れおぱるレビュー

『真の仲間じゃないと勇者パーティを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました』

オススメ度 C+

 

あらすじ

 

辺境の地ゾルタンの冒険者レッドには、勇者のパーティーから「真の仲間じゃない」と追放された過去があった。ある日、友人の甥っ子タンタが危険な病を発症し……。

引用元:TVアニメ「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました」公式サイト

©ざっぽん・やすも/KADOKAWA/真の仲間製作委員会

 

どうm...あぁ!タイトルが長い!!!!!!

れおぱるレビューです!!!

 

タイトルが長ければ長いほど興奮してしまう性癖と、異世界スローライフ系統に興奮してしまう性癖を持っているので、期待して見始めたアニメでしたが...

期待通りには進みませんでしたね。

 

まず、1番初めに言いたいことは、面白いとか面白くないとか、そう言うことではなく、

タイトル詐欺だったのではないかと言うこと。

タイトルにも「スローライフ」という文字が入っているので、異世界スローライフ系と思って見始めたかたも多いと思うんですが、蓋を開けてみると全然スローライフしないどころか終始ギスギスし、見たくもない濃いストーリーを永遠に見せられるという有様...最初からこの物語はギスギスしますよ!って言われていれば、そういう心構えをして見れるので問題ないんですが、タイトルに「スローライフ」と入っている以上、視聴者が求めている事はストーリーなんてあって無いようなスローライフだと思います。

このタイトルでスローライフと謳っていながらそれをほんの少ししか描かないのはどうなのかなと。私は少し残念に思ってしまいました。

 

スローライフを描かなかった分、ストーリーはどうなのかという点についてですが、

物語の描き方は上手かったんじゃないでしょうか。

本作のキーワードとなる「加護」というものを深く描いた序盤、この世界に生まれたもの全てに与えられる加護によって、本人がどう思っていようが加護に引っ張られその人の生き方が変わるというエピソードは、物語全体に繋がっていくような重要な話で、それを端折る事なく描ききっていましたし、

中盤と終盤で、その「加護」によって苦しめられる勇者ルーティの存在、「導き手」の加護を持つレッドを追い出した事で、崩壊に向かう勇者パーティの図、勇者パーティの逆恨みから辺境へと重要人物が集まりクライマックスという流れは、描いているものの一貫性を感じることができますし、素直に繋げ方が上手いなと感心できるほどのものでしたが、

やはりスローライフを求めて見始めた私には面白く感じることができず、何の話をやっているんだ...と感じてしまうこともしばしば...

これが最初からこういう話をやります!と伝えてくれたりだとか、タイトルから「スローライフ」を外してくれるだけで楽しめた要素にはなっていたので、非常にもったいないなと感じてしまいます。

 

そんな本作ですが、文句のつけようもない褒めるべき点が一点ありまして。

ヒロイン・リットの描き方は非常に良かったんじゃないかと思います。

リットは、辺境でレッドに再会し、昔伝えられなかった好意を伝えていくというヒロインでしたが、好意の伝え方というものがキャラの設定にあってて非常に良かったですね。

リットは元ツンデレ第2王女という設定を持っており、元ツンデレだからこそ愛情表現の仕方がわからず、どうしてもストレートに好意を伝えてしまう様、それによって照れて空回りも起こしてしまう様というものが徹底的に描かれており、紛うことなき今期No.1ヒロインとして最後まで君臨していましたね。

そして、他の異世界作品なら、その好意を「ヘタレ」の一言で片付けなかなか大成しない恋として逃げがちなんですが、本作はその好意から逃げる事なく、レッドがちゃんと好意を受け止め、その先へと段階を進めていってくれるので視聴者諸共救われた気分が味わえるという良さもありましたね。

この点だけは非常に優れているなと思いました。

 

視聴者が求めていることに対して、別の答えが当然のように帰ってきてしまう少し残念な本作。

物語そのものが描いていることは良いですが、視聴者が求めている事は、第4話のサウナのような話であったり、リットと幸せなスローライフを満喫するような話だったと思います。

こういう生産性のない話をするだけでも、スローライフを求めるファンからすれば神のような扱いを受けれる時代なだけに非常にもったいないことをしたなと素直に感じてしまいます。

本作を見て、改めてタイトル通り、テーマ通りのものを描くことの重要性、はたまたタイトルが持つ影響力というものは凄いなと感じさせられました。