れおぱるレビュー

『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』

オススメ度 A-

 

OP: A

ED: B

作画: C

わちゃわちゃ: C

 

あらすじな件

 

藤宮周は、人付き合いが苦手な一人暮らしの高校一年生。同じマンションの隣には、天使様と呼ばれる学校一の美少女・椎名真昼が住んでいる。ある日の学校帰り、周は雨の中ずぶ濡れになっている真昼を見かけ、傘を貸す。翌日、風邪を引いてしまった周を看病することになったことから、特に関わり合いのなかった二人の、不思議な交流が始まった――。

引用元:TVアニメ『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』公式サイト

©佐伯さん・SBクリエイティブ/アニメ「お隣の天使様」製作委員会

 

どうも!お隣に椎名真昼が住んでいればどれだけ世界が変わっただろうか...

れおぱるレビューです!!!

 

美人で礼儀正しく誰もが天使様と崇める存在・椎名真昼が同じマンションの隣の部屋に住んでいることを知った・藤宮周は、ある日雨にずぶ濡れになりながら公園で1人佇む天使様を発見し...という物語。

 

タイトルの最後に付く「件」や一人暮らしの高校生、その隣にも同じような境遇の同級生など、古き良き平成のラノベを感じるような少々古臭い導入から始まる物語でしたが、いざ物語を紡ぎ出してしまえば視聴者の誰もが椎名真昼に恋をしてしまうというとてつもないヒロインの魅力の引き出し方をしており、毎度「椎名真昼お前が好きだ...」という感想だけで成り立ってしまうとんでもない作品でした。

まず、タイトルにもある通り周が椎名真昼に甘えれば甘えるほど、駄目人間にされればされるほど物語が成立してしまう設定の良さから椎名真昼の魅力を引き出すことから始まります。

一人暮らしをしてる周はお世辞にも健康的な生活をしているとは言えない状況で、それを見兼ねた椎名真昼が料理を振る舞いそれが日常になっていくという関係性からスタートし、周の身の回りのお世話もしてあげるようになるというママみに溢れた女子力の高さや母性を感じられるのは非常に良かった。

このスタートがあるおかげで周は遺憾無く椎名真昼に甘えられる環境にハマっていき、2人で過ごす時間が増えていきますし、それを観ている我々も椎名真昼に甘えたくて仕方がなくなるいつのまにか駄目人間にされてしまっている始末。

テーマに沿った魅力の引き出され方を椎名真昼がしっかりされていることで今期の誰にも負けないヒロイン像へと駆け上がっていく様は圧巻でした。

そして、椎名真昼の良さが最大限表れるようになる中盤から終盤にかけて。

これはもう兵器と言っても過言ではないレベルの破壊力がありましたね...

2人で過ごす時間が増え、お互いの気になるという感情が好意に変換されていく重要なフェーズ。

あからさまな見せ所で物語を突き動かすのではなく、日常で繰り広げられる会話や共に過ごすイベントから相手への興味を積み重ねていき、気付いた時にはその積み重ねが大恋愛に繋がるものに変わっていって...という自然な流れで恋に落ちる空間が用意されていたのも椎名真昼の魅力に拍車をかけていたように感じます。

また、物語の進展的に椎名真昼からアプローチをかける事が多くなるのもここからで、相手に好意を気付かせようとしてあまりの恥ずかしさに撃沈していく様はノーベル賞を受賞した方がいいんじゃないかと思えてしまうほど美しいもので、こんなにかわいい女の子がまだアニメとして世に出ていなかったのかと驚きが隠せないほどでした。

それほどまでにヒロインの魅力。ただ一点のみを極めている作品でしたので、その武器だけで他のアニメと勝負して余裕で勝ててしまうような強さには文句のつけようがありません...

最高でした...

 

そんなヒロインの魅力の引き出し方が非常に長けている作品ですが、そこが強すぎるだけにどうしても浮上してしまう不満があるのもまた事実。

第7話で自分の弱いところや嫌いなところを全て曝け出し、その全てを周に受け止めてもらうことで周に対する全ての感情が恋愛感情に変換されていくフェーズ。

この話以降、椎名真昼の周に対する好きな気持ちが止まらなくなり、早く自分の気持ちに気付いて欲しくてあからさまなアプローチを何度も繰り返すんですが、周がそれに気付いていながらも応えるシーンが最終回の最後までないというヘタレっぷりは良くなかったんじゃないかと感じます。

男側の心境としては、今まで2人で過ごしてきた空間が楽しすぎた、心地良すぎたが故に自分が告白をすることによってもし失敗してしまった時、元の関係性に戻れなくなってしまうのが怖いという心理が働き中々告白という大きな一歩を踏み出せなくはなりますが、踏みとどまっているシーンがあまりにも長すぎます。

周の中でグルグル巡る葛藤を描くなとは言いません、むしろ描くことで作品の深みがさらに増して良いものにもなりますが、椎名真昼があからさまなアプローチを何度もしているのにそれに応えようとしない状況が8〜12話まで続くのはあまりにも長すぎるなと感じ物語全体のダレにも繋がっているように思えました。

また、告白の大きな一歩を踏み出す最終回においても、椎名真昼から逃げ道を塞がれることでやっと重たい腰を動かすというヘタレっぷり。

椎名真昼に恋する私としては椎名真昼に早く幸せになって欲しかったので、そのヘタレっぷりに対してイライラを感じてしまい作品に対する印象が少し悪くなってしまいました。

椎名真昼の恋心を確定させるフェーズが良かっただけに、それ以降周を男にするフェーズが同等の強さで描かれなかったのは素直に良くなかったですね。

物語の展開においても畳み掛けの部分なのでもう少しテンポを早めるなりもうひと展開行うなどやっても良かったんじゃないかなと感じました。

 

project No.9とかいうヒロインの魅力を引き出すことに特化した制作会社がアニメ化を行ったということもあり、椎名真昼の美しさは今年のヒロインランキングでもかなりの強さを見せるんじゃないかと冬の段階で予想できるほど完成され尽くされていたのでかなり見応えがあります。

革新的な物語ではありませんが、ヒロインの魅力をテーマに据えた作品としては大成功な物語です。

ヒロインの美しさを常に描き続けなければならない作品としては作画の乱れ方に不満を感じてしまうほど安定を感じることはできませんが、そんなことは関係ないと言わんばかりに暴れ散らかし数多くの男を恋に落とし殺してくるような勢いの椎名真昼は誰にも止められません。

椎名真昼...お前が好きだ...

結婚しよう...