れおぱるレビュー

『サマータイムレンダ』

オススメ度 S

 

OP1: S

ED1: C

OP2: A

ED2: SS

作画: SS

わちゃわちゃ: B

夏らしさ: SS

 

あらすじ

 

幼馴染・小舟潮の訃報を聞き、和歌山市『日都ヶ島』へ2年ぶりに帰郷した網代慎平。
葬儀に参列した慎平は、親友の菱形窓から「潮には他殺の可能性がある」と打ち明けられる。
さらには潮の妹・澪までも潮は殺されたと訴える。
日都ヶ島には、自分と同じ姿の「影」を見たものは死ぬという伝承があった。
生前、澪は潮の「影」を見たという――。

引用元:#01 | STORY|TVアニメ『サマータイムレンダ』

©田中靖規/集英社サマータイムレンダ製作委員会

 

どうも!!春クールの『サマータイムレンダ』→『であいもん』→『舞妓さんちのまかないさん』の流れで永遠と関西弁に犯されていく感覚が大好きでした!

れおぱるレビューです!!!

 

いやぁ、面白かったですねぇ......

出来ることならSSを付けたかったんですが...悔しいですねぇ...

 

幼馴染・小舟潮の訃報を聞き故郷の日都ヶ島に帰ってきた主人公・網代慎平が島で不思議で不気味な体験を次々とし、殺されてしまい、気付けば島に向かっているフェリーに戻っていた...というお話。

 

簡単に言えば死に戻りものなので、もう設定の時点で優勝だなと確信できるような第1話の魅せ方は今でもはっきりと覚えてるくらい強烈でしたね。

清々しい晴れた夏の日が舞台なのにも関わらず、島全体を覆うような不気味な空気感は肌に伝わってくるような感覚があり、まだ何も描写されていないのに緊張感が絶え間なく身体中を駆け巡る感覚は圧巻そのもので、エピソード自体もバッドエンドから始まる掴みの良さ、もう完璧な1話だったんじゃないですかね。

そしてそこから展開される1クール目。

物語的には序盤〜中盤に当たるパートですが、もうここからサマータイムレンダらしさが全開に光っていたと言いますか、毎回固唾を飲みながら、時には手を震わせながら見てた記憶があります。

まず描写されるのは慎平が死に戻りを理解するパート。

何が起こっているのかわからないまま次のルートでデジャヴを体験するうちに疑問を抱くようになり、慎平の性格が俯瞰して考えることなので、それを活かして死に戻りを理解させていくパートは隙も無駄もなく素晴らしいテンポで描かれ、そこでもしっかり死に戻りさせることによって我々と慎平にトラウマを植え付けてくるサマータイムレンダらしさは、もうやめてくれ!と言いたくなるほどの出来。

素晴らしい以外の言葉が見つかりません。

 

そして始まる死に戻り特有の地道なルートの塗りつぶしと情報収集。

ここでは影の設定の良さが存分に光っていた印象があり、まだ影か人間かを見破れない慎平にとって誰も信じられない状態でルートを模索していく様は物語の不気味さと面白さをさらに加速させていたので、毎週大盛り上がりで見てました。

そんな中で追加される影の情報を持っている・南方ひづる、とある事情で出会った影潮の存在は非常に大きく、今まで地道なルートの塗りつぶししかできなかった物語の展開に大きな進展をもたらせる事ができ、尚且つ慎平の死に戻りだけに頼らない舞台が出来上がったので、ここからさらにギアを上げて物語が面白くなった印象がありました。

 

そんな中で判明する新たな問題はセーブポイントの存在。

慎平が死に戻りをするたびに徐々に進んでいるセーブポイントの存在が明確に描かれたことによって、ダメなら死に戻りすれば良いというルートの塗りつぶし作業が出来なくなり、一つ一つの行動が丁寧になり迂闊な行動が出来なくなり行動が制限されていく設定も非常に良かったですね、物語の面白さをさらに加速させていると同時に、これ以上にない緊張感が常に走るようになった描写でもあるので、本当すごいなと感心することしかできませんでした。

そして、ひづるさんと影潮が加わることにより徐々に解明されていく影の謎。

ここでもね、この物語の素晴らしさを感じることができ、物語の核心に迫るような描写では出し惜しませずに一気に進んでドバドバと新たな情報が開示されていくテンポの良さは圧巻でした。

 

1クール目を振り返ってみると、キャラの性格や物語の設定が非常にうまく組み合わさり、一つ一つの歯車が無駄なく動き、一つでもかけようものならこの物語が成立しなくなると思えるほどにまで徹底的に全てを活かしてくるスタイルは圧巻そのものでしたね。

そして、後に語ることですが、絶望の植えつけ方がとにかくすごかった...

 

2クール目、

ある程度影の情報や死に戻りの情報が出揃ったところで決戦に向けた準備であったり、気持ちを固める前夜、そして最終決戦が描かれるクール。

1クール目の後半でハイネという存在が真の敵であることがわかり、守るストーリーから倒すストーリーにシフトチェンジしたは良いものの、慎平のループがバレてしまい窮地に立たされると言う構図がまず描かれた2クール目前半。

ここのすごいところはなんといっても絶望感じゃないでしょうか。

ある程度希望の光が見えていた1クール目と打って変わって、セーブポイントの存在も知れ渡ってしまい、その特性も知られたことで、慎平を無抵抗のまま殺し何も情報を与えない戦い方をしてくるようになった恐怖は慎平並みに視聴者も感じ取ることができ、これ以上にない絶望感を植え付けられました。

そんな中で、逃げ道や弱点を探すだけでは太刀打ちできないと判断した慎平達が初めて総力戦で立ち向かった後にはいろんな情報を手に入れることができ、来る決戦前夜に備えて準備を整えていく希望も見えるわけですが、「これ以上にない」を平気で更新してくるのがサマータイムレンダらしさなんですよね。

クライマックス付近では、序盤で撒かれてきた伏線やらなんやらが一気に回収される面白さがあるので、詳しくは語れないんですが、

セーブポイントの制限を知ったハイネ達が殺した相手をもう二度と生き返らないように戦い方を変えてくるところは本当絶望以外の何者でもなくて、EDを見て次回予告を見てもまだ放心状態が続くという状態に毎週のようにさせられた2クール目の中盤はほんとトラウマですよ。

中でも第20話は特にやばく、これはもう実際に見てくれとしか伝えられないような内容なんですが、涙が止まらなくなる事だけは伝えておきます。

それくらい個人的な最大瞬間風速はここで感じました。

 

サマータイムレンダらしさという部分で最も印象に残るのは先で述べた通り平気でこれ以上にないを更新してくる絶望を感じるパートなんですよね。

ある程度情報を収集して希望の光が見えたと思えば、当たり前のように絶望のどん底に叩き落としてくると言う構成が数え切れないほど描かれており、そのたびに「これ以上にない」を更新してくるので、もう怖くて怖くて仕方がありませんでした。

こういう恐怖の積み重ねが、視聴者も一瞬たりとも気を抜けない緊張感を作り出していましたし、ほんと物凄い作品だなと痛感できるポイントですね。

 

この後のクライマックスはもうネタバレの宝庫なので語れませんが、少し残念だなと思ったパートを一つだけ。

ハイネの仲間である四手についてですが、特性が分かりづらく最終決戦を最後の最後までかき乱していた印象がありました。

単純明快な戦闘描写ではあったものの、疑問に思うことで没入感が薄れていたというのは事実なので、もう少しわかりやすく描くか、

潮が不本意ながら真の敵として君臨できる展開も十分描けた舞台があったので、そっちの残酷なルートで視聴者を吐くぐらい泣かせても良かったのではないかと感じます。

ただ、クライマックスで描いていること自体は我々が半年間夢見てきたハッピーエンドそのものなので、悪くはありません!

 

ハッピーエンドをもたらした後に第25話でがっつりエピローグも描いてきてこれまでに体験してきた濃密な3日間の達成感に浸れる綺麗な終わり方をするアニメです。

2クール全25話で物語の完結まで描く構成の良さ、

影の不気味さを存分に吐き出すために動きや音でアニメ化の強みを出し惜しみなく描いてくる凄さ、

希望と絶望を交互に繰り返し視聴者を常に掴んで離さない引付力、

最強すぎる敵に立ち向かっていくアツさ。

誰をとっても素晴らしいアニメだなと断言できるほどの素晴らしい出来に、ほんともう何も言うことがありません。

伏線を撒けばクライマックス付近で全て回収しますし、フラグを立てれば当たり前のように回収してくる、そんな物語の起伏が激しいアニメなので毎週放心状態や歓喜の渦に包まれること間違いないし。

 

2022年10月現在、独占配信アニメですので、見れるところがディズニープラスだけに限られ、サブスク料金が¥990とアニメを見るには高価に思えてしまえますが、『サマータイムレンダ』を全話見た私から言えることはただ一点、

そのお金は出す価値があります

それくらい楽しめるアニメですので、是非!

そして!独占配信だけがこのアニメ唯一の欠点だと私は感じますので、早々にいろんなアニメ配信サイトで配信してはほしい!!!!

お願いします!!!!!!!!!!!