れおぱるレビュー

『天才王子の赤字国家再生術』

オススメ度 C+

 

あらすじ

 

父である国王が倒れ、補佐官のニニムと共にナトラ王国を導くことになったウェイン王子。しかし、王国は経済、軍事、人材……そのどれもが行き詰まっていた。国を売って早々に隠居したいウェインは、他国に高く買ってもらうためにしぶしぶ国力を上げようとする。そんな中、隣国のマーデン王国がナトラ王国に進軍を開始。やる気のないウェインだが、武官たちの士気は高まっており……。かくして、戦端の火蓋が切られるのだった。

引用元:STORY -TVアニメ『天才王子の赤字国家再生術』公式サイト-

©鳥羽徹SBクリエイティブ/天才王子製作委員会

 

どうも!今期は私が大好きな国家運営アニメが2本もあるという、とてつもないクールでしたね!

れおぱるレビューです!!

 

総合的に見ると、つまらないアニメでした。

国王が倒れたことにより、国の運営を任されたウェインだったが、国があまりにも貧乏すぎるが故、国力を上げて周辺国に売り飛ばし、その金を持ってトンズラする事を決意する物語。

まず最初に言いたい事は、タイトル詐欺なんじゃないかなということです。

タイトルには、"天才王子"のほかに、"赤字国家再生術"という言葉が入っておりますが、赤字国家という要素が作中であまり語られておらず、ウェインが立たされている状況というものがいまいち伝わりづらいものになっていたんじゃないかと感じています。

まず、赤字国家の運営を任された!と騒いでいるウェインですが、国が貧乏な様子や人材が不足している様子などが全くと言っていいほど描かれておらず、危機感が伝わってこないので全然面白みを感じられないんですよね。

それに加え、ウェインがいろんな手段を用いて諸外国と外交を重ね、国の財政がプラスに傾いていくという筋書きでありましたが、国内が潤っていく描写などもなく、ただただ天才王子による外交を見せられるアニメになっていたんですよ。

この点を踏まえ、私はタイトル詐欺なんじゃないかと感じた次第です。

 

次に、赤字国家を再生していくための術についてですが、これも正直物足りません。

ウェインの目的は国力を上げて少しでも高く買い取ってもらう事なので、物語は国力を上げていく様に重点を置いているわけですが、国力を上げる術が天才王子による外交一点張りなんですよね。

外交により、国力が上がるというのも間違いじゃないんでしょうが、その外交の中身もウェイン凄い!で片付くように内容ばかりだったので、満足度も得られず...

それに加え、肝心の国内が潤っていく様子も描かれないので達成感も感じず...という負の連鎖を辿っていたように感じました。

 

そして、なんといっても1番の問題は放送時期の悪さにありますね。

今期の国運営アニメは本作に加え、21夏から22冬にかけて分割2クール放送している『現実主義勇者の王国再建記』というものがあり、その作品とどうしても中身を比べられてしまうクールなので、本当に運が悪いとしか言いようがありませんし、

肝心の中身も『現国』に惨敗しており、先に申し上げた、赤字国家描写再生術においても、『現国』の方が細かく描いており、尚且つ外交だけでなく、国内でいろんな政策を打ち出し国が発展していく様子などもちゃんと描いているアニメだったので、本作の描ききれてなさというものが尚更目立っていたと感じます。

本作が『現国』を知る前に放送されたのなら、もう少しだけ評価を上につけていたでしょうが、『現国』を知った後だと、足りない部分というものが見えてきて仕方がないので、本当に放送時期が悪かったとしか言いようがないですね。

 

本作のいいところといえば、天才王子要素の徹底を怠る事なく、テーマ通り天才王子の外交を終始描いているところや、出てくる女の子がかわいいことくらいで、正直つまらないなという感情が先行してしまったので、低い評価となりました。

また、『現国』のレビューを書くときに詳しく触れますが、私が求める国運営物語の姿というものも、今期の2つのアニメを通す事で、より鮮明になるいい機会でしたので、最終的には見て良かったなと感じていますが、もう一度見たいかと言われると、勘弁してくださいとしか思わないそんなアニメでした。