れおぱるレビュー

『東京24区』

オススメ度 B-

 

あらすじ

 

ヒーローに憧れた青年、蒼生シュウタはとある事件で幼馴染である翠堂アスミを助けることが出来ず、ヒーローになることを諦めてしまった。
その事件から1年が経った追悼ミサの場で、シュウタは幼馴染の朱城ランと翠堂コウキに偶然再会する。
「RGB」と呼ばれていた3人は事件をきっかけに少しずつ疎遠になっていた。
そんな3人の携帯が突如一斉に鳴り響く。画面を見ると、死んだはずのアスミからの着信だった。
 引用元:#01 RGB - STORY | オリジナルTVアニメーション「東京24区」公式サイト

©Team24/東京24区プロジェクト

 

どうも!早いもので、22冬クール最後のレビューですね!

れおぱるレビューです!!!

 

RGBの3人を支えてきたアスミの死から一年、久しぶりに再開したRGBの元にアスミを名乗る番号から着信が入り、実際に起こりうる未来のビジョンと共に、大切な人か多くの犠牲かを問うトロッコ問題が提示される...という物語。

 

物語が描きたかった事、描いてきた事、まとめ方は正直良い方というか、個人的に嫌いじゃないんですが、全体的に盛り上がりに欠けた印象がありました。

まず導入、1〜5話までの間に3つのトロッコ問題が提示され、RGBが力を合わせれば犠牲なく物事を解決する事ができ、RGBの意見が割れてしまえば被害は最悪の方向に進み、トロッコ問題の選択肢通りの行動をとればRGBに亀裂が入るというところまでは正直綺麗に描けているなと感心していたんですが、問題は中盤から終盤にかけてあったと思います。

度重なるトロッコ問題の失敗によって亀裂が大きなものとなった3人はバラバラになってしまい、それぞれが違う道を選択するようになる中で語られるKANAEシステムの全貌。

なぜKANAEシステムが必要だったのか、区長が固執しているのかなども明確に描かれ、そこに繋がるまでの伏線も申し分無かったのですが、ここで気持ちが高まったというのは別の話で、正直そこまで気持ちが昂ることはありませんでした。

物語ラストまで観て思ったんですけど、物語が描きたい事が先行しすぎていて視聴者が各キャラに感情移入するようなフェーズが弱すぎたんじゃないかなと個人的には感じています。

特に、アスミに対する想いの差というものは、登場人物達と視聴者との間で顕著に現れており、

RGBが固執し続ける理由なども語られてはいるんですが、そのパートが非常に薄くて心に語りかけてこないので視聴者が乗るに乗れない状況が作り出されていたと思うんですよね。

なんかものすごい勢いで走ってる車に無理矢理乗せられているみたいな。

その想いの差というものが弊害になり、温度差も顕著に現れ、ギャグ?と囁かれてしまうような事態に陥ってしまったのは非常に残念だなと感じます。

これが仮に、ストーリーの遊びと言いますか、2.3話程度の日常。アスミが生きていた頃の平和な日々というものをエモさも交えながらストーリーに組み込む事ができたら、本気で悩みまくって殴り合いにまで発展してしまうRGBのシーンも非常に良いものになっていた気がします。

この辺がストーリーはある程度まとまっているが、盛り上がりに欠けていた理由なんじゃないかなと思います。

 

そしてもう一つ。

ロッコ問題のような選択肢で問われるものといえば、各個人で違う正義になってくるわけですが、

この作品はそこの決着を有耶無耶にしてしまったのがちょっと良くなかったですね。

正直難しいテーマではありますので、これが答えだ!と提示されても反発は免れませんが、かといって有耶無耶にして良いものでもありません。

RGBなりに出した答えが、

アスミ大好きだ!!なのはちょっと笑ってしまう正義の解答になってしまっているので、この辺をもう少しどうにかして欲しかったなぁと思います。

 

全体的に描きたい事が明確で、ストーリーもどちらかといえばまとまっていますが、解決していない問題も残っているのは事実で、要所要所が有耶無耶にされてしまっているので、面白いかと言われれば微妙と答えるしかありませんが、

難しい問題が立ちはだかれば、不器用な男達は殴り合いで解決し、アスミに大好きだ!という気持ちを伝え締める強引なやり方は個人的に嫌いではない勢い任せの展開だったので、良くはないですが、良かったんじゃないのかなぁと思いました。

みんなアスミ大好きですしね。

仕方ない締め方ですよ。

まぁ、オススメは出来ませんが...

アスミが大好きなら見るべきだと思います!