れおぱるレビュー

『スローループ』

オススメ度 A-

 

あらすじ

 

海辺でひとり、亡き父から教えてもらったフライフィッシングをしている少女・ひより。他の釣客から声をかけられますが、良く知らない人が苦手なひよりは疲れてしまいました。時刻も夕方に差し掛かりそろそろ帰ろうとすると、突然大声をあげる少女が現れました。どうやら綺麗な海を見て感動しているようです。
すると突然、その少女は服を脱ぎ始め…。

引用元:ストーリー | TVアニメ「スローループ」公式サイト

©うちのまいこ・芳文社/スローループ製作委員会

 

どうも!きらら枠に甘い!パンケーキくらい甘い!

れおぱるレビューです!!!

 

今は亡き、父親との思い出がいっぱい詰まったフライフィッシングをいつしか1人でやる様になっていた主人公・ひよりの元に、母親の再婚相手の連れ子として現れた小春。

フライフィッシングというマイナーな釣り方に興味津々な小春と共にフライフィッシングを続ける中で、自分たちなりの家族の形を構築していく物語。

非常に素晴らしいものでしたね!

私としては珍しく、原作勢として見始めた本作、物語の素晴らしさや、きらら作品らしいかわいさなどはわかりきっていた要素なので、各エピソードが動いて声が付く感動を噛み締めてました。

 

マイナーな釣り・フライフィッシングをひよりちゃんが色んな人と楽しんでいく中で、父親が亡くなった後にぽっかりと胸に空いていた穴を小春ちゃんや恋ちゃん、釣りを通して出会った人々に埋めてもらっていく様な心温まるエモ散らかしたストーリーは、きらら作品らしからぬ良さが存分に詰まっていて、非常に面白いですよ!

また、小春ちゃんにも態度には表さないですが、胸にぽっかりと穴が開いており、ひよりちゃんと互いにその穴を埋めていく様に関係が深いものになっていく様子も素晴らしいんです。

最初は連れ子同士、ぎこちなかった2人に家族の形は様々であることを教えてくれる、ひよりちゃんの幼馴染・恋ちゃんの存在も素晴らしく、物語を通して描かれる、家族や友達のかけがえなさ、形というものを見つけ出してゆく物語は最高の一言。

この初期メンである登場人物3人だけで関係性が完成してしまっているというものすごいことを成し遂げている作品でもありました。

 

ですが、原作勢としてどうしても気になることが一点。

フライフィッシング特有のキャストの動かし方や、魚を釣った後の料理作画などに、作画の節約が見受けられたのは少し残念に思います。

特に、キャストの動かし方。

原作では迫力のあるコマ割りで描かれており、これがアニメでぬるぬる動くとなると...!と楽しみにしていたんですが、止め絵で処理されていたり、そもそも画面外でその描写が描かれていたりと、あからさまな作画の節約が目立っていたことは良くないと思います。

実際、釣りアニメとして記憶に新しい『放課後ていぼう日誌』では、釣り描写を事細かに描き、その後の料理作画もぬるぬると動かしていたので、フライフィッシングの素晴らしさというものを伝えるためには動かす必要があったと思います。

フライフィッシング特有の動きなんかも普通の釣りアニメでは描けないことですしね。

死ぬほどぬるぬる動かすべき作品ではないことは重々承知していますが、アニメ化の強みをもう少しだして欲しかったなというのが原作勢の私からの意見です。

 

ただ、本作の良さは釣りの楽しさというよりも、かけがえのない家族や友達の存在、好きなことを好きだと自覚し、それを楽しむことの大切さというものに焦点を当てているので、作画の節約が目立とうと、ストーリーそのものを楽しめることは間違いありません!

きらら枠らしい萌え萌えした優しい空間と、きらら枠らしからぬエモ散らかした深いストーリーが共存している素晴らしいアニメですので、是非。