れおぱるレビュー

『であいもん』

オススメ度 A-

 

OP: B

ED: A

作画: B

わちゃわちゃ: C

 

あらすじ

 

京都駅前で納野和を行方不明の父親と勘違いしてしまう雪平一果。 父親と見間違えたその和が、まさか一果がお世話になっている和菓子屋「緑松」の「跡取り?息子」だったとは。 「緑松」で一緒に働くことになった和と一果にちょっとした事件が起きる。

引用元:あらすじ -TVアニメ「であいもん」公式サイト-

©RIN ASANO/緑松

 

どうも!和菓子は桃山が好きです!

れおぱるレビューです!!!

 

東京でバンドをしていたが、夢が叶わずに実家の和菓子屋「緑松」に戻ってきた和。

京都駅前で父親を探していた一果と出会うが、実は「緑松」に預けられ育てられていた少女で、一緒に働き暮らすことになる。というお話。

 

舞台の京都や、和菓子を起点としたエピソードの展開の仕方が非常にうまかった印象があります。

日本の四季や、伝えたいメッセージなどが込められた和菓子を題材にし、いろんな問題などが作中で登場するわけですが、主人公の和が自分に関わりのないことでも親身に対応して、解決するまで助力の限りを尽くすような展開が多くを占めていましたが、その根底にあるのはいつも和菓子であり、和菓子の一つ一つに思い出なり何なりが込められているという、設定を活かしきるエピソードの紡ぎ方は目を見張るものがありましたね。

また、そのエピソードらが語られている中で、徐々に一果ちゃんが心を開いて素直になっていく様子が大変エモかった印象があります。

緑松では、本当の家族のように接してくれて良いとは言われてますが、一果ちゃん自身まだまだ子供なので、一気に慣れるということもできず、外向けの顔や態度で緑松の人達と接していましたが、和が一果ちゃんに対して愛情を包み隠さず与え続けることにより、和に対して建前上はツンツンしていますが、本音では心を開き、どんどん素直な態度や顔が表れていく描き方というものが非常によく、それを見るためだけにこの作品を見ていると言っても過言ではないほどでした。

本作が重点を置いている所は、一果ちゃんのかわいさをどのように魅せていくかですので、一果ちゃんがどんどん素直になっていき、和にしか見せない表情をする様子などを是非眺めまくってくださいね。

 

ただ、ストーリー面で不満が全く無いということでもありません。

おっさん×幼女作品大好き人間として知られる私からすると、もう少し父性や父娘のような関係性を活かしたエモさで殺すような話をやっても良かったんじゃ無いかなと思います。

物語全体を通して、小出しで一果ちゃんの本当の父親が誰なのかが描かれているにも関わらず、結局そこには触れなかったのはエモさの観点から見ても非常に惜しいことをしていたので、そこだけは少々不満に思いますね。

 

そして、忘れてはならないのが、本作で紡がれる愛の物語要素。

印象的だったのは第8話。

和の元カノ・佳乃子さんが別れ際に「洋菓子の方が好き」と言ってしまった誤解を解くために動く話で、最終的に「和菓子も好きだから」というセリフが飛び出すんですが、この一言に籠った究極美とも言える美しさが最高なんですよね。

もう一歩、あと一押しで問題は解決する!ってところまで漕ぎ着けるんですが、そこで気持ちを伝えてはいるが、あえて伝わりにくいようなニュアンスで伝える「和菓子も好きだから」は、京都が舞台ということもあり、奥ゆかしさなど、日本に古くから伝わる趣を感じるわびさびのような、"究極美"があったように感じられました。

このエピソードは是非とも見ていただきたいですね。

 

和菓子を起点としたストーリー展開の中で、一果ちゃんが心を徐々に開いていくという、とても素晴らしいものが見れるアニメで、全体的に見ても面白さしか感じなかった印象ですが、とんでもなくエモいエピソードがあったというわけではなく、期待を超えるような話ではなかったのは事実です。

しかし、和を軸にした愛の物語の描き方は非常によく、全員を応援したくなるようなヒロイン像も描けており、それによって振り回される一果ちゃんが何よりかわいかったです。

1話完結形式で見やすい構成ですし、父親関係の話に手をつけておらず、それによって2期に繋げやすい終わり方をしていましたし、これは見るしかないと思いますよ。