れおぱるレビュー

『王様ランキング』

オススメ度 S

 

あらすじ

 

生まれつき耳が聞こえず、口もきけず、まともに剣すら振れぬほど非力なボッジは、
第一王子でありながら、家臣や民衆から「王の器ではない」と蔑まれていた。
そんなある日、暗殺集団「影の一族」の生き残りのカゲと出会ったボッジは、
着ていた服をだまし取られてしまう。

引用元:STORY | アニメ「王様ランキング」公式サイト

© 十日草輔・KADOKAWA刊/アニメ「王様ランキング」製作委員会

 

どうも!ノイタミナ枠の当たりアニメの破壊力は相変わらず半端ないですね!

れおぱるレビューです!

 

弱く小さな王子・ボッジが父であるボッスの死と共に、王位継承問題や、国に蔓延る陰謀に巻き込まれていく物語。

耳や口がきけず、更に非力なボッジは、成す術もなく王位を剥奪されてしまうとかから始まり、ある日であった友達である影の一族・カゲと共に暗殺を交わしつつ、強くなるために旅に出て、冥府で修行を積むところまでが1クール目でした。

この1クール目の何が面白いって、先入観を簡単に裏切ってくるキャラの描き方にあると思うんですよ。

この人は優しそうだなとか、この人はちょっと意地悪そうだなみたいなイメージって、少なからずアニメを見ていると自然に身に付いてキャラを深く知る前からどんな性格なのかある程度決めつけたりしてしまうじゃないですか?

そんな先入観を見事に裏切ってくるのが本作なんです。

味方と思っていた人が敵であったり、悪だと思っていた人物が実はものすごく優しく愛に溢れていたりなど、各キャラの先入観をことごとくひっくり返してくるキャラの描き方は非常に素晴らしかったですね。

ストーリーの描き方はもちろん面白いんですが、それにスパイスであるこのキャラの描き方が加わることで面白さをより加速させていたような印象があります。

 

そして、2クール目。

ここからが本作の本番です。

ボッス王国を滅ぼさんとする存在・ミランジョの本格的な登場により、混乱を極めるボッス王国。

そこに現れたのは、冥府で修行を積み、強くなって帰ってきたボッジの姿だった...という物語。

冥府で出会ったデスハー王や、デスパーさんから強さとはなんたらかを学び帰ってきたボッジは、かつての非力で頼りない姿が想像できないほど、強く頼り甲斐のある姿で凱旋し、次から次に敵を薙ぎ倒していくシーンなどは涙が出てくるほど嬉しい気持ちに包まれました。

そして、1クール目で描かれてきた主要キャラ達の思惑や、過去に基づいたストーリーが展開され、散らばっていたいろんなエピソードが一つに集約され、『王様ランキング』としての一つのストーリーが完成されていく様は目を見張るものがありました。

まるで物語の教科書かと思ってしまうほどの、シンプルな物語の面白さは必見で、バラバラの思惑が描かれているのにも関わらず、それぞれの主張がちゃんと理解でき、本作が描きたいことなどが手に取る様にわかるように描かれていたところなど本当に素晴らしかったですね。

特に各キャラの過去に基づいた思惑の描き方や、物語への参加のさせ方などは素晴らしく、手広く掘り下げるのに浅くなりすぎない描き方をするので、各キャラの思惑が手に取る様にわかり、まるでキャラ達が勝手に動き物語を構成していく様な神アニメ特有のそれが描かれているので、ここは期待していいと思います。

 

また、この物語がメインで描いてくる、ボッジの成長譚、これが素晴らしいのなんの。

常に身近にいた最強の王・ボッスからいろんなことを学んできたのはもちろんのこと、それでも足りなかった王としての威厳を、冥府の王であるデスハーから学び、ボッジなりの王様像を完成させていくところなどは本当に面白かったです。

ボッジが目指した、誰もがついてきたくなる様な、強く優しい王様像に基づき、物語に関わる人全てを見捨てないクライマックスなども非常によく描けていて、先ほど述べた各キャラ掘り下げ終わった後の思惑がそこに重なることにより、1シーン1シーン何をやっても映えてしまうような美しいストーリーが完成されていた、本作の集大成とも言える畳み方はもう何もいうことがありません。

我々に出来ることは指を咥えながらストーリーをただ見守るくらいでしたからね。

本当にとてつもない作品でした...

 

デスハー三兄弟の決着がまだであったり、旅の途中で出会う森の男の存在や、王様ランキングとは?という未回収の伏線が残されていることも事実であり、その辺を消化不良と捉えてしまうかもしれませんが、この辺の問題は2期に期待できる希望として残っていると私は考えていますので、2期に期待しましょう!!!

ボッジとカゲが共に支え合いながらお互いにかけがえのない存在となり、良いパートナー像が出来上がっていく感じも涙が出てくるほど美しいものなので、もう全てに期待してくださいね!