れおぱるレビュー

『SELECTION PROJECT』

オススメ度 B

 

あらすじ

 

アイドルを夢みる中学生・美山鈴音は、大人気アイドルオーディションリアリティーショー「SELECTION PROJECT」を勝ち上がり、いよいよ全国予選決勝に挑む。鈴音の挑戦がいま幕を開ける!

引用元:STORY|「SELECTION PROJECT」公式サイト

©SELECTION PROJECT PARTNERS

 

どうも!アイドルアニメあるところならすぐにでも駆けつけます!

れおぱるレビューです!!!

 

今期、いろんな理由で話題を掻っ攫っていった本作。

何が理由なのかは後ほどゆっくり解説するとして、序盤から終盤にかけての感想をダラダラと述べていきます。

 

まず序盤。

第1話がとても印象に残ってます。

アイドルオーディションリアリティーショーを勝ち上がり、憧れのアイドル・天沢灯のようなアイドルになるため、最終予選に向けた、全国予選決勝に旅立つ美山鈴音。

だが、決勝の舞台で思わぬアクシデントが...というあらすじで描かれた第1話。

決勝で起こったアクシデントにより、主人公であるはずの鈴音ちゃんが予選敗退を喫し、悔し涙を流しながら家に帰るという印象的な幕引きから始まった第1話に、この後どう展開していくの!?と一気に引き込まれたことが記憶に新しいこのエピソード、全てが思い通りに事が進むわけではなく、この先いくつもの試練が待ち受けてるような厳しい環境でのアイドルアニメというものが想像でき、アチアチの展開が描かれるのではないか?と大いに期待できるスタートダッシュには正直文句のつけようがありませんでした。

続く第2話では、大好きな歌で負けてしまったが、歌が悪い思い出になるのは嫌だ!という信念のもと、色々とあり、セレプロ本戦に復帰を果たす流れも、ただ流れに身を任せて進むストーリーではなく、自ら進んで行動し、それに伴った結果が付いてくるような泥臭さすら感じるアツいものが描かれ、さらに期待が膨らんでいった印象がありました。

この1.2話で描かれているものというのは非常に良く、この導入部分だけなら、今年で言うSSを取った『ラブライブ!スーパースター!!』と肩を並べるほどのアイドルアニメになるのではないかといっても過言ではないくらいアツいものが描かれていたんですが、ここから物語は大きく上下に揺れていくことになりました。

 

まず、3〜5話。

最終予選では、自分の得意ジャンルに9人が分かれてチーム毎に深掘りをするエピソードが展開されるわけですが、毎回雨降って地固まるといった似たり寄ったりのストーリーが描かれ、うんざりした記憶があります。

雨を降らせて地を固めるという展開は、手軽に衝突から和解までを描け、更には仲も深めさせることができるので手っ取り早い手段ではありますが、全てのチーム、全てのキャラクターを使ってそれが見たいかと言われると、そうではなく、一部の関係性を築く為にそれが見たいと思う為、この似たり寄ったりの展開は良くなかったと思います。

 

更に、追い討ちをかけるかのように物語中盤で物語全体の大失速を招いてしまった原因がありました。

それは、21年冬に放送された『IDOLY PRIDE』の設定と酷似した設定が描かれていたこと。

設定に限りがあるのがアニメというものなので、多少の被り程度なら軽くネタにされるくらいで許されますが、本作とアイプラの設定被りは異常なまでに被っており、正直目を瞑ってやり過ごすこともできないレベルでした。

ざっと上げると、

・主人公は伝説のアイドルに希望をもらいアイドルを目指している

・伝説のアイドルは死んだ

・伝説のアイドルの妹が主人公の同期

・主人公は心臓移植経験がある

・心臓移植の提供元は伝説のアイドル

などなど...この設定だけで見ると本作なのかアイプラなのかわからなくなってしまうほど設定がまる被りしており、今期の話題を掻っ攫う要因にもなっていました。

ただ、アイプラよりも本作の方がこの設定を活かしてる部分が多く、この設定絡みのエピソードの深みであればどの部分においても本作がアイプラの上位互換であることは確かな為、面白さと言うものは感じることができましたが、やはり設定がまる被りな為、アイプラと同じ目でしか見ることができず、放送時期の悪さと本作の運の悪さと言うものをひしひし感じました。

 

ただ、中盤で大失速してしまいそのまま落ちるだけかと思っていた本作も終盤で鬼がかった巻き返しが描かれます。

9人全員がライバルで、9人全員が仲間であるというスタンスで戦ってきた最終予選のメンバーは、いつしか9人全員合格を夢見始めますが、そんな矢先、2人脱落させて7人に絞るという通知がされ、それに反発した9人はセレプロ本戦を棄権扱いされてまで自分たちの夢を追う方を選ぶという、とてつもなくアツい展開が描かれ、棄権後は路上を軸に一から再スタートするという泥臭ささえも描いてしまい、整えられた舞台がなくとも、9人なら必ずデビューまでたどり着くことができる!というストーリーが描かれ始め、今まで中盤で感じていた大失速を感じさせないほどまでに神アニメ直前まで返り咲いたのはお見事としか言いようがありません。

まさしく、序盤で夢描いていたような他のアイドルアニメとは訳が違う!と言えるような大好物な展開が待ち受けていたので、興奮しっぱなしでしたが、クライマックスで神アニメ直前から転げ落ちてしまったのがBになった所以でもあります。

 

路上から再スタートを切った9人の元に、再びセレプロから本線への復帰のオファーがあり、9人を追い出したセレプロになんか戻るか!と蹴散らしてくれると思いきや、あっさりと本戦復帰してしまい、後は流れに身を任せるかの如く整えられた舞台でプロデビューにまで至ってしまうという、先が読めてしまう展開に本当にがっかりしました。

路上に堕ちてまで私たちは夢を追いかけるんだ!ということをしてくれていただけに、クライマックスのこの展開だけはどうしても受け入れられず一気にダメなアニメになってしまったなという印象しか持てません。

 

1〜13話にかけて、面白さの涙が非常に激しく、アイプラの設定と酷似したものが非常に多く、本当にアイプラとセレプロどっちを見ているかわからなくなるようなアニメではありましたが、物語以外の部分で言うと、個人的に好みのキャラデザでモチベは高いままでしたし、肝心のライブシーンのCGレベルも非常に高く、安定した萌えをしっかり感じられますので、アイドルアニメ好きの方はまず見た方がいいと思います。

 

↓なんか噂ではこのアニメと似てるらしいですよ↓

『IDOLY PRIDE』