『先輩がうざい後輩の話』
オススメ度 A-
あらすじ
糸巻商事に勤める、入社2年目の五十嵐双葉。
その会社の先輩、武田晴海は双葉に対し子どものような扱いをしていて、うざがられていた。
そんな中、双葉と武田は取引先へプレゼンをしに出かけるが、初プレゼンとなる双葉は緊張していた。引用元:第1話|STORY|TVアニメ「先輩がうざい後輩の話」公式サイト
© しろまんた・一迅社/先輩がうざい製作委員会
どうも!今すぐにでも糸巻商事に転職しようと思います。
れおぱるレビューです!!!
容姿が幼いことがコンプレックスな五十嵐双葉は、先輩である武田から子供のような扱いを受けることが多々あり、それをうざいと感じていた...というお話。
ストーリーがあってないような、ラブコメですので、詳しいあらすじというものも必要ではないと思います。
まず、触れるべき点として、テーマ通りのラブコメが終始描かれていたことに対する物語の強さ、本当に素晴らしいものがありました。
双葉ちゃんが感じていた武田先輩が子供扱いしてくるうざさ、というものが次第に照れ隠しで感じるうざさに変わり、それがまたこの好意にいつまで経っても気付いてくれないうざさに変わっていく様子は、双葉ちゃんの性格を余すことなく活かしきった先にあるたどり着くべき物語の境地と言っても過言ではないほど、テーマ通りのものが描かれていた強さというものは非常に素晴らしかったですね。
ただ、これは悪いなと思ってしまう点も見受けられてしまうのも事実で、
社会人という舞台を活かしきれなかったのは、本作の弱みだと感じます。
ラブコメと聞くと、時代が進んだ現代でも学生が主流のものが多く、学校を舞台にした恋愛をというものが大半を占めますが、本作は社会人を題材にした会社が舞台の物語ということで、学生を題材にしたラブコメにはないような落ち着きのある描写や、大人の余裕すら話も感じられるような駆け引きなどを期待していたわけですが、そういうことが描かれる描写が極端に少なく、物語中盤では、みんなで遊びに出かけるなど、高校生でもできるようなラブコメを描いてしまっていたことを残念に思います。
また、風間くんと桜井さんの恋愛が物語の至る所で描かれていましたが、彼らの恋愛も社会人に相応しくない初心すぎる恋愛を描いてしまっていたことが非常に残念だと感じます。
特にこの2人は、双葉と武田先輩と比べると、お互いが好意を丸出しにした関係性であるにも関わらず一向に付き合おうとしないむず痒さが次第に苛立ちに変わってしまうほどのもので、年相応の恋愛が描けていなかったんじゃないかなと減点の対象にしました。
五十嵐双葉ちゃんという主人公の性格の良さを120%にまで引き出し、テーマ通りのものの描かれ方という部分では大変満足に至る本作。
恋の駆け引きなどはすっ飛ばして、武田先輩に対する溢れんばかりの好きという感情を、うざいという形に変えて必死に照れ隠ししていく様は素晴らしく、ニヤニヤしすぎて頬が痛くなること間違いなしです!
それに加え、原作の良さを最大限活かしたヌルヌルの作画で汚名を返上しにきた、帰ってきた動画工房が観れる作品でもありますので、是非。