れおぱるレビュー

『新米錬金術師の店舗経営』

オススメ度 B

 

OP: A

ED: C

作画: B

わちゃわちゃ: A

 

あらすじ

 

錬金術師養成学校に通うサラサは卒業試験の日を迎えていた。亡くした両親の様にお店を持ちたいと願い猛勉強した5年間。その努力がついに実を結ぶ――はずが、試験中にトラブル発生。不合格ならば錬金術師になれない!どうするサラサ!?
 引用元:STORY -TVアニメ「新米錬金術師の店舗経営」公式サイト-

©2022 いつきみずほ・ふーみ/KADOKAWA/「新米錬金術師の店舗経営」製作委員会

 

どうも!3ヶ月ぶりです!!!

れおぱるレビューです!!!

 

毎年大豊作に悩まされる秋クール、皆さんいかがお過ごしですか。

私はレビューに何を書こうか頭を抱えつつ、多忙を極めるプライベートに死にかけています...

 

ということで本題。

盗賊に襲われ亡くなってしまった両親の意思を継ぎ両親のような立派な商人になる為、錬金術師の学校へ通い、学校卒業後に新米錬金術師として店舗経営のスタートラインに立つところからはじまるお話。

近年、私の中でのトレンドの一つである剣と魔法の世界での商売を取り扱った作品であり、それに加えかわいい女の子が主役の物語ということで期待を膨らませて視聴した本作。

結論から言うと、普通でしたね。

期待を膨らませすぎてハードルが高すぎたと言うわけでもなく、描いてることは間違いなかったんですが、個人的な好みと合致しない箇所が何点か感じられたので普通に感じてしまったのかなと個人的には考えています。

 

まず、テーマに対する物語の描き方ですが、これは完璧だったんじゃないでしょうか。

タイトルにもある通り、店舗経営がこの物語最大のテーマであるわけですが、

作中、どんな場面でもこのテーマを忘れないどころか店舗経営に繋げてくるがめつさを感じられるほど商売しっかり描いていたのは非常に素晴らしいなと感じました。

また、主人公のサラサちゃんが両親のような素晴らしい商人になるという夢を胸に刻んでいる為、お店を1人でも多くの人に覚えてもらえるようにという想いから行動に移される営業の数々や、客足が伸び悩めば新商品開発に労力を惜しまない探究心が常に描かれる描き方は素晴らしいの一言。

テーマに対する物語の描き方の軸のブレなさは見ていて気持ちが良かったですね。

 

それと並行して描かれる萌えも本作を語るに欠かせない要素の一つでした。

がめつさを感じるまでに店舗経営を描く一方で、店舗経営に関わらない遊びのパートでかわいい女の子達をしっかりわちゃわちゃ動かして絆を感じさせられるパートなどはまさしく萌えそのもの。

サラサちゃんが錬金術で萌えを生み出しているのかと感じられるほど癒される空間が確かにここにはあったので毎週実は楽しみなアニメとして楽しませてもらいました。

 

ここまでベタ褒めに近いほど本作のいいところを書きましたが、個人的には普通にまとまってしまっているので、先ほど話した好みではなかった箇所もお話ししておきます。

まず、店舗経営というテーマを忘れず物語の軸がブレなかった要素については個人的にものすごく好みなんですが、それの描き方に幅がなかったのかなと感じてしまいます。

サラサちゃんが主役であるが故、サラサちゃんを主軸にして物語を展開させていくことは仕方がないと言うか当たり前のことではありますが、あまりにもサラサちゃん頼りなところが目立ってしまい、何か問題が起きてもサラサちゃんがどうにかしてくれるというサラサちゃん任せなエピソード展開しかなかったように感じてしまい、エピソードの幅の広さと言う点においては非常に狭く淡白に近いものだったんじゃないかなと個人的に感じています。

サラサちゃん頼りの展開を払拭する手段としては、かわいい女の子が4人もレギュラーキャラをやっているんですから、各個人を掘り下げる個人回を設けてサラサちゃんを助ける立場とはいかないものの補佐役として十分なほど活躍できる場を与えてあげれば物語そのものに深みも増していたと思いますし、エピソード展開の狭さも広げることができていたと感じますし、何よりそれが個人的に好みなので是非ともやって欲しかったなと強く感じます。

特にアイリスちゃんなんかはお嬢様×ポンコツという強さしかない設定があったのにも関わらず、ポンコツを発揮してもサラサちゃんに対する借金による申し訳なさが勝ってしまっていたパートがいくつも見受けられたので、そこも個人回をやれば変わっていたのかなと。

 

また、がめついほどにまでにこだわったどんな場面からでも店舗経営に繋げるサラサちゃんの思考は素晴らしいものでありましたが、時折真剣になりすぎてしまい、直前までやっていた萌えの雰囲気を断ち切ってしまって堅苦しい空気が流れてしまっていたのは個人的には良くなかったなと感じてしまいます。

キャラデザの面で非常に恵まれた作品であったと思うので、序盤や中盤などそこまでシリアスにならなくて良い段階で重たい空気を漂わせてしまうのはちょっぴりキャラそのものの印象が固くなってしまうのでもったいなかったなと少し残念に思いました。

ただ、ふざけるところはふざけて仕事は真剣にというメリハリのついた作風が本作の強みであるとも感じるのでその辺は一長一短ということですかね。

 

全体を通して、掲げているテーマを忘れずにしっかりキャラクターを動かし物語を描いてくる軸のブレなさは非常に面白かったですし、個人的にはそういう筋の通った作品が好きなので大好きな部類の物語ではありましたが、ストーリー展開の幅の狭さが話数を重ねるにつれ顕著に現れてしまったのは良くなかったのかなと感じています。

ただ、序盤で描いた問題を中盤で小出しに情報を出して水面下で動かし終盤で解決に持っていく組み立て方は1クールアニメとしていい出来だと感じますし、

両親の想いを大切にしてきたサラサちゃんの気持ちを確認し、ロレアちゃん、アイリス、ケイト達とこれから先の幸せを紡ぐことを選択するいい終わり方をしているのもスッキリしますし、よく纏まったいいアニメだったと思います。

決して神アニメにはなれない作品ですが、刺さるところには刺さり、良いアニメだったなとたまに語られるような作品であると個人的には思いますし、実際私自身が多分その語り継いでいく立場になるくらいには好きなので、私と好みが合いそうな方は是非見てみてください!