れおぱるレビュー

『それでも歩は寄せてくる』

オススメ度 A-

 

OP: S

ED: S

作画: B

わちゃわちゃ: B

夏らしさ: C

 

あらすじ

 

将棋部に入部した初心者の田中 歩は、《自称》将棋部部長・八乙女うるしとともに、2人きりの部室で駒音を響かせていた。
「すごいですねセンパイは……将棋が強くて」
「そーだろうそーだろう」
「そのうえかわいいですし」
「んあっ!?」
将棋で勝ったら告白をすると心に誓う歩。うるしは歩に自分への恋心を認めさせようと奮闘するが、反撃にあって赤面してしまう。今日も盤上と盤外を舞台にした2人の駆け引きと攻防が繰り広げられる!

引用元:ストーリー | TVアニメ「それでも歩は寄せてくる」公式サイト

©山本崇一朗講談社/「それでも歩は寄せてくる」製作委員会

 

どうも!将棋部に入部したいんですけど、部室はここであってますか!?

れおぱるレビューです!!!

 

からかい上手の高木さん3』『くノ一ツバキの胸の内』など、今年だけでも本作を入れて3本もアニメ化をしている超人気漫画家山本崇一朗先生原作の本作。

様々な初恋を描いては我々をキュンキュンさせてきた山本先生らしいエピソードの数々で無事やられましたね。

 

将棋部の先輩・八乙女うるしに恋をする1年生・田中歩は、先輩に将棋に勝ったら告白すると決めてはいるが、将棋を始めたばかりなのでうるし先輩に中々勝つことが出来ず告白できずにいた...という物語。

物語の設定上、歩がうるし先輩に告白する事はまぁないんだろうなと察する事は出来ますが、その不安を超えてくるようなうるし先輩の描き方は非常に素晴らしかったですね。

告白までは行かないものの、歩がうるし先輩に猛アプローチしてうるし先輩を赤面させ続ける。

ぶっちゃけ、ただそれだけを描いた話ではあるんですけど、ドストレートに好意を伝えられ続け赤面するうるし先輩で癒され、歩に舐められないように背伸びしてみるも返り討ちに合いいつものように赤面するうるし先輩にも癒されて...などなど。

とにかくうるし先輩のキャラが良かったなと個人的に強く感じていて、山本先生の作品に登場するキャラの中で1番好きでしたね。

それくらいこの作品が元から持っている初期設定の良さが非常に光っていた作品ではないでしょうか。

 

ただ、初期設定が光っているの裏を返せばそれ以上の進展が望めないということになるのも否定できない事で、追加キャラの動かし方は少し残念に思います。

7話で2人とも進級し、新1年生・香川凛が登場するんですが、凛ちゃんは中学時代の歩の後輩で、歩に密かに思いを寄せていた恋する乙女でもありましたので、この先うるし先輩と歩の間に介入する事でうるし先輩の好きが爆発していくんだろうなと予想しながら見ていたんですが、結果は歩のうるし先輩の対する愛に圧倒されてすぐ様応援する側に回るという拍子抜けな展開でしたね。

凛ちゃんの設定上、歩に対する気持ちをまだはっきりとさせていなかったうるし先輩のケツを叩いて歩に対して完堕ちさせるような役回りになれたにも関わらずそれをしなかった事で、進展がなく同じ雰囲気がダラダラと続いてしまったなと感じてしまいますし、この動かし方だけは良くなかったと思います。

ただ、山本先生が描くのはゴリゴリにヒロインレースを展開するラブコメではなく、焦ったい初恋の話なので求めている事が間違っているのかもしれませんが、似たような作品ばかりでも正直飽きてしまうというのが本音なので、ゴリゴリのラブコメを展開できるキャラが揃っていた本作では趣向を変えてそういう方向に舵を切っても良かったのでは?と感じてしまいますね。

 

それぞれの好きに向かって加速中

というキャッチフレーズがあるにも関わらず、歩とうるし先輩をはじめ、歩と凛ちゃん、タケルくんと桜子ちゃん、どの関係性を切り抜いてみても、あまり関係性に進展がなかったというのがぶっちゃけた話ですので、その辺の展開に対しては消化不良感をどうしても感じてしまいます。

ただ、この物語の本質はそういうところにあるのではなく、うるし先輩の気持ちの変化を丁寧に描いてくる焦ったい初恋そのものであると同時に、我々オタクに対して赤面する女の子を与える事で明日も生きようと活力を与えてくれるところだと思うので、その点に対しては非常に良かったアニメだと思います。

まだ医学的な根拠がないだけで、この作品は恐らく万病に効く薬としての効果が必ずありますからね。

うるし先輩の赤面を見てニヤニヤしましょう!