『とんでもスキルで異世界放浪メシ』
オススメ度 B-
OP: B
ED: B
作画: S
わちゃわちゃ: B
あらすじ
ある日突然異世界の勇者召喚に巻き込まれた、至って平凡なサラリーマンのムコーダ(向田剛志)。召喚の際に彼に与えられた固有スキルは元の世界の食材や調味料を取り寄せることができる「ネットスーパー」という一見地味なものだったが、異世界ではこの料理がとんでもない効果を発揮し――!?
引用元:TVアニメ「とんでもスキルで異世界放浪メシ」公式サイト
©江口連・オーバーラップ/MAPPA/とんでもスキル
どうも!深夜アニメの飯テロは反則だとあれほど言ったのに...
れおぱるレビューです!!!
異世界に勇者として召喚されたムコーダはネットスーパーという戦闘のなんの役にも立たないスキルを持ち合わせており、迷惑をかけるぐらいならと王城を抜け出し一人旅に出る事を決意する...というお話。
基本的にタイトル通りのものを紡ぐ事がこの作品の目的なので、それ以上でもなく、それ以下でもないストーリーが永遠の紡がれていた印象でした。
物語の主軸に置かれるものは異世界の素材を使ってネットスーパーで調達したもので料理をするというものなので、飯テロ面に関する描き方はもう一級品でしたね。
数多くの飯テロアニメがある中でも、料理作画にここまで本気を出してくるのかと驚かされるほどMAPPAの使える力が出し惜しみなく注ぎ込まれていたので、料理が完成する前の素材の段階から美味しそうが持続していたのは素直にしんどかったですね。お腹が。
それと、イオンネットスーパー全面協力の下描かれるムコーダのスキルを使った料理というのも個人的には高ポイントで、
我々に馴染み深い既製品が使われることにより言葉で聞かされる味の良し悪しよりも容易に登場する料理の味が想像しやすいので空腹に無限にアプローチしてくるようなものに仕上がっていました。
また、既製品を使うことにより食べたくなったらネットスーパーやイオンに赴き気軽に再現できるというのもこの作品ならではの持ち味で、
アニメにも関わらず現実との距離が非常に近い珍しいアニメだなと感じました。
ただ、タイトル通りのものはしっかり紡げていますがそれ以上に消化不良感が無かったのも事実で、
例えば同じ飯テロアニメである『異世界食堂』に目を向けてみれば、料理がメインなのは変わらないですが、料理を主軸にした単発のエピソードを各話で紡ぐことにより料理だけじゃない面白さを感じ取れるような描き方がなされていますが、
本作の場合ではそれが感じられず、本当に料理一本で勝負してきているような印象があったので、12話まで面白いが持続しなかったように思えます。
タイトル通りの事を紡ぐことは私の中ではめちゃくちゃ評価が高くなるものですが、そこを描きつつ横に派生していく深みの部分が疎かになってしまえばそれだけ飽きが来てしまうのも事実ですし、もう少し物語パートに時間を割いても良かったのかなと感じます。
実際、物語をしっかり紡ごうとはしているんですが、そこから予想される物語に踏み込む前にすぐ"いつもの"料理がスタートしていたので、期待に胸を膨らませていた私にとっては毎回焦らしを食らっていたようなもので乗るに乗り切れなかった印象がありました。
それに加え、個人的に本作は萌え成分が不足しすぎなように感じるのも良くなかった。
料理がメインのアニメなのでストーリーの深みや萌え成分など野暮な事を言っているのは重々承知しているんですが、ストーリーに深みを出さないなら出さないなりに料理とは別のもう一つの武器が欲しかったという願望が残るので、
そこは萌え成分で補って欲しかったと感じますね。
単純に、ムコーダやフェルが美味しそうに飯を食ってるシーンにさほど興味が湧かないですし、それが最終回までずっと描かれることになれば必ず飽きに繋がるので、どうせストーリーを深いものにしないのであればただ美味しそうに飯を食べる女の子をパーティに加えても良かったのかなと思います。
我々オタクにとって美味しそうにご飯を食べる女の子の存在は常に求められていることですしね。
萌え成分などの武器に頼らず、あくまで料理一本で勝負してくるような作品で、ありとあらゆる技術が詰め込まれた料理パートによる刺激は空腹に響きすぎるので空腹では絶対に見ない方がいいです。
タイトル通りのこと以上のものは絶対に描かない作品なので、物語などに固執しすぎると面白さを感じ取れませんが、"いつもの"料理パートには安心感を覚えるほどまでに洗脳されるのでそこにも注意が必要ですね。