れおぱるレビュー

『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』

オススメ度 B

 

OP: B

ED: S

作画: B

わちゃわちゃ: A

 

あらすじ

 

18歳の少女ミツハは、高校卒業を目前にして両親と頼れる兄を一度に失い、天涯孤独の身になってしまった。ショックで大学受験にも失敗して途方に暮れていたミツハは、崖から海へ落ちてしまった…はずが、異世界の大平原にいた!彷徨っていたところを、森の中で出会った少女・コレットに助けてもらい、村での生活が始まった。ある日、コレットと山菜取りへ出かけたところ、オオカミに遭遇してしまい――。

引用元:老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます

©FUNA・講談社/「ろうきん」製作委員会

 

どうも!相変わらず異世界×商売に興奮する性癖は治りません!

れおぱるレビューです!!!

 

両親と兄を一度に失い天涯孤独になってしまった18歳の少女・ミツハは、ある日崖から落ちてしまい気が付いたら知らない平原で寝転がっていた。

周辺を散策していると村に住む少女・コレットと出会い村での生活が始まる...という物語。

 

異世界転生でも異世界転移でもなく、自由に現実世界と異世界を行き来できる能力ということで、必要なものがあればすぐにでも現実世界で準備を行えるというチート能力が描かれている作品で、大きなテーマに金儲けが据えられているので、やる事はただ一つ。

異世界×商売ですよね。

我々が普段何気なく使っているものが異世界の人たちからすると革新的なもので驚かれまくる様に我々は気持ちよさを感じるだけというどうしようもないテーマですが、私はこのテーマがほんと大好物すぎて毎度のことながら新鮮な気持ちで興奮できるんですよね。ほんと困ったものです。

 

天涯孤独となったミツハちゃんが現実世界で老後に優雅に暮らすための資金を貯めるために異世界の金貨を荒稼ぎしていこう!というテーマの下物語がスタートするわけですが、そう簡単に自分の店を持てるわけもなく、まずは偉い貴族の後ろ盾を作ろう!という打算的な考えで動いていくのが『ろうきん』らしさに溢れていて凄く気持ち良かった印象があります。

異世界で18歳の女の子が金稼ぎをするとなると、イケメンな貴族や王子に取り入ってそこから商売の糸口を見出していくみたいなストーリーを導入は想像しますが、ミツハちゃんの場合はお金に対する執着が半端じゃなく、男にかまけている暇があるなら何が売れるのか考えまくる!という金儲けに対する徹底ぶりが常に貫かれていたことで、『ろうきん』にしか描けないお金にがめついミツハちゃん像が完成していました。

また、恋愛のれの字も見せないほど突き進む商売の道の中で行く先々で幼女から熱い信頼を得て萌え成分を増幅させてくれたのも実に私好みで終始楽しかったです。

私の細かい性癖を狙いを定めて突いてくるような展開の数々に好きを隠しきれませんでしたね。

 

商売面でも、初めから異世界人に地球のものが大人気になる!という甘ったるい展開は描かず、見ず知らずのものに近寄ろうとしない異世界人を説得するべく商品が売れるための活路を考え見出していく涙ぐましい?ミツハちゃんの努力も見ることができますし、商品を売り出すために別のビジネスを行いしっかり金儲けもし商品も売るというお金に対する執着も曲げることなくストーリーの中にしっかり落とし込まれていたので大変素晴らしかったです。

また、その新たなビジネスによって後ろ盾を更に増やしていく様も、商売の延長線上である出会いとして貫かれていて、テーマを一切崩さないなと感心することもできます。

 

クライマックスでは世界間転移能力と、異世界に来る前に準備してきた傭兵達との関係性をフルに生かした王都を守る展開が描かれ、初めは躊躇していた近代兵器の持ち込みも段階を踏むことでミツハちゃんの中で解放し文字通り無双していく気持ちよさもあって、求められていることを理解しているな...と感じることができる出来に言うことはただ一つ、素晴らしいな...の一言です。

 

そんな着実に私の性癖を突いてきた『ろうきん』ですが、めちゃくちゃ面白いのか?と言われると素直に頷けない安っぽさがあるのも事実なんです。

全てがミツハちゃんの想像通りに収まってしまっており、物語の雰囲気からも安っぽさが滲み出ているので、面白くはないが面白くなくもない、普通という印象で最終的にまとまってしまうほど無難に描いてしまったのかなとも感じてしまいます。

ただ、私からするとこの安っぽさこそが作品の味そのものだと思うので、クール内に1本は欲しいアニメの筆頭格だなという位置付けにあります。

私と同じように安っぽいストーリーが逆に良いんだ!と思う方は是非見てみてくださいね。