れおぱるレビュー

『海賊王女』

オススメ度 B

 

あらすじ

 

わずかな月明りが覗く夜、その海上で赤く燃え盛った船……
幼きフェナは雪丸に助けられ、一人孤独な海へと流されていった。
そこから10年。
「シャングリラ」へ漂流したフェナはホワイトマージナル
と呼ばれるほどに美しく成長していた。
幼いころに命を助けてくれた雪丸を忘れられないフェナは、初夜の晩、混乱に乗じて島からの大脱出を試みる。

引用元:第01話 | STORY|オリジナルアニメーション『海賊王女』公式サイト

©Kazuto Nakazawa / Production I.G

 

どうも!実はパイレーツオブカリビアンシリーズが大好き!

れおぱるレビューです!!!!

 

タイトルに海賊と付くことから、パイレーツオブカリビアン好きの私としては絶対に試聴しなければならない!という意気込みのもと、視聴を開始したアニメでしたが、結論から言うと面白くないというか、何故こうなってしまったのか...と頭を抱えたくなるレベルのアニメでした。

 

幼い頃に生き別れた雪丸との記憶をずっと持ち続けていたフェナ。

辿り着いた先のシャングリラから脱出しようとした矢先、忍者?侍?のような格好の人達に手助けされ、その正体は10年振りに再会した雪丸だった...というお話。

物語自体に言いたいことは沢山ありますが、序盤から中盤にかけてはむしろ褒める要素しかなく、非常に面白かったと感じます。

というのも、序盤で最初にハマるポイントは全体的なキャラデザ。

キャラデザよりも物語の方が重要だ!という方も多いと思いますが、キャラデザというものはアニメにおける第一印象と言っても過言ではない部分であり、私は非常に重要なポイントかなと思ってますので、語らせていただきますが、本作のキャラデザは非常に優れていたと思います。

というのも、日本の深夜アニメであまり見かけないような、どちらかというと海外寄りのディズニーを彷彿とさせるような目を引くキャラデザだったからです。

日本の深夜アニメなんだから日本に寄せろよ!って思うかもしれませんが、ちゃんと日本の深夜アニメっぽさを残しつつ海外要素も取り入れたようなキャラデザだったので、主人公のフェナが持つかわいさであったり、魅力そのものが唯一無二と呼べるに相応しい描かれ方で、一気に本作に引き込まれてしまいますよ。

そして肝心の物語は、

これから父親の意思を探すための大冒険が始まる!と感じさせるようなワクワク感が序盤では描かれ、それに加えフェナが持つうるさいほどの明るさに登場人物全員が引っ張られ終始賑やかな会話が繰り返されるような、まるで劇場版アニメの序盤を見ているような賑やかさも感じられ、最高のスタートを切れており、個人的にものすごく期待できる内容でした。

続く終盤も、序盤で提示された目標に向かって一直線に謎を解いていく物語が描かれ、海賊ものらしくいろんな所でいろんな情報を集め、更には敵となる海軍の出現や、海軍の下につく海賊の存在など、敵キャラ面でも海賊ものらしい作品になっていき、ますます期待できるようなものが描かれており、今期のアニメの5本の指には入る。と睨めるまでの作品となっていたのですが、問題は終盤にありました。

ここまで絡まっていた後を解くように丁寧に謎を解いてきたにも関わらず、第9話から突然フェナの記憶などが甦り出し、冒険で得たヒントなどで謎を解くのではなく、フェナが小さい頃から刷り込まれていた歌を並び替えて謎を解き出したりとご都合展開が目立ち、最終回付近では謎ファンタジーでわけのわからない終わり方をしてしまうという謎っぷりに正直悲しくなりました。

序盤中盤と、あれだけ良いものを描けていたにも関わらず、終盤でまるで別作品を見ているかのような急展開の数々。

タイトルにもある通り、海賊ものなので、終盤は変に理屈を並べて物語を完成させるより、アツさのゴリ押しで勢いだけで問題を解決してしまうような流れでも受け入れられたと思います。

私が望んでいた終盤の展開は、海軍に反乱を企てる敵海賊達に何らかの形でフェナと雪丸が世話になり、フェナ達&海賊達VS海軍のようなベタな展開です。

急なファンタジー要素を取り入れるよりはこの辺のベタな展開で攻める方が無難ですが面白くなるのは間違いないので、本当に残念な方向に舵を切ってしまったなと思います。

 

神アニメになれた、神アニメに非常に近かったにも関わらず自ら転げ落ちていってしまった本作。

終盤の展開というものに不満は残りますが、終盤に繋がるまでに描かれている展開は確かに面白く、ひと時の夢すらをも感じられるので、見てみてはいかがでしょう?