れおぱるレビュー

『錆喰いビスコ』

オススメ度 A-

 

全てを錆びつかせる〈錆び風〉が吹き荒れる日本。異形の僧侶がひとり関所を通りがかる。
その背には僧に似合わぬ弓矢があった。
一方、忌浜の街で医院を営むミロは、錆に侵された姉パウーを救うため秘密裏に新薬を研究していた。
そんな彼の前に現れたのは……。

引用元:八十万日貨の男 | 「錆喰いビスコ」アニメ公式サイト

© 2021 瘤久保慎司/KADOKAWA/錆喰いビスコ製作委員会

 

どうも!世界観がこだわり抜かれているアニメには相変わらず一瞬で心を奪われますね...

れおぱるレビューです!!!

 

荒廃した世界、各地で全ての生き物を襲う錆び風。

忌浜の街の心優しい医者・ミロと、

指名手配犯のキノコ守り・ビスコが繰り広げる疾風怒濤の冒険譚。

面白いアニメでしたねえ〜!!!!!

 

いろんな偶然が重なり運命的な出会いをした2人、2人には錆で苦しむ大切な人がおり、利害が一致した2人が、錆びを吸収するという錆び喰いを求めて旅をする...という導入から始まった本作。

個人的には、1話を1時間枠でやって欲しかったなと思いました。

本作の導入は、1〜3話にかけて描かれるわけですが、1話の時系列がシャッフルされている状態なので、少々わかりにくい節があるんですよね。

2話まで見ると1話がシャッフルされている理由というものも掴めてき出すので、1話で1時間枠が取れていたらもっと最初からのめり込めたのかなと感じます。

 

2人が繰り広げる冒険譚というものは、実に王道で、初めは何をやっても上手くいかない2人だったものの、幾多のピンチを共に乗り越えていく事で、築き上げられる信頼関係が非常にアツく、期待している通りの冒険要素が見れたなと満足できるものでした。

ただ、全体的にテンポが速すぎるのも気になるところではあります。

最終回でキリのいいところまで描ききっているのでは、テンポを早めにしていたことは結果的に正解ではありましたが、正直2人の旅路をもう少しじっくり見たいなとも思ったんですよね。

2クールくらいの枠を取ってじっくりやるのもありだったんじゃないかなと思ったりもします。

 

そして、2人が旅を続ける中で、絶対的な悪役として君臨する黒革が干渉し始め、物語はVS黒革を描く終盤へ...という流れでした。

ここでも、これまで築き上げてきた旅路での2人の信頼関係が大いに光り、とてもアツ苦しいと呼べてしまうほどのものが描かれていたんですが、ここでも言いたいことが一点。

ここから先はネタバレになるので、気にする方は見ないようにしてください。

ビスコが死亡するシーンが終盤で描かれていましたが、正直その後のエピソードで復活するするのは興醒めでした。

ビスコが決死の覚悟で黒革との相討ちを選び、自分の最期にトドメを刺すのはミロである事を指定し、

ミロはどうやっても助からないビスコを自らの手で葬るという描写、ここで描かれているものそのものは、非常にアツく、グレンラガンなどを彷彿とさせるような思わず涙を流してしまうエピソードだったんですが、その後のエピソードでビスコが復活するのはダメなんじゃないかなと思っているんですよね。

ミロがビスコにトドメを刺すシーン、ミロは張り裂けそうな想いから矢を放ち、ビスコから託された想いを継承し、ビスコビスコの夢とともに自分の中で生き続けるんだという覚悟すらをも明確に描いていたにも関わらず、ミロの覚悟を踏み躙るような復活は正直求めていませんでした。

復活した方がアツいし、面白いし、ミロが大喜びするのはわかるんですが...よくなかったんじゃないかなぁと感じてしまいます。

 

荒廃した世界で巨大生物が蠢き、矢を放てば巨大なキノコが咲く。

圧倒的な世界観で初手からぶん殴ってくる本作、

世界観に圧倒され、1話から虜になるのは間違い無いと思います。

テンポが早く感じるようなストーリー構成ですが、めちゃくちゃアツいストーリーを展開してきますので、油断しないようにしてくださいね!!