れおぱるレビュー

『アキバ冥途戦争』

オススメ度 A-

 

OP: A

ED: B

作画: A

わちゃわちゃ: C

 

あらすじ

 

“カワイイ”メイドを夢見てメイドカフェ「とんとことん」へやってきた、和平なごみ 17歳。
一緒に入店した新人メイドは、万年嵐子 35歳。
はじめてのメイドカフェに少し戸惑いながらも、なごみはご主人さまにお給仕をはじめる。

引用元:STORY | TVアニメ「アキバ冥途戦争」公式サイト

©「アキバ冥途戦争」製作委員会

 

どうも!とことん頑張るレビューだブー!

れおぱるレビューですブー!!!!

 

戦艦と萌え、競走馬と萌え、ゾンビと萌えなどなど...

交わることがないだろうと思っていた世界と萌えが融合することで新たに生まれる、広がっていくコンテンツを数多く見てきた我々アニメオタク。

そんな数多くのコンテンツが生まれる瞬間に立ち会ってきた我々が度肝を抜かれるほど強烈なコンテンツがまた生まれてしまいました...

任侠×萌え

交わることがないと考えるどころか、真逆の位置にすら存在するコンテンツが交わったこの強烈さは1話から凄すぎましたね。

まず目を惹かれるのが当たり前のように行われる、メイドが武器を手にし己の命や己の店を守るために戦い続け命を奪い合うわけのわからない非日常の世界。

なんの説明もなさらないまま急にこの作品内での日常が映し出されることにより、視聴者に強烈な非日常を植え付ける掴みは完璧だったんじゃないでしょうか。

また、その非日常を1.2.3〜話と説明無しに当たり前のように映し出していくことでそれが日常だと認知できてしまう構成力の高さは凄まじく、気がつけばこの作品にどんどんのめり込んでいく自分がいてびっくりしたことを今でも覚えています。

それに加え、任侠×萌えといってもずっと物騒な空気感を醸し出してとっつきにくい雰囲気を作るのではなく、常に暴力に頼る物騒な側面を持ちながら、その徹底された暴力に頼る姿勢が逆にギャグとして昇華してしまう映し出し方が萌えやギャグに繋がってしまうという奇妙な空間も凄く、

あからさまにギャグをやっているという空気感すら作っていないのにも関わらず暴力すぎるほどの暴力がギャグになってしまう面白さはこの作品ならではなのではないでしょうか。

本当に序盤から度肝を抜かれる部分が多く、新しいコンテンツが生み出されていくトライアンドエラーの現場に立ち会ったようなワクワク感が感じられ素晴らしいの一言でした。

 

そんな掴みが強烈すぎた本作ですが、物語の展開のさせ方としては、個人的にもう少し深夜アニメ層に乗せてもなかったのかなと考えます。

見ていた視聴者、私を含め任侠映画に疎い層が大半だったと思うので、ストーリーの深みを付け加えてあげるエピソードがもう1.2話あった方が深夜アニメ層に訴えかけれるアニメになりもう1.2段階ほど面白さが増していたと思うのでその辺が惜しかったかなと感じました。

特に、嵐子さんと御徒町、嵐子さんと凪さんみたいな物語のキーポイントとなる嵐子さんの過去につながる部分に関しては、小出しに情報を開示して各エピソード内で繋がりを示すのではなく、1.2話使った過去回で嵐子さんが抱く感情を視聴者にも植え付けるような映し出し方でも良かったんじゃないかなと考えます。

過去回がクライマックス前に挟まれることによりクライマックスが大きな盛り上がりを見せるという展開はやはり深夜アニメ層が慣れている展開の仕方ですので、欲しかったかなと強く感じてしまいます。

過去回が1.2話の尺を割いて差し込まれれば、第11話で嵐子さんが凪さんに泣きの土下座をするシーンもいろんな感情が渦巻く強烈なシーンに変わっていたと思いますし。

その辺に関しては前半のストーリーの遊びに当たる部分、非日常を日常にする部分に尺を割きすぎたのかもしれませんね。

キャラを遊びの中で掘り下げてストーリーにより一層深みをだしていく事は必要ですが、この作品の場合はストーリーそのものに先行して深みを出すことでキャラがついてくるような構図も取れるほど設定の段階が良すぎるので遊びがすぎたのかなとも感じます。

ただもしかすると、任侠映画に詳しくないのでわかりませんが、この小出しの情報で過去の因縁を膨らませる形式が任侠映画的に正しい作法なのかもしれないので、そこは私の勉強不足ですね。

ただ、最初から最後まで暴力が全てを解決するを徹底する姿勢にはシビれました。

主人公であるなごみが非暴力を訴える存在だったので、クライマックスで話し合いで解決するとかいうぬるいことを描いてこないか心配していたんですが、最後の最後まで暴力を根絶する為に必要な手段は暴力だと皮肉な世界が徹底されていたのは素晴らしいです。

 

話題作りのために想像だにしないジャンルの融合をして出オチで終わらせるような作品にはなっておらず、それぞれの特性を利用したストーリー展開がなされているので、見ている層の見識や見たことがないジャンルに対する興味がふつふつと湧いてくるような作品に仕上がっているのはすごいなと感心しました。

深夜アニメを見ている層がメインターゲットである為、萌え要素だけでなくストーリー展開ももう少しそちらに寄せてもらえればもっと面白い作品になったのかなとは感じますが、

真実をオチに付け加え叶わなかった夢を演出する第10話のようなオシャレかつ我々深夜アニメオタクが大好物すぎる最大瞬間風速のエピソードもあるので、観ることをオススメしますよ!

出だしで度肝を抜かれる非日常が日常に変わっていく凄みに触れましょう!ご主人様!!!