れおぱるレビュー

『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』

オススメ度 A+

 

あらすじ

 

美少女たちが囚われ、闇オークションで売られていた。コライド侯爵による人身売買で、買い手も悪い貴族ばかりだ。王国より指令を受けた暗殺者ルーグは、魔法使いのディア、助手のタルト、情報部のマーハと共にコライド侯爵の調査を開始する。しかしディアはコライド侯爵に捕まり、オークションにかけられるのだった――

引用元:STORY(ストーリー) | TVアニメ『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』公式サイト

© 2021 月夜 涙・れい亜/KADOKAWA/暗殺貴族製作委員会

 

どうも!生まれ変わったら暗殺者になろうと思います。

れおぱるレビューです!!!

 

非常に面白いアニメでした。

ありとあらゆる暗殺を繰り返してきた、世界最高の暗殺者として名高い前世の男。

しかし、ある日組織から用済みとされてしまい暗殺されてしまうが、女神に魂を拾われ、「勇者を暗殺してほしい」と言う依頼を受け、異世界に転生すると言う物語。

 

本作は導入から他の異世界アニメと比べると頭ひとつ抜けてる印象がありましたね。

まず、異世界アニメといえばアバンで終わるような導入だったり、適当な理由をつけてチート能力を授かったりと、導入を疎かにしがちではあるんですが、本作はそこからまず違い、1話丸々前世の男の人生を描き、前世の男の考え方であるだとか、世界最高の暗殺者として女神に拾われた所以を徹底的に描き、異世界転生前には、依頼を達成するために必要なスキルなどを制限がある中で自分で組み合わせ、それを持っていざ転生!という流れを描いていたので、理由もなくチート体質であるだとか暗殺能力が元から高いとかいう雑さが一切なく、全ての工程が一本の線で繋がっているような面白さを感じました。

 

その面白さは導入後の序盤から中盤にかけても健在で、異世界転生後に持っていったスキルや元から持ち合わせている暗殺術に慢心することなく、生まれた暗殺家系の暗殺術をしっかりいたから学び、前世の暗殺術とトウアハーデの暗殺術を掛け合わせた唯一無二の強さを手に入れるどころか、異世界特有の魔術もしっかり勉強し、来たる勇者暗殺に向けての精進を怠らないという、最終目標にまっすぐ向かっていく物語はテーマ通りのものがしっかりと描かれており、面白さしか感じませんでした。

そして、なによりも特筆すべきは魔術要素

魔術の知識など一つもなかったルーグですが、師匠のディアの元、魔術を一から勉強しみるみる才能を開花させていくどころか、魔術詠唱の文字を解読し新たな魔術も作ってしまうという気持ちよさ。

解読も唐突なものではなく、一つ一つの文字を解読し、金属の比重や原子量が関わっていることを解読した上での魔術創造ですから、そんじゃそこらのチート創造とはわけが違う面白さというものも感じることができます。

 

そして、これらの無駄がない努力・鍛錬は、全て最終目標である勇者暗殺に向けた準備というテーマの徹底ぶりに震えが止まりませんでしたね。

目標に向かって物語がまっすぐ進行している。というよりは、目標から逆算された結果今に至ると感じるほど、一つ一つの工程、エピソードに無駄がない作りになっており、脇道にされてもいいエピソードがあろうともしっかりと勇者暗殺に向けて準備を進めていたという徹底ぶり。

終始物語の質の高さに驚かされ続けました。

 

また、物語の面白さは目的に向けた物語の進行だけでなく、前世の男が唯一後悔していた道具として暗殺を繰り返していたことの払拭にも現れていました。

前世の男は、転生前に勇者暗殺の依頼を受けるに至り、前世では無いに等しかった感情を授かり、転生後は道具として暗殺はしないことを決意し転生していきましたが、その決意が転生後にもしっかり活きており、暗殺対象を自分の目でちゃんと確認して生かすか殺すか決めるという、前世ではあっても表に出すことができなかった暗殺者としてのプライドもしっかり描かれ、人生やり直し物語としても機能してしまうという目的の事以外でも感じる物語の質の高さ、本当に素晴らしかったです。

 

全12話で描かれる中で、最終目標である勇者暗殺は達成されないまま物語は幕を閉じてしまい、本来ならば目的の未達成という事で減点の対象になってしまう事をしてしまっている本作ですが、目的未達成でありながらも、目的に向けた準備段階で終わるという構成が納得できるほど質の高いものが全体的に描かれ、無駄のない工程と物語の面白さに敬意を表してA+といたしました。

テーマに対してまっすぐすぎる程のアプローチ、タイトル負けしない世界最高の暗殺者としての生き方、全ての設定、全ての物語展開が無駄なく一本の線で目的まで繋がっており、思わず美しいなと感じられるほどのストーリーには文句のつけようがありません。

可能であるならば、明日から2期を放送してほしいほど私はハマってしまっているので、今すぐ2期を放送してほしいです。