『鬼滅の刃 無限列車・遊郭編』
オススメ度 SSS
あらすじの呼吸...
炎柱・煉󠄁獄杏寿郎に、新たな指令が下された。
それは、四十人以上もの行方不明者が出たという「無限列車」——その現地へ赴き、調査を行うというもの。
鬼殺隊本部を後にし、無限列車の任務へと旅立つ煉󠄁獄だったが——。
全集中・感想の呼吸...
弐ノ型!
れおぱるレビュー!!!!!!
2期でも同じ始まり方を拘ります!れおぱるレビューです!
早速本題。
社会現象と呼ばれるまでに大人気な本作、無限列車編の映画が大ヒットしたのは記憶に新しいですね。
そんな誰もが映画館で見たであろう無限列車編が2期にTV版として再編成され組み込まれるとなり、2期が始まる前は、いる派といらない派で論争を巻き起こしていましたが...私は、TV版として再編成して流した事に敬意を表したいですね。
あれだけの大ヒットをした映画なだけあり、無限列車編の結末はほぼ誰もが知っている状態でしたが、TV版に再編成したことにより、煉獄さんの死以外にもスポットを当てやすく、また、毎週良いところで区切られるため、知っている話なのにワクワクが止まらないという視聴者の楽しませ方は大変素晴らしかったと思います。
特に私が好きだったシーンは、下弦の壱に夢を見せられ、その度己の首を切って血気術をといて、現実か夢かわからなくなるシーンなどは何度見てもハラハラが止まらない名シーンだと映画の時から思っていたので、TV版として再編成され、そのシーンにより一層フォーカスを当てれたことが嬉しくて仕方がありませんでした。
そして、何より語るべきは煉獄さんという柱の存在ですよね。
1期では、柱と共闘することはあったものの、柱が登場するのは絶体絶命のピンチに陥ってからでしたが、無限列車編では最初から最後まで柱と共に任務を遂行することにより、今までのエピソードとは比べ物にならないほど、柱の強さや頼り甲斐、大きさなどが描けていたと思います。
そしてそれに拍車をかけるのが煉獄さんというとてつもなく強く優しい、柱のあるべき姿がまんま描かれている存在があったからだと思います。
列車にいる乗客と炭治郎達を守りながら鬼と戦う姿、誰一人として殺させなかった姿は今思い返しても涙が出るほど頼りになるものが描かれており、この話があったからこそ、この後語る遊郭編が映えるんだと言っても過言ではないと思います。
そして、この煉獄さんと共に戦った事で、炭治郎達は自らの不甲斐なさ、弱さと向き合うことになり、鬼殺隊としてのあるべき姿を見つめ直していくきっかけにも繋がっているという隙のなさ...
煉獄杏寿郎という1人の男がこの物語そのものに残したものはとてつもなく大きなものだったんだと実感させられる良いエピソードでしたよほんと。
無限列車編をTV版として再編成してくれて本当にありがとうございますと感謝しまくりたいですね...
次に、遊郭編。
煉獄さんを目の前で失ってから、視聴者もろとも抜け殻のような状態になっていた炭治郎達の前に突如として現れた音柱・宇髄天元。
吉原に蔓延る鬼を一掃する為に宇髄天元と共に任務を始めることとなった炭治郎達...というお話。
ここでも語りたいことは山ほどありますが、まず語るべきは煉獄さん以外の柱の書き分け方だと思います。
煉獄さんの強さ優しさは、柱の完成形とも言えるものだったので、これ以上何を描くんだ!?という気持ちで遊郭編に突入したんですが、そこの書き分け方というものが非常にうまく、作者はやはり天才かと確信してしまいましたね。
宇髄天元と煉獄さんは強さや安心感などの共通点も持ち合わせていますが、その共通点・安心感から差別化を図るという徹底ぶりが垣間見えていました。
煉獄さんの安心感といえば、背中で語るというような、ついていきたくなる兄貴タイプ、この人について行けば安心だ!まさに漢!という感じでしたが、宇髄天元の安心感は、この人ならやってくれる!この人なら手が届く範囲を救ってくれる!という信頼感からなる安心感が描かれていたと個人的に解釈していますが、この信頼感からなる安心感というものが非常に素晴らしかったです。
煉獄さんという、最高の柱像の後に描かれる柱だったということもあり、期待が膨れ上がっていて、もしかしたら拍子抜けするかもしれないという不安すらありましたが、見事にそれを大越してくるようなものが描かれていて、やはりこの作品というものは最高だなと改めて実感させられるレベル。
そして、柱ならではの刀の扱い方、戦い方というものでも差別化されていましたね。
詳しいことは分かりませんが、煉獄さんで言えば正統派の戦い方という印象で、宇髄天元は忍者上がりということもあり、魅せる戦い方、刀の扱い方をしており、彼のポリシーである、ド派手に!が刀そのものから描かれていたのは感心しました...
まさにその場で生きて戦っているかのように、キャラクターが生き生きしており、キャラクターの活かし方、描き方というものはこういうものなんだと納得すらしてしまうレベル。
柱の描き方一つでここまで盛り上がれるのかと。
改めて、この作品の凄さに触れられた気がしました。
それだけじゃありません!遊郭編の醍醐味は炭治郎達の成長にあります!
目の前で頼りになる柱であったはずの煉獄さんを失ってから、自分たちの弱さを誰よりも理解したというよりは、理解させられた炭治郎達。
自分たちではまだまだ下弦にすら敵わないと知りながら、遊郭編で相見えたのは上弦の鬼ということで、弱い自分たちでも柱の為になる動き、戦い方を戦いの最中で模索していくシーンは素晴らしかったですね。
1人じゃクソの役にも立たない俺たちだが、2人3人と力を合わせれば、柱と同等の戦い方ができるかもしれない!刀を触れ!足を動かし続けろ!という、限界のさらに向こう側で上弦の鬼に立ち向かう姿は炭治郎達の成長をひしひしと感じることができ、少年誌らしいアツさというものも伝わってき、何回もアツすぎて火傷しそうになりましたよ。
それに加え、1期から小出しにされていた伏線が回収に動き出したのもこの遊郭編からでしたね。
黒い日輪刀、ヒノカミ神楽などなど...1期でばら撒かれ回収されていない伏線はまだまだありますが、上記の2点の伏線の回収される糸口が見え隠れし始める本章は鳥肌が止まりませんよ...
詳しいことは、この後の章・刀鍛冶の里編で描かれるであろうと踏んでいるので、書きませんが、鬼滅の刃という全体を通しての物語がちゃんと描かれていく過程は名作のそれであると声を大にして言えます。
1期の頃からとてつもない作画と、とてつもないストーリーでしてが、2期ではそれを上回るほどのものが描かれており、アニメーションとして全体の質の高さが群を抜いていることから、SSS以外考えられないので、最高ランクの評価を付けました。
無限列車編から、遊郭編にかけて、柱から学び成長する炭治郎達というものが一貫して描かれており、第2期としての筋の通った物語の描き方、まとめ方など、どこを切り取っても素晴らしいという言葉以外出てこないものすごい作品です。
『鬼滅の刃』は、炭治郎達の成長譚に留まらず、あれだけ憎たらしかった鬼達の最期には、人間だった頃の記憶などが描かれ、鬼達が憎たらしくなくなるようなむしろ同情してしまうような、思わず涙を流してしまう締め方をするのも特徴的ですよね。
これだけ流行っているので、まだ見ていないという方は少ないでしょうが、逆張りで見てないという方は勿体無いので今すぐ見た方がいいですよ。
↓1期はこちら↓