れおぱるレビュー

『このヒーラー、めんどくさい』

オススメ度 B+

 

OP: A

ED: B

作画: A

わちゃわちゃ: B

 

そんなあらすじ

 

戦士アルヴィンは、魔獣と戦闘中にダークエルフのヒーラー、カーラと出会う。しかしカーラは、世にもめんどくさい性格。おまけにうっかり、アルヴィンに自分から離れると死んでしまう呪いをかけてしまった!
 引用元:STORY -TVアニメ「このヒーラー、めんどくさい」公式サイト-

©丹念に発酵/KADOKAWA/このヒーラー、めんどくさい製作委員会

 

どうも!挨拶が遅れてごめんなソーリー!

れおぱるレビューです!!!

 

初心者レベル100で冒険者ランク(笑)の戦士・アルヴィンと、ダークエルフの可憐で麗しいヒーラー・カーラが偶然出会い、なんだかんだすったもんだがあり、成り行きで旅をする、そんなお話。

見れば見るほどクセになるというか、大好きになってくる、そんなアニメでした。

ただ、確実に見る人を選ぶアニメではありますので、合わない人にはとことん合わないのかなと感じますが、是非とも中盤以降からのこのアニメの面白さを堪能していただきたいので、序盤で切る事だけはやめていただきたいですね。

というのも、正直序盤は私も面白くないなと思っていたんです。

カーラがめんどくさい性格をしているので、アルヴィンさんをナチュラルに煽り散らかしながら物語が進行していくスタイルがとられており、序盤のアルヴィンさんはカーラという存在に慣れていないので、ツッコミも合っていないように感じ、どうも相性が悪いなと思ってしまうような会話劇が繰り広げられており、また、テンポも悪くないがよろしくもない微妙なラインでしたので、もっとどうにかならないのかなと感じていたところは正直私にもありましたが、それもそのはず。

この物語が勢いに乗り出すのは中盤以降なんです。

序盤〜中盤でアルヴィンさんとカーラが旅を続ける中で、主にアルヴィンさんがカーラの存在に慣れ出してきて、カーラのボケに対して強調するツッコミや、流すツッコミ、無視して第三者へボケを説明することによりカーラのボケがより良いものへと昇華したり、カーラのボケに被せる形でボケるなどなど、2人が織りなす会話劇が一気により良いものになった印象がありました。

この掛け合いというか、コンビプレーとも言える会話劇は非常に漫才によく似た構成になっていると個人的には感じ、

私、あまり知られてないですけど漫才とかそういう言葉遊びみたいなものが大好きですので、もう気付いた時には2人の会話にどハマりしていました。

カーラ「たわけ者!」

アルヴィン「うるせえ!うつけ者!」

などなど、画面を見なくても伝わってくる言葉遊びのセンス、ユーモアというものは近年のギャグアニメの中では群を抜いて光るものがあったのではないかなと感じます。

また、会話劇以外の場所でも、ベタベタなギャグパート、絶対ここでこういうボケ方してくるなとわかってしまうような箇所が豊富にありましたが、そのボケを見せる為のフリであったり、それに忠実に応えてくれるボケは非常に面白かったですね。

魔物や敵と当たり前のように喋る安っぽいノリなどは、どこか『勇者ヨシヒコ』を彷彿とさせるような面白さがあり、このしょうもないボケを毎週見るのが楽しみになってくる感覚は、このアニメだからこそ感じられたものなんじゃないかなと思います。

 

本作のすごいところは、そんなギャグパートの面白さだけに留まらないところが凄いところ。

中盤から終盤にかけて、アルヴィンさんがカーラに対する想いを露わにし、

カーラがアルヴィンさんに対する想いを露わにしたところで、この物語の本質とも言える尊さがぐんと跳ね上がった印象があります。

アルヴィンさんは、カーラのことを心底めんどくさいとは思っていますが、冒険者ランク(笑)の自分と仲間で居続けてくれるカーラに内心感謝していると映し出されるフェーズ以降は、アルヴィンさんの一つ一つのツッコミにどこか優しさが感じられるようになり、非常に良いなと思っていたんですが、

カーラがアルヴィンさんとの旅路を心底楽しんでいると映し出されたフェーズ以降は、カーラの一つ一つの煽りに愛が感じられるようになり、尊死してしまうかと思うレベルのエモさが会話の根底に見えるようになった破壊力の高さはものすごかったですね。

序盤から会話劇だけで面白さを跳ね上げてきた関係性であるが故、その根底に尊いものが追加された時の素晴らしさたるや。

この感情は他作品ではなかなか味わえるものではありませんので、是非序盤できる事だけは避けていただきたいと切に願います。

 

テンポの観点からすると、2人の会話劇に物足りなさを感じるかもしれませんが、各回に登場するゲストキャラがその部分を補ってくれる存在ばかりで、カーラとアルヴィンさんの関係性をより良いものへと跳ね上げていた印象があったので、キャラの動かし方、魅せ方が非常に上手いなと感じる作品でありましたが、不満な部分もあるのは事実で、

レギュラーキャラであるキノコがなんの役にも立たず、カーラとアルヴィンさんに足りなかった部分すら埋められなかったのは正直痛いなと感じます。

キノコが徹底したツッコミになるのもよし、カーラと一緒にボケ倒す事だって出来たはずです。

他キャラの動かし方、見せ方が非常に良かっただけに、キノコの動かし方が悪すぎる事が目立ってしまっていたのは残念かなと感じます。

が、まるで本当に2人が生きているかのようなカーラとアルヴィンの映し出し方についてはやはり凄みを感じる部分で、お互いにお互いの存在に慣れだし、旅を通す中で関係性が成長していく様は非常に素晴らしいと言えますので、キノコの件はこれで十分に隠せるかなとも思います。

序盤の面白くなさで切った人を多く見かけたアニメでありましたが、全話見た感想は、

面白かった!

と胸を張って言えるものが描かれていましたよ。

右肩上がりに面白さが加算されていったアニメだったので、切った人たちにこんなに面白くなったよ!と見せて回りたい気分です。

良いアニメを見ました。