『チェンソーマン』
オススメ度 A+
OP: S
ED: C
作画: SS
わちゃわちゃ: A
あらすじ
デビルハンターとして暮らす少年デンジ。
親が遺した借金返済のため、『チェンソーの悪魔』ポチタと共にヤクザから受けた依頼をこなしながら貧乏な生活を送っていた。ある日、ヤクザに呼び出されたデンジは裏切りに遭い、殺されてしまう。
薄れる意識の中、デンジに語り掛けるものが居た。
どうも!俺ぁよぉ、おっぱいよりよぉ、お尻の方が揉みてえんだ!!!
れおぱるレビューです!!!
原作は読んだ事ありませんが、よくタイトルを耳にしていた作品とだけあって、大いに期待していたアニメでした。
結論からいうと、面白かったです!!!!
ヤクザの犬のような生活を送る主人公・デンジは普通の生活を夢見ていた中、ヤクザに裏切られてしまい殺されてしまい意識が遠のいていく中、可愛がっていたチェンソーの悪魔が語りかけてくる...というお話。
製作委員会方式をとっていない事で、原作通り或いはそれ以上の表現を可能にしていると話題になった第1話の衝撃は凄まじかったですね。
デンジやポチタの関係性、一心同体となる様、当たり前のように切り刻まれる悪人達など、1話で見せたいものを全部見せてきた感は異常と呼ぶに相応しい出来で期待していた以上の事を成し遂げてくれました。
また、その後の展開も非常に良く、他のジャンプアニメでは感じられないような独特の『チェンソーマン』らしさが非常に際立ったストーリー展開だったと思います。
ヤクザを殺し公安のデビルハンターとして新たな生活を送り出したデンジは、目標としていた普通の生活を手に入れる事ができ、これといって何かしたい、誰かを倒したいという願望もなくただ渡される仕事を淡々とこなしていく様が描かれますが、
その大きな目的もなくただ悪魔を殺し生きていくような描き方が新しいですよね。
こういう系、ましてやジャンプ作品のようなものになると、正義感や憎き相手を倒すため!みたいな大きな目標を序盤で掲げる物ですが、この作品の場合はそれがなく、それを見出していこうとする様から面白さを模索している感があり、新しい面白いに繋がっていた気がします。
また、大きな目的に向かってという計画もないので、デンジがフィーリングの赴くままに行動する描き方が完成されており、それによって作り出される雰囲気が『チェンソーマン』らしさをより大きくしていく感じが非常に素晴らしかった。
それに加え、大きな目標がなくとも小さい目的は存在し、この生活を守りたいだとか、おっぱいを揉んでみたいだとか、エッチをしてみたいだとか、マキマさんに褒められたい!みたいなこれまたデンジの欲望の赴くままの目標を提示され続けるので、どんな主人公よりもなんだか親近感が湧いてくるような行動理由のリアルさを感じ取れて面白かったです。
デンジの同僚であるデビルハンター達の描き方も非常に素晴らしいのがこの作品の良いところ。
デビルハンターという命が簡単に奪われていくような危険な仕事は常人には出来ないので、所属しているのは頭のおかしな奴ばかりという描き方がなされており、悪魔を恐れないどころか自分の強さを示す格好の的のように扱うパワーちゃんを筆頭にどこか頭のネジがぶっ飛んだやつらという描き方がより一層『チェンソーマン』らしさを加速させていました。
その頭のおかしさは戦闘描写に表れているのはもちろんのこと、何気ない普段の会話でも頭のおかしさを感じる事ができ、それがあることによって全シーンから面白さを感じ取れるような環境が整っていたので本当に楽しめました。
そして、敵である悪魔達の設定が良過ぎたのもこの作品の魅力ですね。
人に恐怖という感情を強く与えれば与えるほどその悪魔に強さが備わっているという設定は非常にわかりやすく、例を挙げるとこの物語のラスボス的存在である銃の悪魔。
姿形など全く映されていないにも関わらずその強さを名前だけで感じ取れますし、デンジ達の前に現れるいろんな悪魔達もどれほどの強さなのか容易に想像つくので、単純に戦闘だけに没頭できる設定だったと思います。
そして...デビルハンターの頭のおかしさと単純明快な悪魔達の強さ提示が合わさって巻き起こっていく後半の展開はまさしく圧巻。
頭がおかしいことを武器に我々に強烈な印象を与えてきた奴らが名前からして強すぎる悪魔に簡単に命を奪われていく映し出し方は絶句でしたね。
どこか安心感すら漂っていた磐石のメンバーが死を覚悟できるような描写もなく、死に際の輝きさえ与えられずに死んでいく様は登場人物達同様、我々視聴者も簡単にはその事実が受け入れられない環境になっており、簡単に命が奪われていく仕事がここで体現される絶望感は凄過ぎました...
この物語を形作る設定が良すぎるが故、映えまくる死の描写は他作品には描けないなと、チェンソーマンには敵わないなと思わせてくるレベルでしたね。
こんなにもベタ褒めしてるのになんでSSじゃないんだ!とどこからともなく文句が飛んできそうなのでA+になった理由だけ説明しますと、
まず、テンポがよろしくなかったのはアニメ勢の私でも感じ取れたのが良くありませんでしたね。
裏を返すと丁寧に描いているというプラスの面もありますが、1クールアニメとしての盛り上がり方が足りない印象がありますし、ばら撒かれた謎が謎のままなので少し消化不良感もあったのでそこはよろしくなかったかなと。
それ繋がりでもう一つあげますと、このテンポが正解だとしてもやはり1クールでは物足りないですよね。
ジャンプアニメの大成功例、直近で言うところの『呪術廻戦』や『鬼滅の刃』などはきっちり2クールの尺を用意して我々に襲いかかってきましたからね。その衝撃と面白さの持続という観点からすると、本作にもそれぐらいの尺を用意してほしかったなとどうしても感じてしまいます。
その点を踏まえてSSではないなと判断しました。
原作ファンからすると、納得できない描写が多々あるそうですが、私のようなアニメしか知らない身からすると、面白い!!と毎話感じる事ができるので、原作を読んだ事がない方は特に問題は無いと思います。
どうでもいい日常パートや、おっぱいを揉むシーンや、戦闘描写に至るまで永遠に作画が良すぎるアニメなので、映像作品としての楽しさも上乗せされ、ものすごく素晴らしいアニメだったなと見終わった後に浸れます。
個人的にEDが毎回変わるのは好きじゃないので、2期がある場合は是非とも固定していただきたい!
また、原作の愛され方が半端じゃない作品ですので、原作ファンからも愛されるようなアニメとして2期に大いに期待していきたいですね!!!