもない空間を作り出していました...

ヒーロー達が勝つことにより面白さを見出してきた作品でしたが、まさかヒーロー達が負け同然の引き分けをすることにこれ以上にない絶望が加算され面白みをここまで感じるとは思っていなかったので、この面白さを感じ取る面でも今までにないが徹底されているなとひしひしと感じました。

 

そして2クール目。

絶望の中でも絶望を打開する決定的な一打にならなくともみんなで繋いできた攻撃が一縷の希望として輝いた1クール目ラストも虚しく崩れ落ちてしまうかのように始まる本当の地獄。

手に負えないヴィラン達が収容される刑務所が襲撃されたことで、世に解き放たれる凶悪犯達を前にして、敗北を喫したヒーロー達は信頼できないと暴徒化した一般市民達による個性の行使が絶望を地獄に変えていた描き方は、物語的には最悪ながらも物語全体を見た時には凄いなと言わざるを得ない事を描いていてここでも圧巻でしたね。

個性を持つことが当たり前になっている世界で、個性を公の場で使えるのがヒーローだけという設定レベルからこの問題が浮上することが露見しており、個性を自由に使うことを訴え続けてきたヴィラン達の主張が正しいかのように思える見せ方は凄すぎます。

ヴィラン達の掘り下げがあってこそ感じる凄さなどではなく、掘り下げられる前から、具体例を挙げるならVSステインの時からヴィラン側の主張が妙に納得できてしまうのは設定レベルの伏線があったからかと思い知らされるような起こるべくして起こった展開はシンプルにストーリーが面白過ぎました。

今まで描いてきたもの全てはこれを描く為だったかと。

今までの全てをここに注ぎ込む集大成がここでも光っており本当に怒涛と呼ぶに相応しい第6期でした。

 

そして、その地獄から這い上がってくるのが『僕のヒーローアカデミア』らしさがより一層輝く部分。

信頼が崩壊してしまったヒーロー達が再び信頼を取り戻すために動き始めるのも2クール目。

ヒーローが何故ヒーローを志し、ヴィランが何故ヴィランになってしまったのかという、表面上の善悪だけでなく、人そのものの生き方にスポットを当てた荼毘とホークスの掘り下げは面白さを加速させていましたね。

ヴィランも最初からヴィランを志したわけではなく、ヴィランになるしかなかった経験をしたからこそ。

また、ヒーローは一歩間違えればいつでもヴィランになってしまう危険が隣り合わせていると明確に提示されることにより、ただ己の正義を主張するだけの戦いではないもっと深い何かとして物語全体が描き直されているかのような掘り下げも今までにないもので素晴らしかった。

 

そして、ヒーローを負けたままでは終わらせない為に行われる第6期最大のイベントにして物語全体の最大のイベントとも呼べるデクの覚醒。

5期で明らかになったワン・フォー・オールの新能力を歴代継承者の承認を得て全開放することでデクが新たなデクとして歩み始めますが、

元々抱え込みすぎるデクだからこそみんなをこれ以上巻き込まないように間違ってはいないが間違った道を1人で歩み出してしまう。

そこで必要なのはやはりここまで共に歩み成長し、困難を乗り越え続けてきた仲間の存在。

ただ新たな能力を解放するだけの覚醒ではなく、間違った道を歩むデクをただしてくれる存在がいるからこそ、守るべきものを気付かせてくれる存在がいるからこそ初めて成立する覚醒はお見事でしたね...

全138話に渡り、デクが悩めるクラスメイト達を救い出してきたように、こんどは悩めるデクをクラスメイト達が救い出すという恩返しがなされており、

誰も手が届かないほど強くなってしまったデクだが、みんなで力を合わせれば擬似100%にだって勝る力を出すことができるという、間違ったデクをぶん殴り目覚めさせる第136話は、先んじて誕生した悪の象徴に対抗するべく生まれようとしている新たな正義の象徴になる為の第1歩にもなりますし、

オールマイトが引退すると共に言い放った、

「次は君だ」がデクに対するものでなくヒーローを志すもの全てに突き刺さりここまで突き動かしているというヒーローアカデミア要素にも大きく響いており、改めて物語全体を見渡した時の凄みがここに集約されているなと感じることができました。

 

まさしく集大成と呼ぶに相応しい第6期。

物語の大きな問題にケリはつきませんでしたが、新しい悪の象徴に生み出されてしまったこれ以上にない地獄を打開するために積み重ねられる一つ一つの必要な展開がしっかりなされていることにより、新たな正義の象徴が生まれる一歩手前にまで迫るという希望を残して次に繋げることができていたので面白い以外に言う事はありません。

新たな悪の象徴として描かれている死柄木でさえも誰も見捨てない精神によってデクの手が伸ばされようとしていたのもアツかったですね...

力の差はあれど対等な関係、仲間でありライバルである関係を1年A組に再認識させることにより、全員が全員を引っ張りあって成長していく要素も最後の最後までみっちり描かれ、改めて、

全員が主人公の物語

なんだなと久々と感じさせられましたね。

デクと死柄木だけが手の届かないほどにまで成長してしまいましたが、『僕のヒーローアカデミア』ならその手が届かないところで2人を放置せず全体のレベルを上げて2人だけに抜け駆けなんかさせない環境をこれから築いてくれると信じているので、

第7期が待ち遠しいですね。

 

第6期でももちろんあの言葉で締めますよ!

 

さらに向こうへ!

Plus Ultra!!!!!!

 

 

第5期は多分こっちだった気がするぜ!少年!!!

 

『僕のヒーローアカデミア 第5期』

『がっこうぐらし!』

オススメ度 S

 

OP: S

ED: S

作画: B

わちゃわちゃ: A

 

あらすじ!

 

ゆきとくるみ、りーさん、みーくんの4人は、「学園生活部」の仲良しカルテット。この部活の目的は「授業だけでは触れられない学園のさまざまな部署に親しむ」こと! 今日も、おいしいパスタに舌鼓を打ったり、園芸部の屋上庭園でプチトマトの収穫に励んだり、あるいは授業で居眠りしたり。なんだかんだと賑やかに、毎日を楽しんでいる。そんなある日、学園生活部のマスコット的存在、柴犬の太郎丸が行方不明に。学校中を探してまわるゆきたちだったが……?

引用元:STORY -TVアニメ「がっこうぐらし!」公式サイト-

©️Nitroplus海法紀光千葉サドル芳文社がっこうぐらし!製作委員会

 

どうも!窓...割れてね...?

れおぱるレビューです!!!

 

15年夏に放送された本作ですが、あれから何年経とうと色褪せる事なくゾクゾクさせ続けてくれた事に驚きが隠せませんが、言えることはただ一つ。

相変わらず面白かった!です。

 

ゾンビものの定石をしっかり物語に落とし込んでくる作品なので、ゾンビものをある程度観たことがある方ならこの先の展開にはこういうのが待ち構えていて...なんていう展開の予想がある程度出来てしまい、本作でもほぼそれ通りにことが運んでいくように描かれていますが、そんな事は関係なく面白いが持続する凄みに溢れていたように感じます。

その理由は、これをきらら作品がやっているからの一言に尽きると思います。

きらら作品の良いところというか、我々が潜在意識として刷り込まれているきらら作品らしさが先行することにより、多くの人が騙された!と言いながら恐れ慄いた第1話にきらら作品がやっているからが顕著に表れているんじゃないでしょうか。

学校の中で活動する「学園生活部」というわけのわからない部活が描かれ、活発な女の子達がわちゃわちゃ学校で暴れ回っている事で、きらら作品特有の強みを活かした作品がまた始まったなと思わせる導入部分から、まるでシャツのボタンを掛け違えたように違和感を覚えだし、それが間違いではなかったと全ての問題が解き放たれる1話のラストは圧巻の一言ですよね。

きらら作品特有のわちゃわちゃした空間のすぐ裏には目を背けたくなるような絶望が当たり前のように待ち構えておりそれが我々に叩きつけられるようかにして血塗れの教室が映し出されるシーンは何度も見返したくなる1話の完成形と言って良いほど。

それに加え、ゆきちゃんが笑顔で駆け回っている導入部分から違和感を覚えさせる為にゆきちゃんの言動とのズレを事細かに描く事で楽しいながらも不安が刺激される経験したことがない感情に陥れてくるのは、この作品が持つもの全てを活かした最高の導入と言えます。

ほんと何年経っても色褪せないなとひしひしと感じさせられました。

 

そんな衝撃の第1話からまずは我々視聴者に現状把握させるかの如く描かれる絶望の中で逞しく生きる学園生活部の日常。

ゆきちゃんがひたむきに明るい事で、どうしようもない不安に駆られることこそありませんが、日常の中に当たり前のように共存するようになっている不安の種というものは当然のことながら取り払えておらず、ここでもこの作品ならではの雰囲気が醸し出されていて本当にすごいなと感じましたね。

そして、現状把握が終わると共に浮き上がる疑問。

なぜこうなったのか。

が示される4話から6話に跨るの過去回突入は圧巻でした。

物語の構成的にも現状を把握することにより疑問がマックスに膨れ上がった段階で差し込まれる事の発端を示す過去回ですから、視聴者が欲しいと思った時に欲しいものをしっかり描いてくることにより物語の面白さの持続にも繋がっていて凄いなと感じられますし、

ストーリー的にも過去回を挟むことによって疑問が取っ払われるというよりかは、過去回を挟むことによってどうにもならない絶望を確実なものに固め上げ、更なる問題を物語に落とし込んでくる抜かりなさも感じることができて2周目ながらゾクゾクが止まりませんでしたね。

 

そして、この頃にちょうど浮上しだす問題の代表格として浮かび上がるのが、ひたむきに明るいゆきちゃんの存在です。

ゆきちゃんは第1話から学園生活部での生活を心底楽しんでいるように見受けられ、それが最初から描かれていることによって我々視聴者はそういうものだと認識してゆきちゃんの明るさを自然と受け入れていましたが、みーくんが加入することによって指摘されるめぐ姉の存在でその考えが一瞬にして覆され、大切な人を失ってしまって狂ってしまったゆきちゃんに向き合わなければならない時間に突入します。

これがもう物語の肝となる部分で、初見時も2周目もこれは凄いな...としか言えなくなるレベルの問題の提示は恐れ入りました。

みーくんに指摘されるまでは、ゆきちゃんの明るさが精神的支柱になっていると解釈するまでにゆきちゃんの存在の大きさを認める舞台が整っていたので、それが一気に崩される描き方は絶望を徹底してるなとひしひしと感じますね。

 

そして訪れるクライマックス。

ここまで描いてきた問題や不安と、絶望に絶望を重ね続けた展開が一気に押し寄せてくるクライマックスは一度観たことあるのにハラハラが止まらない内容で、生きた心地がしませんでした。

クライマックスで1番印象に残るのは、なんといっても狂ってしまったゆきちゃんが自我を取り戻すフェーズ。

これ以上にない絶望が押し寄せる中で、めぐ姉がいないことによる違和感からめぐ姉と別れることになってしまったあの日の記憶を取り戻し、ゆきちゃんが本当のゆきちゃんとして目覚めるために過去に別れを告げ未来に歩みを進めるシーンは圧巻という言葉がよく似合います。

ゆきちゃんの中で生き続けていた象徴的なめぐ姉にあの日のあの場所で別れを告げることでめぐ姉から背中を押し出される形で未来に進めますし、

地下区画で出会った物理的なめぐ姉にもみーくんが別れを告げることで後腐れなく学校を去る為の舞台を整えることができるという2重の別れはわかっているのに泣いてしまいます。

それほどまでに物語の紡ぎ方が非常にうまく、終始面白いが持続できる環境を自ら作り上げている凄みは色褪せない理由なのかなと思いました。

 

最終回では、大好きな学校に別れを告げなければならない時が訪れますが、逃げるように去るという事はせず、

あくまで学校の部活動として然るべき手段を踏んで卒業という形で学校を後にするので、この先にまた新たな物語が待ち受けているとわかる締め方なのに綺麗に締めたなと感じてしまうほど後腐れなく解決できる全ての問題を片付け学校を後にしていたので最後の最後まで素晴らしいの一言です。

押し寄せてくるゾンビ達に対しても、物語の中でちらほら描かれていた過去の記憶を刺激する形で片付けることに成功していますし、本当綺麗な最終回でした。

 

何故いまだに大学編をアニメ化しないのかという文句がある事が本作最大の弱点だと言えるほど、物語面が優れ過ぎている作品ですので、当時はまだアニメを見てなかったから見てないよって方はぜひ観てみて下さい。

太郎丸もきっと喜びますよ。

『とんでもスキルで異世界放浪メシ』

オススメ度 B-

 

OP: B

ED: B

作画: S

わちゃわちゃ: B

 

あらすじ

 

ある日突然異世界の勇者召喚に巻き込まれた、至って平凡なサラリーマンのムコーダ(向田剛志)。召喚の際に彼に与えられた固有スキルは元の世界の食材や調味料を取り寄せることができる「ネットスーパー」という一見地味なものだったが、異世界ではこの料理がとんでもない効果を発揮し――!?

引用元:TVアニメ「とんでもスキルで異世界放浪メシ」公式サイト

©江口連・オーバーラップ/MAPPA/とんでもスキル

 

どうも!深夜アニメの飯テロは反則だとあれほど言ったのに...

れおぱるレビューです!!!

 

異世界に勇者として召喚されたムコーダはネットスーパーという戦闘のなんの役にも立たないスキルを持ち合わせており、迷惑をかけるぐらいならと王城を抜け出し一人旅に出る事を決意する...というお話。

 

基本的にタイトル通りのものを紡ぐ事がこの作品の目的なので、それ以上でもなく、それ以下でもないストーリーが永遠の紡がれていた印象でした。

物語の主軸に置かれるものは異世界の素材を使ってネットスーパーで調達したもので料理をするというものなので、飯テロ面に関する描き方はもう一級品でしたね。

数多くの飯テロアニメがある中でも、料理作画にここまで本気を出してくるのかと驚かされるほどMAPPAの使える力が出し惜しみなく注ぎ込まれていたので、料理が完成する前の素材の段階から美味しそうが持続していたのは素直にしんどかったですね。お腹が。

それと、イオンネットスーパー全面協力の下描かれるムコーダのスキルを使った料理というのも個人的には高ポイントで、

我々に馴染み深い既製品が使われることにより言葉で聞かされる味の良し悪しよりも容易に登場する料理の味が想像しやすいので空腹に無限にアプローチしてくるようなものに仕上がっていました。

また、既製品を使うことにより食べたくなったらネットスーパーやイオンに赴き気軽に再現できるというのもこの作品ならではの持ち味で、

アニメにも関わらず現実との距離が非常に近い珍しいアニメだなと感じました。

 

ただ、タイトル通りのものはしっかり紡げていますがそれ以上に消化不良感が無かったのも事実で、

例えば同じ飯テロアニメである『異世界食堂』に目を向けてみれば、料理がメインなのは変わらないですが、料理を主軸にした単発のエピソードを各話で紡ぐことにより料理だけじゃない面白さを感じ取れるような描き方がなされていますが、

本作の場合ではそれが感じられず、本当に料理一本で勝負してきているような印象があったので、12話まで面白いが持続しなかったように思えます。

タイトル通りの事を紡ぐことは私の中ではめちゃくちゃ評価が高くなるものですが、そこを描きつつ横に派生していく深みの部分が疎かになってしまえばそれだけ飽きが来てしまうのも事実ですし、もう少し物語パートに時間を割いても良かったのかなと感じます。

実際、物語をしっかり紡ごうとはしているんですが、そこから予想される物語に踏み込む前にすぐ"いつもの"料理がスタートしていたので、期待に胸を膨らませていた私にとっては毎回焦らしを食らっていたようなもので乗るに乗り切れなかった印象がありました。

 

それに加え、個人的に本作は萌え成分が不足しすぎなように感じるのも良くなかった。

料理がメインのアニメなのでストーリーの深みや萌え成分など野暮な事を言っているのは重々承知しているんですが、ストーリーに深みを出さないなら出さないなりに料理とは別のもう一つの武器が欲しかったという願望が残るので、

そこは萌え成分で補って欲しかったと感じますね。

単純に、ムコーダやフェルが美味しそうに飯を食ってるシーンにさほど興味が湧かないですし、それが最終回までずっと描かれることになれば必ず飽きに繋がるので、どうせストーリーを深いものにしないのであればただ美味しそうに飯を食べる女の子をパーティに加えても良かったのかなと思います。

我々オタクにとって美味しそうにご飯を食べる女の子の存在は常に求められていることですしね。

 

萌え成分などの武器に頼らず、あくまで料理一本で勝負してくるような作品で、ありとあらゆる技術が詰め込まれた料理パートによる刺激は空腹に響きすぎるので空腹では絶対に見ない方がいいです。

タイトル通りのこと以上のものは絶対に描かない作品なので、物語などに固執しすぎると面白さを感じ取れませんが、"いつもの"料理パートには安心感を覚えるほどまでに洗脳されるのでそこにも注意が必要ですね。

『虚構推理 Season2』

オススメ度 A

 

OP: A

ED: B

作画: B

わちゃわちゃ: C

 

2期でもこの文章はあらすじである!

 

とあるマンションの地縛霊から「謎の怪異」の相談を受ける琴子。夜な夜なマンションの空き部屋から怪音が聞こえ、そこには四本腕の人非ざる姿の人形が落ちているという。正体を突き止めるため、九郎と一緒に調査へ向かうことにする琴子だが…怪異たちの秩序を守るため、知恵の神・琴子の推理が始まる!

引用元:あらすじ | TVアニメ「虚構推理 Season2」公式サイト

©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理2製作委員会

 

どうも!そうか...俺たちはまた...

岩永琴子と結婚したくなる冬を経験したのだな...

れおぱるレビューです!!!

 

20年冬に放送された『虚構推理』の第2期。

点と点が線で結ばれたまごうことない事実を虚構によって一つ一つ丁寧に解いていき、虚構によって一つ一つまた丁寧に虚構という線を織り交ぜながら結び直していく丁寧すぎるほどの鋼人七瀬のエピソードが未だに記憶に新しく、あれからもう3年も経ってしまったのかと時の流れの早さをひしひしと感じる今日この頃...岩永琴子の相変わらずの美しさに興奮してたらあっという間に2期も最終回でした...

 

相変わらず面白かった!と開口一番に言いたくなるほど安定した虚構の紡ぎ方を高品質で提示し続けてくれた2期でしたね。

ただ、1期のような長編のエピソードで構成されるようなものではなく、短編のエピソードを4.5本紡ぐような構成になっていたのは少しばかり消化不良感が否めませんでした。

というのも、1期では鋼人七瀬編という主軸があり、まごうことなき真実を虚構で覆すための準備段階から丁寧に映し出し、最終的に公式サイトをも巻き込む形で虚構で真実を塗り替えたという土台があるので、

2期でもそのような主軸のエピソードがメインに来て丁寧な虚構を拝めるんだろうなと思ってた矢先、まさかの短編構成で正直拍子抜けを感じてしまったからなんですよね。

1期の頃には、短編構成でやった方がテンポが良くなり面白くなると囁かれていましたが、1期の最終回まで見てしまうと長編の主軸があることが『虚構推理』のデフォルトとして認識されますので、1期の頃に囁かれていた願望を2期で叶えられる形になったとしても、デフォルトを期待して2期を観ていた層にとってはやはり物足りなさを感じてしまいます。

また、1期でやっとの思いで倒した六花さんが再び岩永琴子に襲いかかってくるような煽りを散々挟んでおいて結局2期で対峙しなかったのも消化不良感に拍車をかけているように感じます。

原作のエピソードそのものがエピソード毎によって振れ幅が大きいようなのでアニメ化するにあたってどうしても1クールという制約があるので構成が難しくなるものなので仕方がないことですが、やはり1期がめちゃくちゃ好きだった層にとってこの2期は観たいものが観れなかったという感想に繋がってしまうのでその辺りは少々残念だったかなと思います。

 

ただ、構成そのものに不満があれど各エピソードの完成度の高さと、これからを見据える為の下準備が行われたという点で見る2期はやはり面白い!と言いたくなるほど楽しめました。

まず、1期では拝めなかったいろんな虚構の紡ぎ方を短編構成であるが故に実現できているのは非常に素晴らしいと言わざるを得ません。

妖と人間が親密な関係になることは間違っていると示す為の虚構や、妖と人間がそれなりの覚悟を持って愛し合うと言うなら背中を押す為の虚構、人間不信になりかけている人間に対してこれ以上悪化しないように配慮する為の虚構。

妖達でさえもどうすることにもできない呪いの類が現れようものなら、事の発端を暴き疑問を持つ妖や人間を納得させる為のスタンダードな虚構。

妖によって起こされた事実を信じさせる為に虚構を紡いでくれと言われようものならその依頼に応じる形で虚構を紡ぎ、かと思いきや妖と人間が交わる事は秩序に反している事を理解させる為に虚構によってきたょこうに導き、そこから真実を炙り出すような虚構を重ねていく...などなど。

2期の中でいろんな角度からの虚構を紡いでいた事で、真実を捻じ曲げる為に虚構が用いられるわけじゃないという本作の強みをひしひしと感じられ、異なるエピソードでも毎回興奮できたのは凄すぎました。

また、エピソード毎によって異なる虚構が描かれる事で、岩永琴子が正義の味方ではなく秩序を守る者としての存在だということをより強く印象付けることもできていたと感じられました。

特に20〜23話で描かれるホテル王のエピソードでは、目前に迫った虚構によるハッピーエンドさえも秩序を守る為という信念を貫き炙り出した真実でバッドエンドに変えてしまう覚悟も描かれており、ただ虚構を紡いでみんなをハッピーにするわけではない岩永琴子の恐ろしさが垣間見えたことも2期ならではの面白さに繋がっていたように感じます。

 

岩永琴子の恐ろしさを描くことで見えてくる2期のその先のエピソード展開を感じ取れるのも2期だからこそできた収穫の一つでしたね。

六花さんとの再戦を散々煽っておいて結局再戦にまで至らないことで、件の能力を持つ九郎先輩を持て余す形になってしまっていましたが、

六花さんが散々九郎先輩に説いてきた岩永琴子の恐ろしさを気付かせる準備段階だと捉えると2期の面白さがまた1段階増すように感じるんですよね。

鋼人七瀬編のような活躍は与えなくとも、異なるエピソードで岩永琴子の解決策や言動を九郎先輩に間近で見せることで、岩永琴子の秩序を守る者としてのブレなさを九郎先輩が1番感じ取れるような配置ですし、それによって感じた事を今後に起こりうる六花さんとの再戦での布石として配置することもできますし、今後の物語がさらに面白くなるんだろうなと思えるほど丁寧なフェーズでした。

でもまぁ、1クールアニメとしては次に繋げるための丁寧なフリはテンポが悪いと評価されてしまう原因にもなってしまうので、あまり良くないとは思いますが....。

 

個人的に、鋼人七瀬編の虚構の紡ぎ方や物語における進展の丁寧さなどが非常に好きだったので、それが損なわれてしまう短編構成はあまり好きじゃありませんでした。

が、各エピソードを単体で見ると『虚構推理』はやはり面白いな...と言えるほど、物語の描き方が非常に上手いので、面白かったと言わざるを得ません。

2期では原作でもアニメでも非常に人気のある萌女...もとい、雪女編があることにより大盛り上がりできますし、岩永琴子だけでは到達できなかった萌えに雪女が誘ってくれますよ。

是非、雪山で遭難して雪女に出会って...じゃなかった

是非、『虚構推理』観てみてくださいね!

あと、岩永琴子も愛してくださいね!

 

↓1期はこっちですよ!九郎先輩!↓

『虚構推理』

『神達に拾われた男2』

オススメ度 B+

 

OP: A

ED: A

作画: C

わちゃわちゃ: B

アイキャッチ: SS

 

以前と変わらずスライム研究に没頭しながらリョウマが営むクリーニング店「バンブーフォレスト」は今日も朝から大盛況。開店準備を終えたリョウマとカルラが執務室で今後の経営方針について話をしていると、店内から何やら大きな声が…。急いで2人が駆けつけると街のゴロツキたちが洗濯物にあらぬクレームをつけていたようで、暴れだした彼らをすでに用心棒のリーリンが取り押さえていた。これを機に店の防犯対策を見直そうと、リョウマはスライムの力を借りてまずは防犯ガラスを作ることに。

引用元:第01話 | STORY|TVアニメ『神達に拾われた男2』

©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男2』製作委員会

 

どうも!リョウマタケバヤシになりたくて仕方がないんですが、まずはブラック企業に入社すればいいですかね??

れおぱるレビューです!!!!

 

20年秋に他の追随を許さない程の優しさで我々をぶん殴ってきた『神達に拾われた男』の続編。

個人的に大好きな作品だったので2期が始まると聞いて踊り散らかしました。

 

ということで本題。

神達に拾われ転生し、森でスライム達と暮らす中でエリアリア達と出会い、いつまでもお世話になるわけにはいかないのでギムルの街で自立する為に冒険者として働く傍ら自らの洗濯屋「バンブーフォレスト」をオープンさせ大好評。

もうエリアリア達を心配させない程自立することに成功したリョウマはここまで見届けてくれた感謝をエリアリア達に伝え、互いに別々の道を歩み出すエリアリアとエールの交換をし送り出すというところで終わった1期の続き。

スローライフ系ながら書き出してみると激動の1期だったことが窺えるほど物語そのものの面白さがある作品ですが、

2期ではリョウマが自立していることで地盤が安定している為、1期と比べると物語そのものに動きが少なくなっており、少々物足りなさを感じてしまいますが、『神拾』が持つ良さはしっかり継続されていたので個人的には大満足の2期でした!

 

軌道に乗る「バンブーフォレスト」の2号店をオープンさせる話に現実味が帯びてくる中で、1号店オープンの際に尽力してくれた商業ギルド長からの紹介でレナフの街で商会を営むピオロさんと出会い、2号店立ち上げを行う...というエピソードが2期の主軸になっており、相変わらず異世界×商売の面白さも感じることが出来、

神拾の最もいいところである優しい世界もしっかりエピソードの中に落とし込まれていて、もう優しさに犯されるという表現がしっくりくるレベルでしたね。

1期でもブラック企業を経験しているリョウマがブラック企業の経営者にならない為に福利厚生を充実させていく様や周りの人たちに感謝を忘れない様が優しい世界に直結していましたが、2期でもそれが健在どころか、ストーリーそのものの動きが少ない分その優しい世界部分が強化されていたように感じます。

毎回、何回ありがとうって言うんだ?何回あの人は本当に凄いって敬意を表するんだ?って思うレベルで他人に対する感謝の気持ちとリスペクトが常に描かれており、誰かに支えられることで今日もまた充実した生活を送れているような無性に誰かに感謝したくなる気持ちを刺激されるので本当に困りましたね。

リョウマタケバヤシのように常に誰かに感謝しながら生きていけば充実した楽しい生活ができると提示されているようなものなので、リョウマタケバヤシになりたいという感情しか残らなくなるのは本当に困りました。

それ程までに、自分の生き方を見直そうと思わせてくれる程の優しさはまさに犯されるという表現が合っているほど凄いものなので是非とも体験してほしいですね。

 

ただ、前述したように1期と比べ物語そのものに動きが少なくなったような印象なので、1期と比べると盛り下がってしまったかなと感じてしまうのは少し残念ですね。

また、エリアリアちゃんが文通のやりとりでしか登場しなかったことで深刻なエリアリアちゃん不足に陥ってしまったこともよくありません。

リョウマが心配させないように必死に努力を積み重ね自立をし、それぞれの道を頑張る為にエリアリアちゃんを見送った1期があるので、簡単に再会するわけにはいきませんが、やはりメインヒロインが不在の状態が長く続くので寂しさが勝ってしまいます。

なので、エリアリアちゃんを過去の人物にしない程度の新たなヒロインを2期にあたる部分に登場させても良かったかなと感じますが、本作の雰囲気的にあまりにも萌え萌えしすぎるのもよくないところなのでそこはまぁないものねだりですね。

 

他人への感謝を忘れない事で、他人からも自然と感謝される空間が作り上げられ、気付けばリョウマを慕って、信頼して集まった人達に囲まれて今日も笑顔で生きていけるという優しさが形になったような素晴らしい作品。

リョウマの前世を知っているからこそ、誰かに感謝する度、される度、リョウマが笑顔になる度、リョウマが誰かを笑顔にさせる度に、本当にこの世界に良かったなって声をかけたくなるレベル。

それ程までに前世では味わえなかった幸せを今日も噛み締め生きていく姿に普通に涙が出てきます。

また、私が大好きな柳瀬雄之監督作品ということもあって、盲信に拍車がかかります。

田所あずささんを1期で苦しめた、柳瀬監督が笑うまでOKが出ないアイキャッチは2期でも健在で、アイキャッチから伝わる原作への愛が監督に対する信頼を増幅させ、この人が手がけるスローライフ系はほんと神だなと再認識できるような2期になっていますので、1期を観たことがない方は是非これを機に1期から観てみてくださいね。

 

ここまで見てくださってありがとうございます!

↓1期はこちらです!↓

『神達に拾われた男』

『異世界のんびり農家』

オススメ度 B+

 

OP: A

ED: SS

作画: A

わちゃわちゃ: A

 

あらすじ

 

「農業をしながらのんびり暮らしたい」
病で命を落とした青年・街尾火楽(ヒラク)は、神様に望みをかなえてもらい、異世界へと転生するが……目覚めたのは深い森のど真ん中。
水も食料もなければ寝床もない、頼れるのは神様からもらった「健康な身体」と「万能農具」の力だけ。
それでもなんとか自給自足の生活を始めるべく、火楽は見渡す限り広がる森の中を右往左往しながら奮闘する。

引用元:STORY/ストーリー|異世界のんびり農家

© 内藤 騎之介 /
異世界のんびり農家」製作委員会

 

どうも!疲弊した心をいつも癒してくれるのはスローライフ系のアニメですね!

れおぱるレビューです!!!

 

若くして病死してしまった街尾火楽は、神の手違いにより過酷な人生を歩んでしまったことを告げられ、せめてもの罪滅ぼしに次は望みを叶える形で転生させると約束され、そこで「農業をしながらのんびり暮らしたい」と願うが、転生した先は見渡す限り森が広がり人の気配すら感じられない場所だった...という物語。

 

ここまでタイトル通りのものを貫いてくるのかと終始驚かされたアニメでした。

タイトルにもある通り、異世界でのんびり農家をするというのが本作の大きなテーマですので、世界を救う為に武器を取るみたいな描写があれば貶しまくってやろうと身構えていたんですが、蓋を開けば農業農業農業。

本当に異世界でのんびり農家をするだけのストーリーはシビれましたね。

近年では、スローライフを謳いながら重苦しい雰囲気にシフトチェンジしてしまう悲しい作品がある中で、ここまで波風立てずにスローライフを貫いてくる作品は久しぶりに見たような気がします。

終始自ら謳っているのんびり農家を徹底し、視聴者から求められているのんびり農家に応え続ける姿勢に私は感動しましたよ。

スローライフを貫けば何も起こらない物語になってしまう危険性があり、物語的な面白さが皆無になってしまうものですが、本作はそれに臆することなくスローライフを貫くことにより本当に何も起こらずただ火楽が作った村が農業によって繁栄していく様だけを描いていて逆に怖かったですね...

私の性癖に刺さりすぎて。

それ程にまで徹底してテーマ通りの物語を貫けていました。

 

本作で特筆すべきなのは農業を使った物語の動かし方でしょうか。

前述した通り、農業によって反映していく様が永遠と描かれるんですが、ただ農作物を生産して売り捌くようなことはせず、火楽が作りたいと思った農作物を育て、それを美味しく食べる為に得意分野が異なるヒロイン達が能力を遺憾無く発揮し、結果として村の文明レベルの底上げに繋がり、それが村の繁栄に直結していくというような流れで構成された村を大きくしていく描き方も私の性癖すぎて頭がおかしくなりそうでした。

火楽が願った気ままに野菜を育てるということも達成されていますし、これでもかと補充されまくるヒロイン達にも異なる得意分野を与えることで活躍できる場を均等に与え村全体が盛り上がっていきそれがタイトル通りのものとして形になっていく様は何も起こらないながら圧巻で、物語的には何も起こっていないのに面白いと感じることができる凄みに溢れかえっていました。

こういうところの積み重ねから本作の何もないなりの強さが滲み出るんだろうなとひしひしと感じさせられましたね。

 

ただ、一つ消化不良だなと思うのは、あまりにもテンポよく女の子達を補充したことによる掘り下げ不足要素ですね。

火楽が暮らす死の森を村と呼べるレベルにまで押し上げないといけないので、人員の補充は必須ですが、人員を補充パートを詰め込みすぎることで魅力を持て余してるキャラが多かったように感じます。

前述した通り、それぞれのキャラに得意分野が割り当てられているので、掘り下げ不足でもそれなりの活躍ができてしまう環境があることにより、もう少しあの子に触れたいな...と思ってもそれ以上の映し出しがされないのでそこが勿体無いなと思ってしまいましたね。

また、キャラデザも非常に良いので、他の異世界アニメのヒロイン達と同等の魅力の引き出しがなされていれば村人全員がメインヒロイン候補として視聴者から愛されるキャラ像もできていたと思います。

ヒロイン達の魅力を引き出すことによって物語側から用意されるイベントではなく、キャラが動いた結果のイベントに見せられるような、キャラが突き動かす物語もできるので、キャラの掘り下げはもう少しやってほしかったですね。

 

目に余るほどのご都合主義やあまりにも女の子を補充しすぎてしまうようなどうしようもない事ばかり描き、物語的な面白さもないといっても過言ではない本作ですが、

ご都合主義だからこそ、女の子を補充しすぎてばかりだからこそ、何もないからこそ素晴らしいが成り立ってしまうようなテーマとそれに対するアプローチの仕方を永遠と紡ぎ続け、決して求められている事以上の事に手を伸ばそうとしない姿勢は信頼に値します。

私からスローライフ系に向ける信頼がより一層強固になるような作品で毎週楽しみまくれました。

今週もすげえのんびりしてるなと思ってたらいつのまにかEDが流れ出すほど30分間に没頭できますし、本当にすごい作品です。

EDも曲の良さもさることながら、映像がとにかくよくて泣きますよ。

村人達が火楽に一輪の花を手渡し続ける映像は物語の進捗によって変わり村人達からの愛を感じることができますし、EDの最後にみんなからもらった一輪の花達が集まって花束を抱える火楽が映し出されるところは最高すぎましたね。

しかも、最終回のED映像も元から持つ良さをフルに活かした最終回仕様の映像を差し込んできてましたし、是非ともそこまで見ていただきたい。

本当に素晴らしい作品でした。

『イジらないで、長瀞さん 2nd Attack』

オススメ度 A+

 

OP: B

ED: A

作画: A

わちゃわちゃ: S

 

2期でもあらすじ書いて、長瀞さん

 

センパイはあいもかわらず、読んでいるマンガをイジられたり、女子への声の掛け方をレクチャーされたり、はたまたタイツを無理やり履かされたりと長瀞に翻弄されている。
そんななか、長瀞に誘われたセンパイは、フレンズたち囲まれて文化祭の打ち上げに参戦することに……!

引用元:#01|STORY|TVアニメ「イジらないで、長瀞さん 2nd Attack」公式サイト

©ナナシ・講談社/「イジらないで、長瀞さん」2製作委員会

 

どうもっス!相変わらずキモキモっスね〜!って言われながら愛をぶつけられたいですねぇ〜!

れおぱるレビューです!!!

 

 

いやぁ...良かった...2期も素晴らしかった...!

21年春に放送された『イジらないで、長瀞さん』の続編。

21年春の『恋きも』と同様に愛してやまなかった本作の魅力がしっかり維持され、尚且つ2人の関係に進展があるかどうかを厳しい目で観ていこうと思っていましたが、描かれてる内容が想像を超えてくるほどのレベルの高さで更に沼にハメられてしまったと言いますか...やっぱすごいなこの作品と終始感じました。

 

1期では、どちらかというと長瀞さんのターンであり、ヘタレの烙印を押されているセンパイを引っ張る形でラブコメを繰り広げていましたが、1期クライマックスの文化祭でセンパイのターンが始まり、

それを引き継ぐ形で2期はどちらかと言うとセンパイのターンが多かった印象があります。

これは単純にセンパイが長瀞さんに対する気持ちを明確にしたから攻めるところは攻めるようになったというのもありますが、1番に見えてくるのはセンパイの血の滲むような努力の積み重ねがラブコメを突き動かすようになっているとも感じ取る事ができます。

というのも、長瀞さんに対する気持ちを自分の中で明確にしている為、少しでも長瀞さんに釣り合うような男になる為、少しでも長瀞さんと一緒にいて恥をかかせない存在になる為、少しでもヘタレから脱却する為の描写が数多くあったからです。

2期でそれを代表する描写はなんといっても眼鏡からコンタクトに変えるエピソードではないでしょうか。

コンタクトになる事で眼鏡の頃のヘタレとはおさらばだという覚悟を感じられ、実際コンタクトに変えて以降のセンパイの勇気を振り絞った踏み込み方には何度も惚れさせられました。

長瀞さんのイジりに対するカウンターは1期の頃から見受けられてはいましたが、カウンターからもう一歩踏み込み長瀞さんをどうしようもないほどの恋する乙女に変えてしまう描写に進化していましたし、視聴者が欲しいところでしっかり一歩踏み込めるようになっている男としての成長も感じられ、長瀞さん同様我々視聴者さえもセンパイの沼にハマってしまうような魅力の引き出し方をされていてもう感心以外する事がありませんでしたね。

 

〇〇さんをフューチャーする作品のフォーマットでいうと、まずは〇〇さんの魅力を引き出す事が優先される為、ラブコメ面や男側の魅力の引き出しがどうしても後回しにされてしまい現状維持という観ている側が辛い状況に陥りやすくなるんですが、

長瀞さん』の場合は全方位をハイレベルな内容で進めてくるような強さがあり、

物語そのものがゴールしてしまってもおかしくないほど深く踏み込んでくるところはとことん踏み込めるので、物語の進展スピードもダレが出る事なく楽しめるように描かれてるのは本当にすごいと感じます。

2期でもその強さが健在で、付き合うまでには至りませんでしたが、2人が付き合うための環境作りが着実に整備されており、このままいくとこの積み重ねでセンパイの卒業と共に大恋愛が爆発するんだろうなと想像できますし、その準備段階としての進め方が完璧だなと心底感じました。

 

個人的に、1期の文化祭がとてつもなく良かった記憶が未だに鮮明に残っているので、2期ではそれを超えてくるようなエピソードをやって欲しいなと思っていましたが、

結論から言うと文化祭を超えるエピソードがなく少し残念に思えてしまいましたが、

文化祭の副産物とも言えるセンパイの成長が著しく、それによって突き動かされるラブコメの数々でやられてしまったのも事実で、文化祭単体は越えられなかったが、文化祭からの積み重ねがしっかり描かれていた事で2期全体で文化祭を超えるようなハイレベルなものになっていたので大満足です。

 

Sデレという万人受けはしないヒロインの描き方をしていますが、やっている事そのものが純愛の大恋愛で本当に困るんですよね...

面白すぎて。

〇〇さんをフューチャーする作品が近年溢れかえってますが、『長瀞さん』に対する〇〇さん系で1番面白いという評価は相変わらず揺らがないどころかより強固なものにさせられたように感じます。

もう付き合っちゃえよ!と視聴者だけじゃなく作中のフレンズや姉トロ、須ノ宮までもが想ってることですし、みんなで2人の関係性を見守り背中を押すラブコメとしても非常にレベルが高い。

恥ずかしがり屋同士の大恋愛なだけあって、こっちが恥ずかしくなるような描写も多々ありニヤニヤが止まらない作品ですので、Sデレは性癖じゃないから...とか言ってる場合じゃないと思います。

2人の成長の描き方と距離の縮め方が非常にうまく描かれている事で形勢逆転しまくるというラブコメとして1番面白いことも平気でやってますしね。

観ない選択肢はないと思いますよ。

 

ね?センパイ♡

 

 

↓1期はこっちっスよ!センパイ♡↓

『イジらないで、長瀞さん』