れおぱるレビュー

『リアデイルの大地にて』

オススメ度 B+

 

あらすじ

 

事故によって生命維持装置なしには生きられない身体となってしまった少女、各務桂菜。ある日生命維持装置の停止によって彼女は命を落としてしまう。
ふと目を覚ますとそこはVRMMORPG『リアデイル』の世界、しかも自らはアバターのハイエルフ”ケーナ”の姿であった。しかし、そこは彼女が知るゲーム世界とは様子が違っていて――!?

引用元:STORY|TVアニメ「リアデイルの大地にて」公式サイト

©2021 Ceez,てんまそ/KADOKAWA/リアデイル製作委員会

 

どうも!れおぱると、レビューと、れおぱるレビューと、

れおぱるレビューです!

 

異世界スマホ』、『うちの娘』、『神拾』に次ぐ、柳瀬雄之監督作品ということもあり、それらの作品が大好きな私としても期待して見始めた本作でしたが、期待通りのものが描かれており、大変満足のいくアニメでした...!

もうこの人に異世界スローライフ系作品の監督をやらせたら世界が平和になってしまうんじゃないかと思うくらい私の性癖に突き刺さってくるので本当に困ったものです。

 

それでは、本題。

ある日、突然迎えた死と共に、ゲーム世界・リアデイルに取り残されてしまった少女が、リアデイルの自身のキャラ・ケーナとして目を覚ますという物語。

突如としてリアデイルに閉じ込められてしまった!という始まり方と、リアルの世界で死んでしまっている導入でしたので、大きな目標もなくとりあえずで動き始める物語は、スローライフを象徴するような始まり方で良いものでした。

そんな中、リアデイル内で200年の時が過ぎていることや、自身が生み出したNPCである子供達がまだ生きている事を知り、その子達に会う為に旅を始めると言った内容でしたが、ここから始まる旅路がとにかく良かった!

旅を続けるにつれて、自分が生み出した子供達が自分の帰りを待ち侘びていた事などによる家族愛、ゲーム時代では交流出来なかったような他のNPC達と交流することにより、リアデイルの世界をより一層深くしれ、リアデイルの住人達の優しさにも触れられる、ゲームに閉じ込められた設定ならではの良さなどとても光っていたと思います。

特に後者の、住人達と交流を深めていく描写については、全クリ後のゲームを旅しているようななんとも言えないエモい感情というものが伝わってき、ケーナが愛したゲーム世界の日常を垣間見ているような楽しさすらも感じられる出来で、非常に素晴らしいものでした。

 

そして、スローライフ系に欠かせないものといえば、規格外のチート能力ですが、本作にももれなくあります!

ケーナ自身、己の強さを理解している為、無自覚チートのような鼻につくような行動はしませんが、ケーナが持ち合わせる常識が200年前のものである為、自然と無自覚チートをやってしまうという、自覚チートと無自覚チートの良いところ取りをしたようなチートは功徳もなく、いい塩梅で描かれていました!

そして、そのチート能力をただひけらかすだけでなく、ケーナ自身が愛したリアデイルのこの世界を乱すような存在が現れると、そのチート能力を出し惜しみなく発揮し、愛した世界を守る為に戦うという愛のこもった戦闘パートもお見事でした...

全体的にケーナからリアデイルに対する愛というものが溢れている素晴らしい作品でした。

 

ただ、気になる点もいくつかあるのは事実で、

まず作画面、他の柳瀬監督作品を見ている私は慣れてしまっていて特に違和感を感じませんが、やはり他の作画クオリティが高い作品と比べると安定しているとはとても言い難い作画なので、気になる人は気になって仕方がないと思います。

ですが、この作画も良い言い方をしてしまうと、"味"のようなものなので、個人的には気にしない方がいいとは思います。

次に、物語そのものはアニメ内では完結していない点です。

ゲーム内に閉じ込められてしまったのはケーナただ1人だけだと思い込んでいた矢先、元プレイヤーが何人か現れる展開があるんですが、そもそもなぜゲーム内に閉じ込められてしまっているのかなどの物語の核心に触れるような部分には言及されていないので、1クールで綺麗に収まっているかどうかと言えば、収まってはないので、その辺りを求めている方には合わないのかなと思います。

ですが、ケーナが掲げた始まりの地での隠居という絵に描いたようなスローライフな目標は1クール内で達成されており、スローライフ系らしい締め方というものも出来ていましたので、消化不良ということにはならないと思います。

 

主人公が愛した世界で、愛した人達と、これから愛する人達と、いろんな旅や交流を重ね、リアデイルの大地をより一層愛していく愛に溢れた本作、

なんの心配もすることなくスイスイと進んでいくストーリーはやはり楽しいもので、私自身スローライフ系統が本当に性癖なんだなと実感できました。

所々、展開が爆速になる部分などもありますが、終着するところを考えるとそういう進め方もありだったなという腑に落ちるような爆速だったので、特に気にすることもなさそうですし、見て欲しい作品になっております。

上記で挙げたような、柳瀬監督作品の雰囲気が大好きだ!という方は間違いなく見た方がいいでしょう。

個人的に、『神拾』と比べると優しさの部分が少し物足りないかなという感覚でしたが、優しさ不足などには陥らない程度には補充出来たので、いいアニメを見ることができたと満足できました。