れおぱるレビュー

『探偵はもう、死んでいる。』

オススメ度 B

 

あらすじはまだ、死んじゃいない。

 

上空一万メートルを飛ぶ飛行機がハイジャックされた。少年・君塚君彦は探偵を名乗る謎の少女・シエスタから助手に任命され、コックピットへと向かう。そこではコウモリというコードネームを名乗る男が機長を人質に取っていた。コウモリは人質を開放するための条件としてシエスタに”飛行機を乗っ取った理由”を推理するよう要求する。
 引用元:Story -TVアニメ「探偵はもう、死んでいる。」公式サイト-

©2021 二語十・うみぼうず/KADOKAWA/たんもし製作委員会

 

 

どうも!このレビューを毎期末心待ちにしているなら早くその想いを私に伝えておいたほうがいいですよ!じゃないと誰かに取られちゃいますよ!

私はとてもモテるので。

れおぱるレビューです!!!

 

ここまで評価に困るアニメは久しぶりで、果たしてBが適正なのか、それより低く付けるべきなのか、相当迷いましたが、最後の最後で巻き返しがあったと個人的には感じることができたので、当初予定していたよりも大幅に上の評価を付けましたが、未だに本当にこれが適正なのか、もしかするともう少し上なのでは?とも思っています。

というのも、全体的に非常に惜しいアニメだったと思うんです。

ストーリーはメインタイトル通り、名探偵シエスタは、SPESとの戦闘の末死亡してしまい、取り残された助手が新たな名探偵候補とともにまた歩み出すという内容で、導入だけみると、これから先、とてつもなくエモいストーリーが待ち受けているんだろうなぁとワクワクしていたんですが、予想を下回ることをいくつかやりだし、全体的に導入時の期待が薄れていってしまったなという印象がありました。

ここから先はちょっとネタバレに踏み込まないとレビューが書けないので、ネタバレに踏み込んでいきますが、

最終的にこの物語が描きたかったものが、シエスタの復活。

それだけを聞くと、ものすごくエモいストーリーじゃん!となると思います。私もその中の1人で、大好物なジャンルではあるんですが、そこに至るまでの過程がどうも腑に落ちなくて評価に困っているんですよね。

まず、メインタイトルでシエスタが死ぬことは確定しており、1話内でその事も語られるのはまぁ普通のことで、2話以降はシエスタちゃんの心臓を移植した少女・渚ちゃんが新たな名探偵として歩み出し、3〜4話で依頼を解決という流れも自然かと思います。

が、その後の流れが非常に良くなく、5〜9話までがシエスタちゃんの回想話に突入してしまうんです。

一度渚ちゃんが名探偵として歩み始めていたので、視聴者は渚ちゃんが名探偵として成長していく中で、時折シエスタちゃんの意思などを知るため所々で回想に入ったり、1話まるごと回想で使ったりという構成を求めていた、いや、少なからず私が求めていたのですが、

なんと死んだ扱いされてるシエスタちゃんの話が永遠と続けられ、物語中盤は何が描きたいのか分からなくなる始末。期待値も薄れ切ろうかな...と思ったほどで物語の勢いもものすごい勢いで落ちていたと思います。

2話以降で渚ちゃんが名探偵として歩み出す話をしている以上、この物語が描きたいのはシエスタちゃんの意思を引き継ぐ渚ちゃんの物語という印象付けをされてしまっているので、この5〜9話の回想が本当に邪魔だとしか思わなかったんです。

もちろん、このアニメ自体、シエスタちゃんのかわいさだけが売りですので、萌えの観点から言えば5〜9話は神でしかないのですが、期待していたストーリーからかけ離れていく感じはあまり良くなかったんじゃないかなぁと個人的には感じてしまいます。

 

そして、もう一つ良くないなと感じる部分は、シエスタちゃんの最期のシーンです。

シエスタちゃんが死ぬ話は第9話で描かれていましたが、先程申し上げた通りストーリー構成に不満がある真っ只中にそのシーンがやってくるので、喪失感などが半減してしまっており、悲しさなども感じづらかったんですよね。

この物語が最終的に描きたいことはシエスタちゃんの復活、あるいは再開なので、この死ぬというシーンでとてつもなく大きな衝撃を与えないと再開した時の感動というものが薄れてしまうので、死ぬシーンはより悲しみを深く描かなければならないと私は考えるんですが、このアニメはそれをやらなかったので、実際に復活や再開をしてもそこまで感動もしなかったのは本当に良くないなぁと感じてしまいます。

この辺をしっかり描いていれば、とてつもなく面白いアニメの仲間入りを果たせるほどのストーリーは描いているので、本当にもったいない、惜しいことをしているなぁとつくづく感じてしまいます。

 

物語のテーマ自体が掴みづらく、視聴者はテーマを騙されてしまうので、物語中盤など納得のいかないようなストーリー構成をしていますが、

仮にこれが2クールアニメで、一つ一つの工程をしっかり描き切り、じっくりやるべきところにちゃんと尺を与え物語を描ききっていると、うんうん頷きながら涙を流してしまうような神アニメになっていたというポテンシャルの高さがあり、本当にもったいないことをしているなと感じてしまいます。

物語が最終的に何を描きたかったのか、という部分は痛いほどわかり、それに至るまでの工程をよく1クールに描ききったなと感心さえもしてしまいますが、やはり尺不足感が否めず、我々が求めている感動に達するまでにはもう1クール尺をとってじっくり描いて欲しかった。という感情が強く残っているので、Bという評価で落ち着きました。

ストーリー的にはA以上を狙えるほど私の大好物のジャンルでしたので、ほんとうに惜しかった。

あと、個人的に8年前くらいに放送してくれたら盛り上がれたような平成を感じる会話は好きだったのでその辺も惜しいなと思ってます。

 

ストーリー構成に言いたいことはたくさんありますが、キャラクターのかわいさ、特にシエスタちゃんのかわいさは度肝を抜かれるほどの物なので、ただ萌え萌えしたい人など、非常にオススメです!

探偵とタイトルで脈打ってますが、探偵らしいことはあまりせず、訳の分からない組織との戦闘が永遠と描かれるので、探偵ものが見たいという方には向いてないかもしれません。

とにかく、シエスタちゃんのかわいさに我々は平伏し、シエスタちゃんに好意を早く伝えなければならないのです。

なぜかって?

シエスタちゃんはとてもモテるので。