れおぱるレビュー

『桜Trick』

オススメ度 A+

 

OP: A

ED: B

作画: B

わちゃわちゃ: A

 

あらすじTrick

 

高校入学を明日に控えた高山春香は、親友の園田優と同じクラスになり期待に胸を膨らませていた。 クラスには優の他にもコトネやしずく、楓やゆずら個性的な女の子がいっぱい。しかし仲良くなれそうなクラスメイトがいることに安堵すると同時に、 すぐ友達ができる優を見て春香は少し嫉妬してしまう。空き教室で一人そんな物思いにふける春香の前に優が現れ、「私たちは、他の娘とは絶対しないことをしようよ」と提案し…。

引用元:あらすじ|TBSテレビ:桜Trick

©タチ・芳文社桜Trick製作委員会

 

どうも!見返し枠のおかげで過去アニレビューが順調に潤ってきてます!

れおぱるレビューです!!!

 

アニメに性癖を捻じ曲げられるという経験をしたことはありますか。

私はあります、この作品によって。

14年冬に放送された本作ですが、当時の記憶が鮮明に甦るような強烈な見返し枠でした。

8年ぶりに見返した作品ではありましたが、当時の私の性癖を捻じ曲げたと同時に、とてつもなく衝撃を受けた感情が未だに脳裏に役ついていたので、記憶の中で神格化されているだけではなく、令和の今の時代に見返しても面白い、美しいというとんでもないことを成し遂げた作品だと感じました。

 

ストーリーは、親友・園田優のことが好きすぎる高山春香が嫉妬を拗らせて「私たちだけの特別な事をしよう」とキスをするところから始まる物語。

ぶっちゃけ、ストーリー自体に深みのようなものは無く、ただただ女の子同士でキスをするだけ。

それだけのはずなのに、この作品は面白さもちゃんと持ち合わせているとてつもないストーリーを展開していたように思えます。

 

まずはなんといっても記憶にタトゥーのように刻まれる印象深いキスシーンの数々。

私の記憶に一番刻まれていたシーンは、1話のベランダでキスをするシーンでした。

空き教室でイチャついていたところ誰かが入ってきたので咄嗟にベランダに隠れて、バレちゃうんじゃないかと心配しつつ、キス欲求が抑えられなくなり声を潜めキスをするシーンはとにかく良いとしか言えず、美しさのその先に言っていると私は思います。

当時この1話を見たことによって私の性癖が捻じ曲がる運命を辿って行ったと言っても過言ではないほど、私の脳裏に刻まれたこのシーンは一生かあることが無いと思います。

他にも、文化祭の準備中に魔女のローブの中で隠れてキスをしたり、

文化祭中の薄暗い体育館で灯りが着くまで長時間キスをして、2人に聴こえるのはキスの合間に漏れる吐息のみというシーンだったり。

一口にキスをしまくるだけと言っても、いろんなシュチュエーションの中でそれが描かれ、我々が想像もつかないような美しすぎるシュチュエーションでそれが提案されたりと、百合とはなんたるか。愛とはなんたるかを知らしめる印象的なキスシーンの数々はこの作品を語る上でやはり欠かせないものだなと改めて実感しました。

また、この一つ一つのキスシーンがとても印象深いので、この先何年か経ってまたこの作品を見たときに、一つ一つのキスシーンがトリガーとなって記憶が鮮明に呼び起こされるという他の作品じゃ考えられないようなとてつもない事を成し遂げており、こういうところも相まって後世に永遠に語られる一つの理由なんじゃないのかなと感じました。

 

ストーリーにおいてのアクセント部分について。

本作のストーリーには春香ちゃんと優ちゃんの純愛の他に、大きな軸が2つあり、それが物語そのものを面白くたらしめる要因だったのではないかと考えます。

①最後の1年生

主人公である春香達は舞台となる廃校が決まっている高校の最後の1年生として入学しており、高校で体験する一つ一つのイベントが"1年生の文化祭"などではなく、"この高校最後の1年生の文化祭"として映し出されている設定は、ストーリーのアクセントとして非常に機能していたのではないかなと感じます。

一つ一つのイベントにこの高校最後のという前提があるので、ただ思い出を残すのではなく、もうこの高校でこの思い出を作れる人達はいないんだという切なさや儚さが、大切な人と忘れられない思い出をというキスに繋がる重要な雰囲気作りに直結していたので、こういう設定から作る細やかな雰囲気作りの凄さ、下地の凄さは非常に素晴らしいなと感じました。

 

②3〜12話で描かれる園田美月の恋心

優ちゃんの姉である美月会長が段々春香ちゃんの事しか考えられなくなっているようなシーンが多々映し出されておりましたが、この描写も物語のアクセントとして非常に良く機能していましたね。

春香ちゃんと優ちゃんの純愛が描かれる一方で、春香ちゃんをあわよくば奪おうという感情にまで成長する美月会長の恋心も美しい純愛。

一見略奪なんて純愛じゃない!と思ってしまうかもしれませんが、

作中で女の子同士でキスをするなんて...!というセリフもありますが、この作品が描きたい根本的なものは好きになってしまったのなら性別なんて関係ないというものですので、略奪だろうがなんだろうが好きになってしまったものは当人にとって純愛そのものなので形なんて関係ないんです。

寧ろ、全話見た後だと、形が様々であることこそが純愛とまで言えるようになる物語が紡がれていて、それを支えていたのが美月会長の恋心なんだなと実感させられました。

この作品を見ていた当時はキスシーンだけ映しゃあ後はなんだって良いとまで思っていましたが、こうして見返してみると色んなところ、細やかなところに『桜Trick』を『桜Trick』たらしめるものが散りばめられている美しさを感じられ、見返して良かったなと心底思える事ができました。

 

印象的なキスシーンの数々で百合好きさせられた私の原点の一つと言ってもいい作品です。

本作から提案されたいろんなシュチュで描かれるキスシーンの数々は私の妄想力の土台を築き上げたと言っても過言ではないほど、とにかく私に多大なる影響を与えた作品ですので、是非。

キスシーン関連で一つ願望があるとすれば、しずくちゃんとコトネちゃんのもう一つの桜色を序盤限りのものでなく、定期的に映し出してメインの桜色との対比で描いて欲しかったなという正直な感想はあるので、もしかしたらキスシーンのダレを感じてしまうかもしれませんが、そのダレを上塗りしてくれる春香ちゃんと優ちゃんのキスシーンも終盤になるにつれて増えるので、面白さ、保証できますよ。

この作品を全世界の人が見れば世界は平和になると未だに語り継がれる伝説を作った百合の花と桜の花びらが咲き乱れる美しすぎる本作。

まだ見てないのであれば堪能してみませんか?