れおぱるレビュー

『パリピ孔明』

オススメ度 A

 

OP: SS

ED: A

作画: A

わちゃわちゃ: B

 

あらすじ

 

五丈原で星になった天才軍師・諸葛孔明
死んだはずの孔明が目を覚ますとそこはハロウィンで超アゲ↑の渋谷!
孔明パリピに連れられていったクラブで、歌声のバイブスがエグいシンガー・月見英子と出会う。
しかし英子は自信を失って超サゲ↓状態。
どうする孔明!?どうなる英子!?

引用元:STORY | TVアニメ「パリピ孔明 」公式サイト

© 四葉夕卜・小川亮・講談社/「パリピ孔明」製作委員会

 

どうも!バイブス、アゲてますか???

れおぱるレビューです!!!

 

実は原作の1.2巻を持っている作品がアニメ化するとの事で、放送を楽しみにしていた作品の一つであった本作。

良いものが見れたと満足のいく出来でした。

 

何故か渋谷に転生してしまった諸葛亮孔明が、クラブで歌っていた売れない歌手・英子の歌声に聴き惚れ、彼女の軍師になることを誓い、色んな策を用いて英子売り出していく物語。

 

渋谷に孔明?w

という、一見出オチに見えてしまう設定ですが、この孔明という存在を出オチにせずに、物語に必要不可欠な存在として映し出し続けた描き方は、終始凄かった印象があります。

諸葛亮孔明と聞くと、物事の全てを見通した上で策を練ってくるような、神のような軍師の人という印象がありますが、本作で描かれている諸葛亮孔明もまさにその通りで、物語そのものが孔明の掌で踊らされているような感覚に陥ってしまう描き方が非常に素晴らしかったと感じます。

また、英子を売り出すための策として、三国志で実際に使われたとされている色んな策が作中に登場し、三国志が好きな人や、三国志を少し齧っている人、三国志を全く知らない人でも楽しめるように策がどんなものなのか説明された上で描かれ、現代の渋谷に蘇っていく姿は鳥肌が立ちましたね。

しかも、その策を英子だけの為に蘇らせる徹底した英子の軍師としての描き方も非常に良いなと感じました。

それに加え、アニメのクライマックスとなる10万イイネ企画に対して、英子に必要な存在と感じるならば、凄腕のラッパーですら口説き落として仲間に引き入れる描写などでも軍師ぶりが徹底されており、我々が求める諸葛亮孔明像がそのまま映し出されている満足感というものは桁違いだったと思います。

 

ただ、孔明が一度聴いただけで軍師になると決意した英子の歌部分について思うところもあります。

あの孔明が一度聴いただけで軍師になると買って出るくらいの歌唱力が原作でも描写されていたことから、この辺アニメ化の時に表現が大変そうだなと感じていましたが、アニメでは、歌部分のみ歌唱キャストとしてCVが変わっており、なんだか個人的にはあまり好きではない表現のされ方をされていたので、そこは残念かなと思いました。

また、歌唱キャスト・96猫さんの歌唱力そのものがものすごく良いだけに、作中で英子ちゃんが歌に感情がこもってないなどのダメ出しを受けるパートも説得力がなく、誰かのために歌うという答えを見つけるパートも、歌そのものの成長が感じにくいなと思ったので、全体的に見ると歌唱キャストとしてCVを分けたのは良くなかったんじゃないかなと感じます。

 

あと、歌唱パート繋がりで言えば、軍師孔明の手によって英子ちゃんがのし上がっていくストーリーは申し分ないのですが、歌そのものの成長が、誰のために歌うだとか、感情をのせるだとかいう、所謂根性論に落ち着いていたのは良くないなと感じました。

というのも、本作の導入で、BPMなどの音楽用語が登場、細かく解説されていることから、原作を読んでいた頃は、ある程度の音楽理論に基づいた成長の仕方を取り入れてくるのかな?と予想できるような下地が出来上がっていた為、原作1.2巻以降が描かれるアニメにはそれを期待していたんですが、結局根性論に落ち着いてしまっていた為、その辺は期待外れかなと感じてしまったので。

音楽に正解が無いことなどは重々承知していますが、今流行りのコード進行など、ある程度確立した音楽理論というものは存在するわけなので、その辺を物語に落とし込んでくれれば物語自体もう1段階や2段階上に上がれたのかなと思いました。

 

孔明が動くのはあくまで英子の歌を世間に知らしめる為だということを忘れず、孔明が策を練り裏で物語そのものを牛耳ってはいるが、スポットライトを当てるのは英子の歌そのものであり、孔明はその手助けをしているに過ぎないという徹底した軍師ぶりの描き方が非常に上手く、策が成功しても英子の歌のおかげだからと常に一歩身を引くスタンスを貫く孔明のかっこよさにイメージが崩されることもなかったので、孔明へのリスペクトを忘れない素晴らしい作品だなと終始感じました。

また、渋谷×孔明という設定の面白さも忘れる事がなく、孔明に「激アツ」や「バイブス」などパリピ用語の数々を喋らせるパートは思わず笑ってしまうほどの出来で、孔明の魅せ方というものが、色んな面において優れているなとも感じました。

歌唱パート、歌そのものの成長パートなどには疑問に思う点もありましたが、アニメになることによって、音楽や歌や動きが付き、この作品がより輝かしいものへと昇華されていることは事実ですので、楽しめる作品であることは間違い無いかなと思います。

バイブスをアゲていきたい皆さん、本作、見なくて大丈夫そ????

ブチ上げていこうぜ!!!!!!