『ヒロインたるもの!〜嫌われヒロインと内緒のお仕事〜』
オススメ度 B+
OP: B
ED: A
作画: B
わちゃわちゃ: C
あらすじ
陸上を続ける為、田舎から上京し一人暮らしを始める桜丘高校1年の涼海ひより。無事入学式を終え、樹里や千鶴という友達ができる。順調にみえた新生活の矢先、家庭の事情で仕送りがストップしてしまい、アルバイトを探す事に。ようやく採用を勝ち取った仕事は何と同級生でアイドルのLIP×LIPの勇次郎と愛蔵のマネージャー見習いだった。
©ヒロインたるもの製作委員会
どうも!HoneyWorksって単語を見るだけでキュンキュンしてしまいません?
れおぱるレビューです!!!
陸上を続けるために田舎から上京し、生活費を稼ぐためにバイトの面接を受けまくり、やっとのことで受かった先が、LIP×LIPというアイドルのマネージャー見習いだった!?しかも、LIP×LIPは同じ高校の同じクラスの2人で...というお話。
あらすじを見る限りでは、ハニワが得意とする恋する乙女の描写がこれでもかと詰め込まれているんだろうなと予想してしまいますが、結論から言うと、私が求めていた大青春を彷彿とさせる恋する乙女描写は足りませんでした。
というのも、序盤〜中盤にかけては、マネージャー見習いの仕事をしていく中で、アイドルに興味がなかったひよりちゃんが、LIP×LIPの魅力に触れていき、次第に応援する様子が描かれ、その中で無意識の内ではありますが、恋に発展するような感情が芽生えて...という描写があり、
LIP×LIP側でも、ひよりちゃんの頑張る姿を見て次第に認め、無意識下で意識するようになる...という描写があり、お互いに愛の物語に発展できるような下地を作れていたにも関わらず、中盤〜終盤までにそれが全く発展しなかったことが理由の一つに挙げられます。
なぜそうなってしまったのかと言いますと、ターニングポイントは第7話。
ひよりちゃんの幼馴染である、渚が遊びに来るエピソードがあるんですが、ひよりちゃんがそのエピソードの最後に仕事と陸上を頑張るルートを選んでしまったため、恋愛描写を広げられなくなっていたからです。
こういうエピソードがあること自体別に良いとは思いますが、私が思うに、こういうエピソードをして良いのはクライマックスだと思うんですよね。
「結局、恋愛に発展しなかったけど、3人の関係性は続いていくんだな...(しみじみ)」みたいな余韻に浸れるので。
ですが、こういう話を中盤に持ってくることによって、これ以上恋愛描写が描かれないことを叩きつけられ、絶望の淵に立たされながら最後まで見なければならないというモチベ低下に繋がるような構成は正直良くないと思います。
しかも、クライマックスで描かれるエピソードでは、ひよりちゃんにとって良い相談役になるであろう人物とのいざこざが描かれていたので、こらが仮に中盤に描かれていれば、盛り上がりが最高潮に達したタイミングでクライマックスに突入できていたので、本当に惜しい事をしているなとつくづく思いますね。
この点を踏まえ、6.7話あたりとクライマックスを入れ替えた形であればもっと良いアニメになっただろうなと感じます。
全体的な物語の流れ、恋愛描写を諦めていた事については多少の不満はありますが、ハニワ原作らしく、王道に則ったエピソードの数々は安定の二文字でしたね。
1つのエピソードの構成が非常にうまく、わかりやすい起承転結がはっきりと描かれているので、盛り上がるべきところがちゃんとわかる教科書のような脚本は素晴らしかった印象があります。
とんでもない神回があるわけではないので、面白さの最大瞬間風速は決して高くないですが、全体的に振り返ってみると、バランスの取れた良いアニメだったなと思うことができるので、非常に良いアニメだったんじゃないかなと思います。
女の子目線で男に口説かれるような描写が見たいわけではありませんが、そのフェーズがあることによって起こる、ヒロイン渾身の照れ顔はものすごく見たかったので、そこがなかった事は残念に思いますが、
クライマックスでは、女の子が本気の殴り合いをして顔面をぶん殴られるというギャグみたいな話があり、それが可笑しくて可笑しくて今でも吹き出してしまいそうになるくらい印象に残るエピソードがあるので、そこに辿り着くまで是非見てほしいです。