れおぱるレビュー

『Do It Yourself!-どぅー・いっと・ゆあせるふ-』

オススメ度 A+

 

OP: SS

ED: B

作画: S

わちゃわちゃ: SS

 

あらすじ

 

のんびりと夢見がちな結愛せるふと、現実的でしっかり者の須理出未来(ぷりん)。
幼なじみのふたりは4月に、別々の高校へ進学した。
せるふとぷりんも、本命の高校は同じだったが、せるふは不合格で、滑り止めの高校へ通うことになったのである。
ある朝、せるふは、登校中に自転車を壊してしまい、途方に暮れていた所を、同じ学校の先輩の矢差暮礼(くれい)に助けられる。
手際よく自転車を修理したくれいは、DIY部の部長だった。
せるふは、DIY部存続のため、人数合わせで入部することになる。
「DIYってどういう意味なんですか?」

引用元:Story | オリジナルTVアニメ「Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-」公式サイト

©IMAGO/avex pictures・DIY!!製作委員会

 

どうも・いろんなアニメのレビュー・やります!

強引なDIYって、でした!w

れおぱるレビューです!

 

ものすごく優しい作品でしたね...

今よりも技術が発展した近未来で、なんでも機械が解決してくれる豊かな時代。

そんな中で紡がれる手作業で何かを作り上げるDIY部にスポットを当てたお話。

 

まず、時代設定がこの物語の優しさを増幅させていて、この作品らしさが設定の段階から完成されていましたよね。

身の回りのことはAIが管理してくれ、何か欲しいものがあればドローンが即座に届けてくれる、そんな世の中で何かを自ら設計し作り上げていく事で、この時代に失われた手作業で感じる温もりが説明も無しに完成されている事で、掴みからもう優しさにぶちのめされたことを今でも覚えてます。

また、機械にはない、手作業だからこそ起こるミスを"味"として記憶に刻み込むことで、後々思い返した時に感じる頑張りがより一層達成感を感じさせる要素が優しさに直結しているのもこの作品ならでは。

本当に素晴らしい作品をありがとうと...その気持ちでいっぱいになります。

 

そんな設定から『DIY』らしさが光る作品ですが、それだけではないのが素晴らしいところ。

序盤のキャラ紹介にあたる部員集めのエピソードも優しさに拍車をかけていましたね。

こんな時代だからこそDIYなんだ!とか、

DIYってこんなものまで作れてすごいんですよ!!!

みたいなアツさやいやらしさを感じるエピソードで部員集めをするのではなく、興味がないと思っていたジャンルに実際に触れることで新たな興味の扉を開いてあげるキー的な役割で、あくまでも人と人とを繋げるアイテム的な役割でDIYが落とし込まれていたのが非常によく、

それによって得られる優しさが、集まってくる部員達の自分の居場所やここでの居心地の良さに直結し、優しさが上乗せされ続けたのは見ていて非常に気持ちよかったですし、毎回優しさが更新されていく様にどっぷりハマってしまいました。

 

そして、そのキャラ紹介にあたる部員集めの中で計画されるツリーハウス計画がこの物語の本筋になるわけですが、ここの落とし込み方も素晴らしいとしか言えませんね。

みんなで案出し、計画、準備、実行をする事で、部活動特有のみんなで何かを成し遂げる達成感を感じられますし、ただ見ているだけの我々視聴者ですら何かを作り上げていく喜びや完成した時のやり遂げた感を味わえる物語の組み立て方はまさしく完璧で、これまでの資材あつめや、何か小物を作って売って資金集めをしていた時の苦労が蘇ってくるクライマックスの感動は素晴らしかったです。

それでいて、DIYってこんなにすごいんだよ!といやらしい推し方をされなくともDIYが持つ素晴らしさにちゃんと触れられたことも物語全体のテーマのブレなさを感じることもでき、

何か愛着があったものを捨てるというそんな悲しい選択肢があってたまるか!

こんな便利な時代だからこそ、少し効率の悪いDIYで愛着があるものを生まれ変わらせ新たな愛着を紡いでいくんだ!という精神そのものがこの物語全体が持つ優しさや暖かみに繋がっていて、描きたいものの一貫性にシビれました。

何か使えなくなったものやいらないもの、愛着があって捨てられなくなったものを見事に生まれ変わらせていく様からDIYの素晴らしさの本質に触れることもできますし、ほんと無駄のない優しさでしたね。

 

また、物語序盤で提示される、

せるふちゃんとぷりんちゃんの思い出の中にある2人で遊んだベンチをキーポイントに2人の関係性が物語全体を通してゆるく温かく優しく描かれ続けたのも個人的に大絶賛したい要因になってます。

せるふちゃんの事が大好きでたまらないぷりんちゃんが、高校を別々に通うという事実が受け入れられず、素直になれない描写が度々写されていくわけですが、せるふちゃんがDIYに触れる事で少しずつ成長していく様子で寂しさを感じ、それでも2人は永遠に繋がっていると感じられるパートを度々差し込む事で2人の関係性の尊さが極まっており、

最終回で2人でベンチを作るという最終目標が回収され2人の笑顔で締めるその構成の素晴らしさに涙すらしました。

もうね、こんな暖かく優しく尊い作品があるのかと。毎回ぶちのめされるほどの愛を感じられる素晴らしい作品ですので是非。

 

DIYというと、工具が高かったりそもそも何から始めればいいのかと、何かととっつきにくいイメージがありますが、

この作品では、失敗したっていいんだよ、それが"味"になるんだからと優しいスタンスで我々を迎え入れてくれる事で新たな興味の扉を開く手助けをしてくれるそんなアニメなので、そういうイメージを持っている方やそもそも興味がない方に是非とも見てほしい作品に仕上がってました。

また、物語に緩急をつける為に時折シリアスに近いものも差し込まれはしますが、それすらも『Do It Yourself!-どぅー・いっと・ゆあせるふ-』らしい味に繋げ、優しさに変換される事で面白さに直結するという、この作品の素晴らしいところを伸ばし続けるための要素として組み込んでいるので、物語的な面白さもしっかり感じられます。

個人的に、大好物の何かを作り上げる物語や百合要素や優しい世界がからでもかと詰まっていた作品なのでハマり散らかしましたね...

ジョブ子ちゃんとの別れすらも笑顔で迎えてしまう、そういうこの作品の強みをずっと忘れない強みを活かした物語展開がとにかく素晴らしい。

出来る事なら一生放送して欲しかったんですが、1クールで終わってしまった事が残念だったのでSSにはしませんでしたけど...嘘です。

とにかく見てください。

 

DIYって、

どんな時でも・いろんな人に・優しさを

 

ありがとうございました