れおぱるレビュー

『見える子ちゃん』

オススメ度 A+

 

あらすじ

 

なんの変哲もない女子高生・四谷みこの日常。通学し、授業を受け、帰宅し、弟と怖いテレビ番組を観たり。 そんなみこに、ひたひたと忍び寄る影。それはなんの前触れもなく、 突如みこの視界に入り込んだ。最初は気のせいかと思った。 幻覚だと思った。疲れているだけと思おうとした…… しかし『それ』は確かに見えている――

引用元:STORY|TVアニメ「見える子ちゃん」公式サイト

©泉朝樹・KADOKAWA刊/見える子ちゃん製作委員会

 

どうも!見える子になることは勘弁ですが、いろんなところが見える子ちゃんになることは大歓迎です!

れおぱるレビューです!!!

 

非常に面白いアニメ、そして感動すらをも感じる見ていてとても楽しいアニメでした。

ある日突然、見えてはいけないものが見える体質になってしまった女子高生・四谷みこちゃんが、幽霊達に見えているとバレたくないがために幽霊達を見えていない風を装って無視し続けていくという、ホラーコメディという聞き慣れないジャンルのお話でした。

本作のすごいところはなんといっても、このホラーコメディの徹底ぶりにあると思います。

ホラーとコメディのような対極にある2つのジャンルが合わさると、どちらか一方がやや薄くなってしまいがちになってしまうんですが、本作のホラーとコメディはどちらが薄くなるわけでもなく、どちらが濃くなりすぎるわけでもなく、非常にバランスの取れた状態で物語が描かれていたので、怖いのに笑える、笑えるのに怖いといったような、対極にある二つの感情を同時に味わえるという不思議な体験ができ、『見える子ちゃん』のホラーコメディという新たなジャンルが確立されていく現場に実際に立ち会っているような感動さえも感じることができ、ホラーコメディというジャンルを徹底的に描いた面白さというものは本当に素晴らしかったと思います。

中でも、一際目を引いたのが、ホラーシーンの見せ方。

先ほど述べた通り、決してホラー要素がコメディ寄りになっているのではなく、ホラーすぎるほどホラーな幽霊達がわんさか出てきて、みこちゃんが感じている緊張や恐怖というものが手に取るように伝わってくるほどホラーが徹底されていたわけですが、そのホラーシーンに繋ぐフリであったり、ホラーシーン中の見せ方というものが非常に上手く、怖いはずなのに幽霊が出てきただけで笑える環境の作り方、幽霊がなんらかの危害を加えてくるかもしれない最中の会話の内容や幽霊の見せ方などが、シュール寄りではありますが、確かにコメディに繋がっており、怖いはずなのに思わず笑ってしまうというホラーコメディの徹底ぶりがホラーシーンの見せ方、描き方に表れていたと思います。

特にホラーシーン中の会話はこの作品の真骨頂ではないでしょうか。

見える子・みこちゃんと、見えない子・ハナちゃんは常に一緒いるほど仲が良く、極度の怖がりであるハナちゃんに見えることをみこちゃんがバレないようにしなければならないという関係性で物語が進行していくわけですが、みこちゃんが恐怖を感じるほどのことが目の前で起こっているにも関わらず、そんな事を露知らず、能天気な会話を続けるハナちゃんの存在があるだけでホラーコメディとして描けてしまう関係性の完成度の高さ、これはもう本当に凄すぎて、設定の段階で本作が完成してしまっているといっても過言ではないほどでしたね。

この関係性だけでも作者の天才ぶりが窺えると私は思います。

 

そんなホラーコメディを徹底した本作のすごいところは、ホラーコメディ要素だけでなく、

無視し続けるみこちゃんが、見えているからこそ出来る事をやろうとしだす物語の深みを出してくる部分にもあると思います。

幽霊を無視し続けるわけにはいかない状況に陥ってしまったみこちゃんが、ハナちゃんの為だったり、本当に困っている老人の為だったりと、見えているからこそ出来る心が温まるような人助けには、『レーカン!』のような感動すらをも感じることができました。

印象的だったのは、4話のお父さんのエピソードと、5話の老夫婦のエピソード。

特に4話のお父さんのエピソードは、思わずオシャレだなぁと思ってしまうオチの描き方だったり、思わず涙してしまうような、見えているからこそ味わえる感動というものが確かに描かれており、ホラーコメディに留まらず、ホラーというジャンルの中でいろんな話が出来るすごいアニメだなぁと感心させられます。

 

ホラーコメディというジャンルの描き方ただ一点でお釣りがきてしまうほど満足するものがここには確かにあり、そこに行き着くまでの設定の段階からホラーコメディというジャンルが完成してしまっているほど、初めから完成させられた素晴らしき本作。

ホラーコメディだけに留まらず、見ていてほっこりするような話も出来ますし、クライマックスは見えている自分にしか出来ない事を葛藤しながらもしっかりとやってのけ、物語をより深いものへと描くことができ、最初から最後まで本当に楽しませていただきました。

見えていない人ver.でみこ達の日常を描き、その後にみこちゃん視点の見えているver.でのエピソードの答え合わせ構成だったり、お化け屋敷で本物に出会い、あっこれダメなやつだと我に帰るみこちゃんなど、シュール寄りではありますが確かに笑えるホラーコメディというものがいくつも描かれているので、みこちゃんとハナちゃん2人の関係性だけで作り上げられるホラーコメディだけでなく、いろんな角度から攻めるホラーコメディも満載です。

そして、見えるものは幽霊だけでなく...

我々が普段見てはいけない女の子の脚であったり、みんな大好きパンツなども見える子ちゃんいたしますので、本当に隙がないアニメです。

 

私もいろんなものが見える子ちゃんしなければならないので、『見える子ちゃん』をもう一周して、フェチズムに満ち溢れた視点で見える子ちゃんしていきたいと思います?