れおぱるレビュー

『モブサイコ100 Ⅲ』

オススメ度 SS

 

OP: S

ED: B

作画: SS

わちゃわちゃ: C

 

3期もあらすじからだと!?

正しい判断です!

 

街の真ん中にそびえる巨大なブロッコリー“神樹”がみおろす調味市。塩中学校では進路希望を提出する季節になり、生徒たちは様々な思いをめぐらせている。それぞれが夢や希望を語る中、何も浮かばない自分の進路に悩むモブ。そんな折、除霊に訪れた依頼人の語る半生を聞き、モブと芹沢はどこか自分を重ねて不安になっていく。やがて、依頼人の怨念は街中に蔓延、生霊が巨大化し家を破壊してしまう。除霊にやっきになる霊幻…一方、モブと芹沢はさらなる不安に襲われて——!?

引用元:将来 ~進路希望~ | STORY(ストーリー) | TVアニメ『モブサイコ100』公式サイト

©ONE・小学館/「モブサイコ100 Ⅲ」製作委員会

 

どうも!ん?3期も私から見ろと言われる前に見ている!?

正しい判断です!

れおぱるレビューです!!!

 

いやぁ、もうなんでしょうね...

面白すぎません?『モブサイコ100』...

2期から4年近く空いたのにも関わらず勢いそのままに面白さが持続しているんよ?

凄すぎませんか??

 

気付けば1期が6年前に放送されているので、まだ見てない方に向けて簡単におさらいをしておきます。

極めて強い力を持つ超能力者でありながら、その超能力で好きな子を振り向かせることができなかった過去や弟を傷つけてしまった過去を悔み超能力を極力使わずに普通の人として生活をするようにした主人公・モブであるが、

彼は自分の感情や考えを表に出すのが苦手でストレスが溜まりに溜まり100%になった時大爆発を引き起こす...というお話。

超能力者がわんさか出てくる作品でありながら、超能力を使ってみんなで何か強大な敵に立ち向かいましょう!みたいなバトル展開をメインには置かず、あくまでもモブが普通の人間として成長・完成されていく様を描いている作品であるが故、1期から強烈な印象を与えられましたよね。

超能力を特別だと信じてやまない他の超能力者達と関わっていくことで、何が間違いで何が正しいのか、モブ自身は何を信念に考え行動するのか。

という、我々超能力が使えない普通の人達が無意識的に持っている人間性を構築する芯の部分を固めていく話の数々は、超能力者ではない我々にも響きまくるような大変エモいものに仕上がっており、この作品から学べることや、自分もこういう人間でありたいと真似したくなるような生き様が随所に見受けられ、本能に語りかけてくる面白いがある素晴らしい作品です。

 

前置きが長くなったところで本題いきましょう。

第3期は、1.2期で描いてきたもの全てにケリをつけていく、言わば物語そのもののクライマックスにあたる部分で、最終回に進むにつれて完結の2文字が見えてくるような盛り上がり方に歓喜し涙できましたね。

まずは、随所で見受けられるモブの成長。

これは普通に涙が出るレベルで感じる成長だったので思い返しただけでもシビれます。

これまでに、霊幻師匠との出会いや脳感電波部や肉体改造部、テルくんの存在やエクボ、律の存在。爪の第七支部や幹部達との抗争、そしてボスとの対峙などなど...

1.2期の出来事で経験し、他の超能力者達と争い学び、霊幻師匠から教えられてきたものの全てがモブをモブらしくたらしめる要因になっており、自分の考えを抱え込まずにしっかり表に出し、何か小さなことでも自分なりにより良くする為に...と考えているモブの姿を今までの映し出し方によって、親目線で成長を感じることができるので何気ないワンシーンだけでも成長したな...と思わず口に出してしまうレベルの感動がありました。

また、そのモブの成長に伴い描かれるエクボとの大喧嘩と大仲直りは2期第7話の霊幻師匠とモブのエピソードに匹敵するレベルの凄まじいものであり、お互いが悪いところをし合い、受け止めることで双方の想いを知りより一層仲のいい友達になっていく様は素晴らしく、今までのモブの成長があったからこそできる話の代表格なエピソードなのでもう面白いとしか言えません。

しかも、このエクボとのエピソードでは1期から得意としている劇場版的なカット割も惜しみなく使われており、最も印象的なのはエクボの顔アップから引き画に変わると同時にエクボがモブを心配させないためについていた優しい嘘が明らかになる衝撃的なシーン。

詳しくいうとネタバレに繋がるのでこれ以上は語ることはできませんが、もう鳥肌が凄かった。

個人的にはシリーズ全体を通してのベストエピソードは2期7話であることは変わらないんですが、3期6話をそれに匹敵するレベルのことをやっていたので、この作品は平均的にこの面白さを叩き出せるのかともう驚くことしかできませんでした。

 

そしてエクボとのエピソード以降から物語そのもののクライマックスは加速していき、

ギャグのためだけに存在していたと思われていた脳感電波部にさえもスポットが当たりケリをつけていく徹底ぶりに震え上がりましたね。

爪の存在やエクボの(笑)、サイコヘルメット教や2日最終話でできたブロッコリーなどなど、物語に単発的に関わっていたと思われていた設定でさえも物語全体に関わってくるような伏線として深く関わらせる構成そのもののうまさを非常に感じました。

特に脳感電波部に至っては、モブにすら入部を断られたというギャグだけで成り立ってきた存在だったので、3期で描かれる部長の想いをみんなで叶えにいくエモすぎるケリの付け方は大変素晴らしかった。

また、脳感電波部らしいギャグ寄りのオチの付け方もブレない良さを感じることができて素晴らしかったですね。

 

そして、3期のクライマックスと物語そのもののクライマックスを担う本来の目的「ツボミちゃんへの告白」。

モブが超能力に頼らず生きていこうと自分を変え出したきっかけでもあるツボミちゃんとのエピソードですから、それはそれはもうすごい盛り上げ方をしていましたね。

今までは、どんな強大な敵が現れようともモブがなんとかしてくれるというぬるい空気が正直あったわけですが、今回に至っては誰よりも強いモブが暴走することで誰も止める人がいなくなってしまうという真のラスボスが描かれたわけですから、もう手に汗ながらまくる展開でハラハラしました。

それと同時に、物語序盤で散々描かれてきたストレスを爆発させる様子がラスボスへの布石として描かれていた構成力の凄さも改めて感じることができ、やっぱりとんでもなく面白いなと感じました。

しかも、このクライマックスでは、モブが影響を与えられてきた超能力者が続々と集結しモブを止めようとするだけでなく、彼ら自身もモブに影響され変わろうとしている様が見受けられるので盛り上がり方がレベチでしたね。

それに加え、11話での律、12話の霊幻師匠からの言葉がやはり非常に素晴らしく、暴走する自分自身の中で葛藤するモブの様子が手に取る様にわかるレベルにまで描かれる事で我々視聴者もその一言一言の重みを感じられる様になっている描き方は圧巻の一言。

1.2.3期すべての出来事を通して、超能力を一つの個性として受け入れ、変えたかった嫌な自分を受け入れる事でモブが1人の人間として、影山茂夫として完成していく様はもう、素晴らしい以外いう言葉がありません。

 

もうね、何がいいとか何が惜しかったとかそういうレベルの話ではないと思うんですよこの作品。

欲しいものがしっかり描かれるのは当たり前で、それにプラスして我々にさえも大きな影響を与えてくる様なメッセージを投げかけてくるその姿勢が本能的に感じる面白いを永遠と刺激してくるんですよね。

最強には最強にしかわからない悩みがある

という物語の展開の仕方は、ONE作品の鉄板でありますが、『モブサイコ100』ではその最強の悩みをみんなで分かち合い受け入れ合おうとする優しさが何より光っているので、誰も孤独じゃないんだよみたいな包み込まれる感覚に浸れて安心すら感じるレベル。

この作品が放送されている2016年夏〜の期間にアニメを観ていて本当によかった。

ありがとう、『モブサイコ100』...

 

何!?2期も見返してみる!?

正しい判断です!

『モブサイコ100 Ⅱ』