『CUE!』
オススメ度 B-
OP1: A
ED1: S
OP2: S
ED2: S
作画: B
わちゃわちゃ: B
あらすじ
“実績なし、経験なし”の新規声優事務所『AiRBLUE(エールブルー)』に所属が決まった六石陽菜。迎えた初顔合わせの日、事務所に集まった15人の声優の卵たちは社長の鳳真咲の発案により『ハムレット』を演じることになる。子役出身の宮路まほろをはじめそれぞれが個性豊かなハムレットとオフィーリアを演じていく中、陽菜は緊張から前に出ることができずにいたが―。
©CUE! Animation Project
どうも!アニメオタクにとって身近な存在である声優をテーマにしたアニメは毎回見てしまいますね。
れおぱるレビューです!!!
16人の声優の卵が一人前の声優になるために頑張る日々を描いたお話。
監督は、片貝 慎さん。
シリーズ構成は、浦畑達彦さん。
これ、どこかで見覚えがありませんか?
そうです!『Re:ステージ!ドリームデイズ♪』のスタッフが勢揃いしているんです!!!
私、れおぱるレビューが褒め倒した事があるアニメのスタッフが勢揃いするアニメがまた始まるとのことで、放送前からワクワクが止まらなかった本作でしたが、結論から言いますと、『リステ』のような面白さは感じられませんでした...
というのも、2クールという掘り下げには十分すぎる期間がありながら、全てのキャラを深く描くこと、魅せる事ができなかったんじゃないかなと感じるからです。
メインキャラが16人という点において、放送当初から不安に思っていた部分ではありましたが、放送が2クールあるという事で、全員十分に掘り下げられるであろうと予想していたんですが、蓋を開けてみると、掘り下げはなされているにも関わらず、キャラが多すぎるが故に個々のキャラ立ちが浅く感じてしまう部分が多かった印象があります。
キャラの多さ故、全体から選抜してスポットを当てていくという構成ではなく、4つの班に分けて、グループ的な掘り下げと個人的な掘り下げを両立させるエピソード構成は、正直上手いなと感じていた部分でしたが、1つの班に属する4人に連続してスポットを当てていく構成ではなく、別々の班に交互にスポットを当てる構成だったので、盛り上がりが持続しないような印象を受けてしまい、全体を振り返った時には面白くなくはないが何か盛り上がりに欠けるなと感じてしまいましたね。
これが仮に、1つの班に属する4人を連続した4.5話のエピソードで掘り下げてくれれば、オムニバス形式のようなものが取れ、それぞれの班の輝きをより一層感じられたのかなと感じます。
ただ、オムニバス形式を取ることにより、AiRBLUE全体としての盛り上がりは損なわれてしまう可能性があるので、そこは一長一短かなと思いますが、交互に掘り下げエピソードを映し出すよりは個人的に好みだったかなと感じます。
肝心の掘り下げ内容ですが、
4つの班の内訳としては、
1.アフレコ(ブルームボール)組
2.アイドル声優(フォーチュン)組
3.ラジオ組
4.朗読劇(リエンヌ)組
というように分かれており、それぞれのグループに見合ったエピソードはしっかり展開されていた印象がありますが、声優アニメ、プロ視点で描く物語としては正直面白さが足りなかったかなという印象があります。
アフレコ組に関して、声優と聞いて1番最初にイメージする仕事を取り扱っているだけに、真っ当な声優の物語を繰り広げていましたが、どれも他のアニメで見た事があるような演技の悩みなどが映し出されており、新鮮味は欠ける印象がありました。
演技についての描写やアフレコに望む姿勢などにおいても、細かい演技論や声優たるものの意識において、『それが声優!』の方が良いものを描いているなと感じてしまうので、総じて普通という感情以外湧きませんでしたが、第12話の陽菜ちゃんの演技により作中の物語が派生していく展開は正直良かったと思います。
フォーチュン組に関して、最近多くなってきているアイドル声優を取り扱った組だったので、良いところをついてくるなと感心しましたが、描いている内容はアイドルアニメそのものなので、声優アニメとしての面白さは感じなかったというのが正直な感想です。
アイドルアニメとしてのわちゃわちゃや、キャラの個性の強さは『CUE!』内で1.2位を争える立ち位置でありましたが、これ単体で他のアイドルアニメと張り合えるかと言われると、張り合えるとは思えない微妙なラインでしたので、まぁこれも普通かなという印象がありました。
ラジオ組に関して、個人的な意見で恐縮ですが、1番不遇な組だったんじゃないでしょうか。
他の組と比べてとにかく個性がなかった印象があります。
単発的なエモいストーリーはこの組に固められていましたが、キャラの印象の薄さと、個人的なそもそもの興味の無さがあったので、この組のエピソードは退屈だったなという印象があります。
リエンヌ組に関して、何故この組が主人公陣営じゃ無かったんだと思えるほどの個性の強さがこの組にありましたね。
『リステ』の波動を受け継ぐ組がどこの組だったかと問われれば、真っ先にリエンヌ組を挙げるくらい、個性の完成度の高さを感じられ、それがあることによって、声優らしい仕事に付けていなかった組みであっても非常に面白いエピソードを紡ぐ事ができており、仕事がなかったが故に、徐々に仕事が増えていく事による成長を1番感じられた組でした。
この組が1クール目でほとんど手をつけられなかったのが信じられないと私は終始思っていました。
こんな感じで、各組しっかり掘り下げられてはいるんですが、これが連続して描かれることはなく、途切れ途切れの構成だったのでどうしても盛り上がりに欠けるイメージが拭えませんでしたね。
AiRBLUE全体としての掘り下げも皆無に近いので、各組の誰かに標準を合わせて楽しむ事がベストだと思います。
エモくなれそうでエモくなれない、わちゃわちゃできそうでわちゃわちゃ出来ない、面白くなりそうで面白くならない。
全てが普通に落ち着いてしまっているような印象を感じるアニメでした。