れおぱるレビュー

『恋愛フロップス』

オススメ度 B+

 

OP: SS

ED1: B

ED2: B

作画: B

わちゃわちゃ: S

 

あらすじ

 

どこにでもいるごく普通の高校生・柏樹朝は、ある日たまたまつけたテレビでおかしな占いを目にする。奇妙に思ったものの、遅刻寸前で慌てて家を飛び出した朝。しかし、その道中、占いを思わせる場所で、彼は5人の少女たちと最悪な形の出会いを果たす。
 引用元:ストーリー | TVアニメ「恋愛フロップス」公式サイト

©LOVE FLOPS PARTNERS

 

どうも!クソアニメだと思っていたアニメが名作と呼ばれるアニメに昇華していく様子ほど興奮するものはありませんね...

れおぱるレビューです!!!

 

実はね、ものすごい名作なんですよこのアニメ。

前半で切ったという人を多く見た作品だったので、導入部分を知ってる方にとっては「何言ってんだ!」「ふざけるのも大概にしろ!」「このクソアニメ愛好家が!」みたいな罵声を浴びせられそうですが、私が名作だと唸ることしかできなくなった理由をいくつか説明するので、途中で切ってしまった!という方には是非とも最後まで見てみてほしいなと思います。

 

まず、賛否両論分かれる前半のパートから。

これはもう凄すぎましたよねw

とんでもない下ネタを真面目な顔して当たり前のように物語に組み込んでくるバカアニメ感が1話から異常でした。

パッショーネはもう頭がおかしくなってエロアニメしか作れなくなったのか?と心配してしまうレベルのエロの描写とそれをギャグに繋げてくる描写がとにかくハマってて、個人的に大笑いできましたね。

特にお気に入りなのは第6話。

これはもうバカすぎて終始ゲラゲラ笑ってました。

男なら一度は聞いた事があるであろうアルファベットの略称、SOD、MM号みたいなものがポンポン飛び出し、ゴムゴムうるさい使い魔が出てくる話はもう是非とも見ていただきたい。

そんな愛すべきバカアニメと呼ぶに相応しいエピソードを次々と繰り広げた前半で、無理やりヒロイン達と朝の因果関係を結びつけていたように感じ取れるちょっとした過去を思い出す描写、この描写が後半の伸びに実は繋がってくるんです。

 

後半に当たる7〜12話は雰囲気が一変して私のようなクソアニメ愛好家の方々にとっては、前半の勢いが失われる形で深い物語を展開しそうな空気感に嫌気がさしたんじゃないでしょうか。

私ももれなくその1人であり、もう途中で切ることすらも検討し始めた時期ではあったんですが、

前半の"バカアニメだから"で済まされていた数々の描写が大恋愛に繋げるための必要な要素として次々と回収されていく様に、これは面白いぞ...となり結局最後まで見てしまったんですよね。

もうね、この後半は凄いの一言。

構成力とそもそも描きたい大恋愛の見せ方が凄すぎましたね。

後半の愛と朝の大恋愛を描きたいのであれば、前半のバカみたいなエピソードはなんだったんだと私もはじめは思っていたんですが、クライマックスになるにつれ前半のバカみたいなノリがどんどん回収され、

クライマックスをより一層盛り上げる欠かせない要素として、

前半のバカみたいなエピソードでさえも必要不可欠だったものにしてしまうまとめ方は非常にレベルが高い。

そして、無理やり持たせていたと思われていた朝と各ヒロイン達との過去の繋がりを示唆するような描写も恋愛とは?に組み込んでくるまとめ方、この辺は本当に神がかってましたね。

それに加え、前半のバカみたいなエピソードがあったからこそ際立つヒロイン達との別れのシーンは悔しながらうるっと来てしまったので、第10話、第11話あたりは前半とは別のハマり方をしてしまいました。

そして全体で描いてきた全ての要素が繋がる最終回、

愛と朝の大恋愛を、ここまで描いてきた全てを生かす形で成立させる様は圧巻。

終わりが近づくにつれ名作だなと心の底から湧き上がってくるような面白さを感じ取れたのはもう震えが止まりませんでした。

本当に切ることがもったいない。

そう思えるほどの名作ですので、切った方は是非とも最後まで見ていただきたいですね。

 

そんな構成力が素晴らしすぎるアニメですが、その構成力の凄さが致命的な欠点につながってしまったのも事実であり、

こんなにも名作なのに盛り上がりにかけてしまった、話題にならなかった理由として観る人を選別しすぎた構成はよろしくなかったかなと感じます。

まず、前半のバカアニメパート。

ここでは深い物語を好む層が「こんなものか」「あぁ、下ネタは間に合ってます」みたいな感じで離れてしまっているので、そのような方々に響く後半を見せることができなかったのが非常に痛い。

次に、後半の大恋愛パート。

後半まで見ている層は、私を含め「クソアニメ愛好家」が大半を占めていた為、その人達が求めていない展開を後半で取ってしまったことにより、「前半の勢いを押し殺してまでやることじゃない」「こんなのが見たくて見ていたんじゃない」と、

ここまで残っていた視聴者にも離れる原因を作ってしまったある種の選別。これはよろしくなかった。

こうして2段階にわたる選別を行ってしまったせいで、名作を作り上げているにも関わらず、それを語り継ぐような母数が減ってしまったことによる盛り上がりの欠け方は致命的でしたね。

良い物語を紡いでるだけに残念でなりませんでした。

それに加え、後半で描いているものは確かに面白いですが、前半の勢いに比べるとやはり劣ってしまうなと感じるのも事実で、ベクトルが違う面白いの感じ方にはなってしまいますが、やはりバカアニメのままがよかったなという願望が最後まで払拭できなかったのも残念なポイントになるんじゃないでしょうか。

 

毎期ビッグネームに埋もれるような形で存在する隠れ名作と呼ばれるような存在を見つけてはキャッキャ騒ぎまくるのが私の趣味で、この作品はそれに該当する名作ですので是非とも見ていただきたいですね。

前半はバカすぎて涙が出るくらい笑えますし、可愛い女の子達がエッチな目に遭っていく姿や、朝に恋をし恋する乙女の顔を展開していく姿は素晴らしすぎます。

後半は勢いこそ失ってしまいますが、最終回に向けての盛り上げ方や、最終回で紡いだ大恋愛はシンプルにシビれます。

こういうアニメがあるからこそ、アニメを切るという選択肢を取りづらくなってしまう。

そういう最後まで見る大切さを教えてくれる作品でもありますので、是非。