れおぱるレビュー

『ヒーラー・ガール』

オススメ度 S

 

OP: S

ED: S

作画: S

わちゃわちゃ: SS

 

あらすじ

 

高校1年生のかな、玲美、響はヒーラーの見習い。彼女たちは学校が終わると、烏丸音声治療院で一人前のヒーラーになるための修行に励んでいた。そんなある日、師匠の理彩が学会に出かけた夜、患者のおばあさんの容態が急変! 見習いは、治療行為を禁止されていたけれど、かなはおばあさんを安心させるために歌い始める。

引用元:STORY | TVアニメ「ヒーラー・ガール」公式サイト

©Healer Girl Project

 

どうも!とんでもない作品が放送された瞬間に立ち会っているかのようなあの強烈な感覚がまだ身体から離れません...

れおぱるレビューです!!!

 

非常に面白い作品でしたね...

今さっき最終回を見終えたばかりなんですけど、もう...見たいものが見れた満足感と終わってしまった悲しみから来る放心状態がまだ続いてますよ...

 

歌う事(ヒーリング)で怪我や病気を癒す仕事、ヒーラーを目指す・かな・玲美・響が、烏丸音声治療院の烏丸理彩に弟子入りし、一人前のヒーラーになるための修行をしていく物語。

一人前のヒーラーを目指す中で、何か大きな事を成し遂げるだとか、とんでもないことに巻き込まれるだとか、そういう物語を大きく突き動かすような出来事はぶっちゃけありませんでしたが、全話を振り返る中で、わちゃわちゃ成分強めの日常パートや、ヒーラーとしての技術を高める為にサポートに徹したオペの描写などが、一人前のヒーラーに近付くための糧となり、クライマックスを盛り上げていた印象があり、物語全体のレベルが非常に高いなと感じる作品でありました。

 

本作の魅力語る上で、まず外せないのが導入の隙のなさ。

ヒーラーとはなんぞや?という疑問から入るのが当然である我々視聴者に対して提示されたのは、凝り固まった説明パートなどではなく、実際にやってみせるわかりやすく自然な説明を兼ねたテンポのいい導入で、物語にスッと入り込めた印象があります。

その後、導入部分以外でも、ヒーラーとはなんぞや?というパートは度々描かれており、医療との違いや、医療にできてヒーリングに出来ないこと、医療に出来なくてヒーリングに出来ることなど、我々視聴者が疑問に感じる部分をわかりやすく数回に分けて描いてくれたことにより、ヒーラーに対する明確なイメージが全話を見終えるまでに視聴者自身に備わっており、この隙の無い導入があるおかげで、ラストシーンの一人前のヒーラーとしての大きな一歩を踏み出す描写の感動がより大きなものになるという凄まじいものへと繋がっている凄さ。

これに気付いた時はもう震え上がりましたね。

この導入があるからこそ『ヒーラー・ガール』の面白さが膨れ上がると言っても過言ではありません。

 

次に、私が兼ねてより重要視し続け、今期から細分化されたランク分けにも加わっているわちゃわちゃ

明確にどんなものなのかは説明が難しい部分になるんですが、本作のわちゃわちゃは私が求めていることの全てだったので、これが100点のわちゃわちゃだと。まだこの作品を見てない人に永遠に説明したくなるレベルのものが描かれていましたね。

このわちゃわちゃがあるだけで、ちょっとした会話がより面白いものになりますし、是非ともね、私が100点を出すわちゃわちゃがどんなものなのか、パーフェクトアニメーション『ヒーラー・ガール』を見て体験して欲しいです。

そして!その100点のわちゃわちゃだけで終わらないのが、本作がパーフェクトアニメーションである所以でして。

ただただわちゃわちゃしたパートを繰り広げ続けた日常パートが意味のあるものへと昇華していくクライマックス、これ震え上がりますよ。

音楽には感性が大事だ!自分を表現しろ!という文句はよく耳にしますが、音楽を取り扱っている本作も例外ではなく、ただただわちゃわちゃやってきた日常パートがクライマックスで、様々な感性を磨くパートが取り扱われる中で、成長に欠かせなかったパートとして更に尊い日々へと昇華していくフェーズは今思い返しただけでも鳥肌が立つレベル。

こういう全てを集約して物語そのものをより良いものへと昇華するパートがあるからこそ、頭一つ抜けているようなエピソードがなくとも、物語全体のレベルの高さを感じられるアニメになるので、このわちゃわちゃを主成分とした物語の動かし方は完敗以外の何者でもありませんでした。

 

それともう一つ。

本作を語る上で外せないのが、歌唱パート

「俺、アニメ内でポッと出て歌われたりしても頭に入らないんだよね」

と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そう思わせないように多大な工夫が詰め込まれているのが、『ヒーラー・ガール』がパーフェクトアニメーションであり続ける所以。

本作は恐らくミュージカルを意識しており、会話の中で唐突に歌が始まったり、物語の本質であるヒーリングがそもそも歌だったりと、物語の随所に散りばめられている歌唱パートですが、

ただ歌うだけでなく、ミュージカルのような描写では、動きなどを交え、実際にミュージカルを見ているかのような楽しい気分で見る事ができ、歌の中で織りなされている会話もスッと入ってくる表現力は目を見張るものがあり、また、

ヒーリング描写では、ただ突っ立って歌うわけではなく、ヒーリング中の"イメージ"が明確に映し出され、患者が今どのような状態なのか、ヒーリングはうまくいっているのか、コーラスはヒーリングにどのような効果を及ぼしているのかなど、ヒーリング中の"イメージ"により、ヒーリングそのものがわかりやすく描かれており、どんなパートでも飽きさせないという工夫をひしひしと感じる事ができました。

突然歌い出すミュージカルパートに至っては、そのまま100点のわちゃわちゃに繋がるという最高なことをやってのけてますし、歌唱パートの楽しさは他のアニメでは味わえないものが盛り沢山なので、是非、今すぐ『ヒーラー・ガール』を見ましょう。

 

アニメが神であればあるほど、大好きが溢れ出して書く事がまとまらなくなるのはいつもの事ですが、これほどまでに魅力を全力で伝えたいと思うが為に、文章がまとまらない悔しさを感じる作品は初めてです。

ヒーラーとはなんぞや?というそもそもの部分の描き方、ヒーラーの仕事・ヒーリングの描き方や魅せ方はものすごく、それだけで物語そのものの面白さを底上げしていると言っても過言ではありません。

それに加え、毎回楽しすぎるキャラクター達のやりとりは、キャラが物語を突き動かしている、所謂神アニメ特有のそれを感じられる事ができ、更にそれが必要不可欠なものであったと昇華されるクライマックス。

他者を見つめ、他者に見つめられる事で、己の歌に自信がつくようになり、憧れの存在である烏丸理彩師匠に近付き、一人前のヒーラーにも近付ける。

というエモすぎるクライマックスから、C級ヒーラーとしての大きな一歩をあの日夢ができた同じ状況で踏み出す感動は物凄いですよ。

今まで描かれてきたもの全てが作中で描かれてもいないのに走馬灯のように蘇ってきて泣きますからね。

ここまで毎週楽しく、次回を待ち遠しく感じた作品はなかなか出会えませんよ。

最高峰のエンターテイメントを見た。

この一言でこの作品の凄みが伝わるんじゃないでしょうか。

最後までまとまりがないレビューを見ている暇があるなら、是非ね、今すぐ『ヒーラー・ガール』を見てください。