れおぱるレビュー

『SPY×FAMILY』

オススメ度 A+

 

OP1: A

ED1: C

OP2: SS

ED2: S

作画: SS

わちゃわちゃ: S

 

あらすじ

 

西国ウェスタリス情報局対東課〈WISEワイズ〉は諜報員エージェント〈黄昏たそがれ〉に、東国オスタニアで戦争計画を進めるデズモンドの調査を命じる。〈黄昏たそがれ〉は精神科医ロイド・フォージャーに扮し、標的と接触できる名門イーデン校に子供を入学させるため孤児のアーニャを引き取る。実はアーニャは他人の心を読む超能力者だった。ある日、〈黄昏たそがれ〉を狙うマフィア組織にアーニャが連れ去られてしまう。ロイドは任務の仕切り直しを考えるが……。

引用元:EPISODES|TVアニメ『SPY×FAMILY』

©遠藤達哉集英社SPY×FAMILY製作委員会

 

どうも!アーニャ、きょうも げんきに レビューかく!

れおぱるレビューです!!!

 

22年春クール、22年秋クールの分割2クール全25話で放送された本作。

面白かったですねぇ!!!

 

東西平和を維持する為に東側に送り込まれたスパイ・ロイドの目的は、東側の野党第一党党首にして戦争をまた始めようとしているデズモンドに接触すること。

デズモンドと接触し情報を引き出す為に必要なことは、子供を作り、嫁を作り、デズモンドの子供が通うイーデン校に子供を潜り込ませ、そこで開かれる保護者懇親会に出席することだった...!というお話。

 

スパイという立場なので、結婚はおろか、子供さえ持っていないロイドはまずは孤児院に向かうが、そこで出会ったアーニャは実は他者の心が読める超能力者だった!という導入が非常に我々の心をワクワクさせてくれたことを鮮明に覚えてるレベルで導入が素晴らしかった印象があります。

それに加え、その後の嫁探しで利害が一致したヨルさんへのプロポーズも、スパイ、殺し屋、超能力者という異質の存在が一堂に会することでエピソードがはちゃめちゃな展開に傾きながらもしっかりまとまっていく様子が非常に面白おかしく描かれており、一気に心を鷲掴みにされた印象がありました。

この導入でわかる通り、とにかく設定が素晴らしく、その活かし方もうますぎるんですよね。

特にアーニャに至っては、それぞれが隠し生きている本当の顔を唯一知っている存在なので、アーニャを起点にエピソードを展開することがフォーマットになっていますし、アーニャが娯楽に飢えている性格を差し込む事で、本音と建前をコメディに転換させて物語そのものにすれ違いを起こし、その中で紡がれるエピソードの数々がより一層面白くなっていく動かし方は本当に素晴らしかった。

毎回、良いものを見たなと感じられるほどのエピソードの幅の広さはこの作品ならではなんじゃないかと思います。

 

そんなコメディ寄りのエピソードの中で時折異彩を放つのが仮初の家族が本当の家族のように絆を深めていくエモい描写。

ロイドはスパイであるが故、我々に見せている本心すらも嘘で塗り固められている可能性がありますが、家族で歩いてる時の背中や、実はアーニャの事を大切に思っている素振りや信じて送り出す行動の数々から、時が経つにつれ徐々に家族らしい絆が芽生えていっている様子を垣間見ることができ、ものすごくジーンと出来るんですよね。

ヨルさんに至ってもそれは当てはまり、

ヨルさんだけが実子ではないと思っているアーニャを想う気持ちであったり、その中で得られた母娘の絆を誰よりも喜んでいたり、2クール目で描かれるロイドが離れていってしまうんじゃないかという不安からくる本心のぶつけ方など、

母と娘との関係に留まらず、ロイドとの夫婦関係ですら仮初のものではなく本物同様のものにしていこうという想いが随所で感じられる事でそれがエモさに直結していたので、物語全体の深みを出す役割を担っていたのは非常に素晴らしかった。

また、各エピソードの起点となっているアーニャも例外ではなく、

全てを知っている存在だからこそ全てのことがうまく進むようにアーニャなりに動いてみたり、それが結果的に悪い方向に進もうともここぞというところでアーニャがいなければもっと大変なことになっていた...と思えるような活躍をしたりと非常に良い架け橋的な存在になっていたり、

時折発さられる純粋無垢であるが故の本心がロイドとヨルの心に直接響くような言葉になり、結果的に仮初の家族が本物の家族らしくなる為に必要な重要な役割を担っていたりと。

家族3人それぞれがそれぞれにしか出来ない役割を与えられることで、仮初の家族の絆がより一層光るエモいエピソードが紡がれていく様は非常に素晴らしかったですね。

 

そして、この作品が何より強いのは先ほども触れましたがエピソードの幅の広さなんですよ。

アーニャを起点にしているエピソードが多い為、どうしても似たようなエピソードが多くなりそうだなという心配は私もしてましたが、蓋を開けてみれば似たような話などはなく、それぞれのエピソードがそれぞれのエピソードとしての面白さを際立たせて、時にそれがコーナーのように進展していくような面白さも感じ取れたのは非常にすごいことだと私は感じました。

仮初の家族に関連したエモいエピソードも出来れば、単発のコメディも当たり前のように出来、はたまた本筋に直接関わるような緊張感漂うエピソードもできるという幅の広さは本当に面白いなと感じますし、普段深夜アニメを見ない層からも熱烈な支持を得られているのでエピソードの幅の広さや面白さは本物だと思います。

ただ、2クールアニメとしては本筋に関係ある話をもう1.2段階ほど進めても良かったのかなと個人的に思うのでそこだけが残念ですね。

キャラを掘り下げることで物語に深みをだしていくことは非常に素晴らしいことで、本作はそのお手本のような幅の広いエピソードもあるので、その深みをだしたキャラ達が本筋を進める為に動き回っていくような話が個人的にはもっとみたかったかなと思ってしまいます。

2023年には続編も映画も決まっているので、その辺はこれからの楽しみに取っておきましょう。

 

全体を通して、

基本的にコメディ調の作品であるが故、そこで展開されるエピソードの数々は非常に楽しいものになっており、人気が爆発するのも納得できる仕上がりが素晴らしいとひしひしと感じることができます。

その中で、設定をこれでもかと活かしたキャラの動かし方をしてくるので、ただでさえ面白いエピソードの数々に深みが増して面白さが加速していく様子はまさしく本物のそれであり、娯楽に飢えているアーニャばりにワクワクできる環境が整っていたのは素晴らしかったですね。

2クール目でフィオナが追加されるエピソードでは、本作らしいコメディの力の入れようが半端なく、盛り上げるべきところでこれでもかと盛り上げてくる姿勢は人気が出る要素が揃いまくってるなと納得できるほど素晴らしかったですし、その中で動きだすヨルさんの本心を取り扱った夫婦愛に直結するパートでは本作が持つ素晴らしさがギュッと圧縮されたような面白さも感じることができます。

とにかく全体的にレベルが高い作品なので非常に満足度が高い出来にれおぱるも感激です。

今年を代表するような顔アニメは?と聞かれれば真っ先に候補に上がるくらいこのアニメが今年の顔だと思っているので、是非。

アーニャが人気だからとかそういう理由でもいいので、まだみてない方は逆張りしてないで見てみましょう!面白いですよ!!!