れおぱるレビュー

『プラオレ!〜PRIDE OF ORANGE〜』

オススメ度 B-

 

あらすじ!

 

日光市に本拠を置くアイスホッケーチーム、ドリームモンキーズ。その体験教室の門を叩いたのは、地元に住む中学生、愛佳と妹の彩佳、そして幼馴染みの薫子と真美。そこで初めて、梨子と尚実に出会う。

引用元:TVアニメ「プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~」公式サイト | STORY 第1話「face off」

©2020 プラオレ!メディアミックスパートナーズ

 

どうも!アニメで知らないスポーツに触れることでいろんなスポーツを知れるという事は本当に素晴らしいことですね!

れおぱるレビューです!!

 

正直に言いますと、面白くないと感じるまでにはいきませんが、全体的に雑な印象を感じてしまい消化不良感が否めないアニメでした。

アイスホッケーの体験教室に通うことになり、そこでアイスホッケーの面白さを知ることでアイスホッケーを本格的に始めていく...というような物語。

導入部分においては、アイスホッケーに触れ始める工程だったり、なんとなくアイスホッケーが好きになるのではなく、ちゃんとパックなどに触れ、一つのパックをみんなで繋げていく楽しさを感じ、アイスホッケーにハマっていく様子など、一つ一つの工程が丁寧に描かれ、スポ根のようなアツさを感じられる導入に正直勝ちを確信できるほど期待を置いていましたが、それを感じられるのも導入だけで、あとは右肩下がり...という出来でした。

導入で感じられるスポ根みや、勝って披露するビクトリーダンスの存在などから、『ウマ娘』に通ずるようなものが描かれるんじゃないかとものすごく期待していたんですが、『ウマ娘』に一切届くことなく、寧ろ真逆を言ってしまったなと残念な気持ちで最終回まで見たので、言いたいことがものすごくあります。

 

まず一つ目。

真美ちゃんの引っ越し要素

これは本当にいらなかったと思いますよ。

導入部分で、最初にアイスホッケーの楽しさを口にしたのが真美ちゃんだっただけに、本作のスポ根みを1番感じられる存在だったのが真美ちゃんなんですが、あろうかとか引っ越しをさせられてしまい、真美ちゃんのスポ根みの穴を埋める展開もなく、ただただドリームモンキーズが締まりのない緩いチームになってしまったことは本当に残念に思います。

 

二つ目、

優ちゃんの掘り下げ方の浅さ。

真美ちゃん脱退後、釧路スノーホワイトという強豪チームでチームメイトと揉めて日光にやってきた優ちゃんがドリームモンキーズに加入するわけですが、チームメイトと揉めて脱退してきたキャラとは思えないほど最初から丸く描かれており、真美ちゃんの穴を埋めることが出来なかったのが非常に良くなかったと思います。

それだけに留まらず、ドリームモンキーズ加入後の初試合で急に豹変して独りよがりのプレーをしだしたかと思えばその試合中に修正し元の丸い優ちゃんに戻ってしまうという情緒不安定っぷりには狂気すら感じました。

結果的に、ずっと丸い存在なのでドリームモンキーズを引き締めるような存在にはなれず、優ちゃんが緩いドリームモンキーズに染まってしまうという始末。

ここの描き方の足りなさというのは後ほど述べていこうと思うんですが、本当に良くなかったと感じます。

 

三つ目、

尺に見合わない情報量の多さ。

これが一番致命的でした。

一つ目と二つ目の展開を序盤である程度話数を使って描いてしまったが故、その後の試合描写にモロに影響してしまい、当初目指していた大会Bから大会Aに昇格するという目標が叶ったにも関わらず、ここにくるまでの工程が丁寧に踏めていなかったが故、感動が薄れてしまうというお粗末さ。

ほんと何が描きたいんだ聞きたくなるほど詰め込みまくってしまったせいで、全体的な印象が雑と感じざるを得ないストーリーは良くないと思います。

 

四つ目、

一つ目と二つ目と三つ目の悪いところが合わさった結果、『プラオレ』なら描けたはずのエピソードが描けないまま終わってしまうという消化不良感。

まず一つ目に対してですが、百歩譲って真美ちゃんの引っ越しを認めるとして、その後真美ちゃんがドリームモンキーズの壁となって立ちはだかるアツい展開など描こうと思えば描けたはずです。

なのに、それを描かない。寧ろ真美ちゃんがアイスホッケーを辞めてしまう!?というわけのわからないエピソードすら作ってしまうという残念極まりない設定の活かしきれなさにため息しか出ません。

二つ目、優ちゃんの尖り具合と丸くなるまで。

描こうと思えば、釧路スノーホワイト時代の尖りまくった優ちゃんの独りよがりなプレー、ドリームモンキーズ加入当初もそれが治らず、なんらかの展開や影響によって徐々に丸くなりチームプレイに達する様など、スポ根の鉄則とも言えるスーパープレイヤーが丸くなるまでを本作なら描けたにも関わらず描かなかった。

これはもうお粗末すぎます。

三つ目、上記二つが描けなかった要因とも言える尺の足りなさ、これはもう致命的だと感じます。

上記二つ以外にも、愛佳ちゃんと薫子ちゃんの幼馴染要素の深掘りであったり、愛佳ちゃんと綾佳ちゃんの姉妹要素の深掘りであったり。

設定的には舞台が整っているにも関わらず描かなかった要素というものがこれでもかと残っており、極め付けは最終目標である大会B決勝戦

いつかこの観客席を満席にすることが夢だと監督が語っていたにも関わらず、その観客席が埋まるまでの地道な努力を描くことができておらず、急に満席になった観客席を見せられるという雑さ、感動の薄さ。

そして、大会Bを勝ち上がり大会Aへの昇格を果たした最終回でも、大会中の試合描写が極端に少なく感動を感じられないという始末。

ここまで雑なアニメが逆にあるのかと疑いたくなるような出来で非常に残念に思います。

 

ビクトリーダンス要素など、トチ狂ってるなど色々と言われていますが、個人的には『ウマ娘』などの例もあるのであってもいいと思っていましたが、それはスポ根を徹底して描いた先にあるご褒美的な話であり、試合に勝っていないにも関わらず勢いで披露してしまったり、スポ根寄りでなければ萌え寄りか?と思えば萌えにも振り切れておらず結局中途半端な立ち位置で最後まで描かれたりと、とにかく全ての要素が雑だと感じてしまい、期待はずれも甚だしく、非常に残念なアニメでありました。

神アニメになれる要素を持っていたにも関わらず、同時期に放送された『takt op.Destiny』のようなアプリ販促アニメにもなれなかった所謂クソアニメではありますが、アイスホッケーの魅力というものは描けていたと思うので、知らないスポーツを知りたいという方、見てみてはいかがでしょう?