れおぱるレビュー

『スーパーカブ』

オススメ度 A-

 

あらすじ

 

朝目を覚ましそそくさと朝食を済ませ、お弁当を用意し家を出る。親はいない、お金もない、趣味もない、友達と呼べる人も将来の目標もない、「ないないづくし」の女子高生「小熊」。そんな彼女がたまたま立ち寄った場所、「バイクショップ」。そこで出逢ったのは古びた1台のバイク、後に小熊の生活を一変させる「スーパーカブ」だった。
 引用元:STORY -TVアニメ「スーパーカブ」公式サイト-

©Tone Koken,hiro/ベアモータース

 

 

どうも!!原付に乗っていた時に滑って転んで怪我をしたことがあります!!

れおぱるレビューです!

 

穏やかじゃない挨拶となりましたが、世界で一番売れているバイクとして知られているスーパーカブを題材にした本作。

かなり素晴らしい出来になっており、スーパーカブ?銀行員とかおっさんが乗ってるバイクでしょ?という先入観を見事に払拭し、スーパーカブという乗り物にめちゃくちゃ乗りたくなるようなそんな作品でしたね。

 

このアニメの素晴らしいところは、なんといっても導入の丁寧さにあると思います。

汗だくになりながら坂を自転車で登るのが嫌になった主人公・小熊ちゃんがスーパーカブと出会い、免許を取得して実際にスーパーカブを手にし、手に入れた当日の何でもかんでもかまってあげたくなる感じや、スーパーカブになりたくて仕方がなくなり夜も眠れないソワソワ感が非常に丁寧に描かれており、誰もが乗り物というものを手にした当日に味わう感情が見事に描かれてましたね!

何か乗り物を買うという人生における一大イベントの一つは、恐らく殆どの人が経験したことがあると思いますが、その時に感じる全ての感情が描かれているので、わかる!と思わず言ってしまいそうになる丁寧な導入は、勝ちを確信できるほどの出来なので、いい入り方ができますよ!

 

そして、スーパーカブというものはパーツが充実してることでも有名ですよね!

この作品もそこにスポットを当て、使い勝手がいいようにカブにパーツを足していったり、四季に合わせてカブのパーツを増やしたりし、その度にニヤニヤする小熊ちゃんを見てるだけで幸せな気分になれますよ。

ですが、このパーツというものにスポットを当ててしまったせいで失われてしまったものもあります。

ツーリングでしか味わえない悦びです。

バイクをテーマにした作品であるならば、他の作品と同じように、ツーリングを行い、その土地でしか感じられない風であったり、空気感であったりを堪能するというものを多少なりとも求めているわけですが、この作品はそれが少なかったことが少し残念です。

ツーリングをして、仲間と笑い合ってコーヒーを飲むというロマンしかない、バイクでしか味わえないそういうのを私は求めていたので、その辺をもっと描いて欲しかったなと思います。

 

ですが、スーパーカブというものは世界で売れているバイクというのもあり、スーパーカブにできないことはないというものがしっかり描かれていたのは素晴らしさを感じましたね。

配達のバイトであったり、富士山を登ったり、雪の上を走り回ったり、友達を助けに行ったり、春を捕まえに行ったり、女子高生の青春さえをも紡いでしまったりと、本当にスーパーカブというものはなんでもできるんだなと感心さえしてしまいました。

スーパーカブは世界にいくらでもあるバイクですが、小熊ちゃんのスーパーカブは小熊ちゃんにしかない思い出の一つとなり、今日も小熊ちゃんを乗せて走っていくんだなとエモみを感じられるほどです。

素晴らしいと思います。

 

あと、小説原作らしく、言葉の表現というものが光ってました。

氷の中を走るだとか、春は手を伸ばしても届かなく、目をこらしても見えないだとか、小説でしか出来ないような言葉の表現が随所に見受けられ、耳でも楽しめるようなそんな作品になってました。

 

こんな感じで、スーパーカブが持つ無限大の可能性というものが非常に丁寧に描かれていた本作。

初めは無口でスーパーカブだけに心を許していた小熊ちゃんが、次第に礼子や椎ちゃんに心を許していく様は非常に感動できます。

ですが、小熊ちゃんがだんだんとイキってくるところは個人的にあまり好きではなかったので、どうにかして欲しかったですが...w

1人の少女が一台のカブと出会い、今まで変わり映えのしなかった世界が色鮮やかに色付いていくさまなどを見ていると、無限にスーパーカブになってみたくなるようなそんな素晴らしいアニメですので、オススメです。

 

もうそろそろ我慢ならないので、私も1万円のスーパーカブを探しに行きますね!!!