れおぱるレビュー

『ぼっち・ざ・ろっく!』

オススメ度 S

 

OP: A

ED1: A

ED2: S

ED3: B

作画: SS

わちゃわちゃ: SS

 

あっ、あらすじです...

 

極度の人見知りで陰キャな少女、後藤ひとり。バンド活動に憧れギターを始めるも友達が出来ず一人で練習する毎日。ある日“結束バンド”というバンドでドラムをやっている伊地知虹夏に声をかけられ1日だけサポートギターをすることに……

引用元:転がるぼっち - STORY | TVアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」公式サイト

©はまじあき/芳文社アニプレックス

 

ど、どうも!陰キャだけならぼっちちゃんと同じですね!

れおぱるレビューです!!!

 

アニメ化の強みを最大限に引き出し形にしてくるアニメを観てる時ほど幸せなひとときってないですよね...

素晴らしく面白いアニメでした!

 

学生時代陰キャだったバンドマン達が売れてキラキラしてる姿に憧れギターを始めたものの、友達は1人もできず、ギターだけが上達するばかりの日々を送っていた後藤ひとりは、ある日結束バンドのサポートギターをお願いされる...というお話。

 

みんな大好き陰キャ主人公がでてくる作品というだけあって、毎回すごい盛り上がり方をしていた作品でした。

主人公である・ぼっちちゃんに共感できることが多いのも盛り上がりを見せていた一つの要因ではありますが、物語そのものが面白かったのがやはり大半を占めますよね。

物語そのものの主軸にある、ぼっちちゃんが成長していく様が非常に丁寧な作品であり、ぼっちちゃんの表情や目線、ギターの音から感じる成長は、漠然としたものではなく、しっかり視聴者も感じ取れるようにまで細かく描かれていました。

自分を変えなきゃ!と人一倍思っているぼっちちゃん像が常に描かれていたからこそ、ここぞというところで見せてくる成長は感動に直結し、応援したい気持ちがより大きくなっていく盛り上がりの仕方は正直尋常じゃありませんでしたね。

また、ぼっちちゃん1人だけが常に変わろうと動いていくのではなく、それをサポートしてくれたり背中を押してくれたり、時には隣を一緒に歩いてくれるような結束バンドの存在や先輩バンドマンの存在が非常に大きかったのもこの作品の特徴であり、

その存在があることで、他者から見れば小さな一歩であろうとも、ぼっちちゃんなりの、結束バンドなりの大きな一歩を踏み出していく一つ一つの工程に対する感動は毎度非常に大きく、この作品から感じる成長の凄みがより良いものへと常に昇華していった印象がありました。

それに加え、ぼっちちゃんの陰キャ像が非常に共感できる高いレベルでリアルに寄せられていたので、応援したい気持ちが上乗せされ、

実際のライブと一緒で、観客である我々視聴者と一体となり作り上げていく感覚があったのも非常に大きく、最初から最後まで盛り上がれましたね。

 

令和のけいおん!と時折評されている本作ですが、けいおん!には描かないような"ぼざろらしい"バンドの描き方をしているので、けいおん!とはそもそもジャンルが違い、比べるのが間違っているのかもしれません。

けいおん!はキラキラした青春の中で紡がれる陽であり、

ぼざろは地下のライブハウスを拠点にインディーズバンドが駆け上がっていく泥臭い陰の青春だと私は思うんですよ。

陰といっても、マイナスなイメージはなく、地下のライブハウスから武道館を目指していくような希望の光に包まれるようなキラキラした空気感はしっかり感じ取れますし、きらら作品らしいわちゃわちゃも完璧なレベル。

バンドといってもいろんな形があることを示してくれることで、けいおん!とはまた違った角度から我々をバンドの世界に誘ってくれるかのような作品で非常に素晴らしかった。

 

また、インディーズバンドという設定が他のバンドアニメにはない"ぼざろらしさ"を加速させていたことも面白さの要因の一つで、

部活動のようなみんなで掲げる夢ではなく、一人一人が夢見る姿を明確にしていることにより、夢に向かって進んでいく向上心が部活動ものよりも強く感じることができたのは素晴らしかったですね。

一見、夢がバラバラである為音楽性の違いなどで解散しそうな設定ではありますが、みんなでみんなの夢を叶えにいくような夢見るバンドマンから感じられる泥臭さが逆に結束を強くしており、初めはバラバラだった演奏も、メンバー同士の仲が深まり理解していく事で周波数が合わさっていく気持ちよさにも繋がっていたので、やはりすごいなと感じることができました。

 

そして、極めて演出が面白いのもこの作品の特徴ですね。

時折挟まれる実写映像や、我々が知ってるアレを彷彿とさせるような演出の数々が随所で見受けられましたが、そういう映像作品ならではの演出を挟んでくることで感じる楽しさは異様であり、ただでさえ面白いわちゃわちゃシーンがより面白くなって襲いかかってくるような感覚があると同時に、今までに見たことないような攻めた演出も多かったので、1秒たりとも画面から目を離せない作品に仕上がっていたのは素直にすごいと感心するレベルでしたね。

それに加え、圧倒的な作画の良さが演出の良さと相まって作品全体の凄みに拍車をかけていたと感じます。

ライブシーンの気合の入り方もさることながら、何気ない会話のワンシーンですら髪の毛一本にまで命を吹き込む圧倒的な作画の良さは頭がおかしい。

テレビシリーズでここまでやってくるのかとすべてのシーンから感じられるほど、映像技術が出し惜しみなく注ぎ込まれているように感じられるほど高クオリティに仕上がっていたのも作品に対するリスペクトを感じることができますし、それがあることにより我々視聴者も心の底から作品に没頭することができるプラスな空間が常に生み出されていたのはこの作品そのものの強さに直結していましたよね。

ほんと、全方向からの愛を感じられる素晴らしい作品でした。

 

ぼっちちゃんの成長に極限までスポットを当てることにより、結束バンドが逆境を迎えるシーンでぼっちちゃんがそれを打ち壊す様から感じる成長がとてつもなく良いものになっている第8話は個人的に最大瞬間風速を記録しましたし、ぼっちちゃんが目指すギターヒーローに確かになれている瞬間がとてつもなく気持ちよかったですね。

また、その後に行われるタイトル回収も実に鮮やかで、きらら作品でありながらここまで丁寧に物語を紡いでくるのかと驚かされっぱなしのものすごい作品でした。

欲を言えば、ぼっちちゃんの成長を主軸にしてきたように、この高水準で結束バンドの面々を掘り下げられるようなエピソード展開がこの先に是非とも欲しいので、2期3期に大いに期待したいですね。

最終回でも、最終回らしい成長をしっかり描きつつ、求められているいつも通りでしっかり〆てくる"らしさ"が貫かれていたので最後まで気持ちよかった!

まだまだ描けることは沢山ある作品なので、早々に続編を決定させて早く放送してほしいですね!